#内閣支持率

☆岸田政権は安泰なのか、世論調査の内閣支持率を読む

☆岸田政権は安泰なのか、世論調査の内閣支持率を読む

   前回ブログの続き。今回の岸田改造内閣について、有権者はどう評価しているのか。メディア各社がそれぞれ緊急世論調査(10、11日)の結果を報じている。共同通信社の電話調査によると、内閣支持率は54%、前回(7月30、31日)より3%上げ、不支持は28%と前回より1ポイント減だった。今回の内閣改造と自民党執行部の人事をどう評価するかについては、「評価する」が44%、「評価しない」が41%だった。

   日経新聞の緊急世論調査では内閣支持率は57%で前回(7月29-31日)より1ポイント低下した。不支持率は35%で前回より3ポイント上昇している。また、新しい内閣と自民党執行部の顔ぶれについては、「評価しない」44%が「評価する」30%を上回った。

   読売新聞の世論調査では、内閣支持率は51%で前回(今月5-7日)より6ポイント下落。不支持率は34%と前回より2ポイント増えている。今回の内閣改造を「評価する」は45%、「評価しない」は34%だった。それにしても、これまで内閣改造と言えば政権浮揚の効果もあったが、共同の調査では3ポイントの微増、日経と読売ではマイナスだ。

   なぜか。それは、霊感商法や献金強要など反社会的行動を取ってきた「世界平和統一家庭連合」(旧「統一教会」)と政権や党議員との癒着に、今回、人事でケジメをつけるはずだったが、有権者はそれほど甘くは見ていないということではないだろうか。

   読売の世論調査で、萩生田光一経産大臣が党政調会長に起用されたことについて、「評価しない」が40%で、「評価する」32%を上回っている。萩生田氏はこれまで統一教会主催のイベントに来賓としてあいさつ、関連団体に会費を支払うなどの濃厚な接触が取り沙汰されていた。岸田総理が統一教会と自民の関係を見直しを「徹底する」と発言したものの、この矛盾に有権者は憤っている。それが数字に現れた。

   「ピンチはチャンス」どころか、ますます泥沼にはまっている。岸田総理自身も統一教会広島地区会長とツーショット写真を撮っていたことも明らかになっている=写真、ジャーナリスト鈴木エイト氏のツイッター(今月9日付)から=。このままでは内閣支持率がさらに混迷するのではないか。

   政局は一気に揺らぐ。その目安に世論調査の内閣支持率がある。20%台は政権の「危険水域」、20%以下は「デッドゾーン」といわれる。今回の調査で岸田内閣の支持率は51%台だが、下がるときは急降下する。政権が反社会的な宗教団体との関係性を絶つには、税務調査や警察による情報収集など実態解明に着手する。その上で、問題が露呈すれば非課税など優遇措置の解除、場合によっては解散命令(宗教法人法第81条)を検討すると有権者に宣言すること。それがケジメというものだ。

⇒12日(金)午後・金沢の天気    はれ

☆民意が求める「政治と宗教」の説明責任

☆民意が求める「政治と宗教」の説明責任

   直近の世論調査によると内閣支持率は急落している。共同通信社の世論調査(電話調査、7月30、31日)では内閣支持率は51%で前回(7月11、12日)の63%より12ポイントも下落し、政党支持率も自民は41%で前回より5ポイント落ちている(1日付・北國新聞)。(※小数点以下の数値は切り捨て)

   共同通信の調査では急落と読めるが、前回調査は自民が改選125議席のうち過半数を占めて大勝した参院選(7月10日)後の調査だったので、内閣支持率が63%と高くなっていた。6月調査(11-13日)では56%だった。それでも、今回が5ポイント落ちている。不支持は今回が29%、前回が22%、6月調査が26%だった。

   きょうの日経新聞も世論調査(電話調査、7月29-31日)を掲載していて、内閣支持率は58%、前回(6月17-19日)60%より2ポイント下げている。不支持率は今回が32%、前回と同数だった。政党支持率は自民43%と前回45%より下げた。

   内閣支持率、政党支持率のほかに、両調査は安倍元総理の国葬について賛否を問うている。共同調査では「反対」「どちらかといえば反対」が計52%、「賛成」「どちらかといえば賛成」の計44%を上回った。日経調査も「反対」が47%で、「賛成」43%より多い。

   安倍元総理が銃撃されて死亡した事件をきっかけに、自民党の現職閣僚や国会議員と、霊感商法や献金強要によって巨額の金を集めている「世界平和統一家庭連合」(旧「統一教会」)との関係が次々と取り沙汰されている。これについて、共同調査では「あなたは旧統一教会と政界との関わりについて、実態解明の必要があると思いますか、必要はないと思いますか」と問うている。これに対し、結果は「解明の必要がある」は80%、「解明の必要はない」は16%だ。圧倒的な民意ではないだろうか。

   岸田総理はきのう総理公邸での記者団の質問に答えて、「社会的に問題になっている団体との関係については、政治家の立場からそれぞれ丁寧に説明していくことば大事だ」と述べ、各議員らが説明すべきだとの考えを示した(1日付・読売新聞)。メディアで指摘された統一教会との関わりある閣僚として、岸防衛大臣、萩生田経産大臣、末松文科大臣、二之湯国家公安委員長らの名前が上がっているのに、まるで「他人事」のようなコメントだ。

   全国霊感商法対策弁護士連絡会の記者会見(7月12日)によると、霊感商法や献金強要によって巨額な金が集められ、1987年から2021年に連絡会などに寄せられた被害件数は約3万4500件、被害金額は計約1237億円に上る。こうした問題を知りながら閣僚や議員が統一教会から選挙支援を得ていたのであれば、政治責任が問われて当然だろう。「実態解明の必要がある・・80%」。説明責任を求める民意を岸田総理は甘く見ているのではないか。

⇒1日(月)午後・金沢の天気    はれ

☆「アベノマスク」と「キシダクーポン」

☆「アベノマスク」と「キシダクーポン」

   誰が考えても、この政策は民意からずれている。新たな経済対策として、18歳以下への10万円相当の給付をめぐり、政府は所得制限を設けたうえで、年内に5万円の現金給付を始め、残りの5万円は子育て関連の商品やサービスに使いみちを限定したクーポンを基本に給付する方針だ。このクーポン給付の必要経費に900億円もかかる。

   クーポンに有効期限を設定することで、消費喚起という意味で現金よりもムダのない給付が可能としているが、もともと使う予定だった現金が貯蓄に回ることになるので、現金給付でもクーポン配布でも消費喚起の効果はまったく同じだ。900億円のムダ。これがはたして新たな経済対策と言えるのか。

   その考えは自治体も同じだろう。NHKニュースによると、大阪の箕面市は8日、迅速な給付の実現や事務費の削減などの観点から、10万円を全額現金で給付する方針を決めた。同市の上島市長は「市民の使い勝手やクーポンの準備にかかる時間などを考慮すると全額現金で給付するのが市民のニーズに適している」とコメントした。18歳以下への10万円相当の給付をめぐっては、大阪市の松井市長も全額現金で給付したいという考えを示している(9日付・NHKニュースWeb版)。

   こうした自治体の動きに政府はどう対応するのか。同じNHKニュースによると、政府は自治体が全額現金での給付も選択できるよう調整する。ただし、政策の効果を上げるためにも、近くにクーポンを使用できる商業施設がない場合などにとどめたい考え(同)。ことしは残り20日余り。年内支給の方針が決まっているのにこの混乱ぶりだ。

   「アベノマスク」騒動を思い起こす。コロナ禍で、昨年4月7日に布マスクを全世帯に2枚の配布を閣議決定し、政府目標は月内配布だった。マスク支給予算は466億円。5月下旬になっても配達率は25%だった。緊急事態宣言が全面解除(5月25日)となったころには、すでにドラッグストアなどでマスクの安売りが始まっていた。我が家にアベノマスクが届いたのは6月1日だった。

   このころから安倍内閣の支持率が急速に落ち始める。5月31日付の共同通信社Web版で、全国緊急電話世論調査(5月29-31日実施)で安倍内閣の支持率は39.4%となり、前回調査(5月8-10日)から2.3ポイント減だった。 読売新聞社の世論調査(8月7-9日実施)で、内閣支持率は37%で前回調査(7月3-5日)の39%から下がり、不支持率は54%と前回52%より高くなった。不支持率54%は2012年12月からの第2次安倍内閣では最高だった。支持率下落はマスクの遅れだけでなく、内閣の賞味期限ということもあったろう。そして、9月16日に安倍内閣は総辞職する。

   「キシダクーポン」も二の舞いになりはしないか。国民に届けるものは分かりやすいだけに、国民はじっと見ている。なので、早く届けるのが原則だろう。年内が間に合わなければ、内閣支持率は落ちる。そして、「クーポンは新たな経済対策なのか、これが新しい資本主義なのか」と国民は問い始める。(※写真は首相官邸公式ホームページより)

⇒9日(木)午前・金沢の天気     はれ

★権力者の孤独な幕引き

★権力者の孤独な幕引き

           菅総理が辞意を表明し、自民党総裁選(今月17日告示、29日投開票)に立候補しない意向を示した。新聞メディアは号外や夕刊紙で速報した=写真=。テレビ各社もこの日午後1時過ぎの官邸での菅総理の不出馬表明を生中継した。菅氏のコメントを聴く限り、「コロナ対策に自分のエネルギーを注ぎたい」「総裁選との両立は難しいからコロナに集中するために今回は出馬しない」との言い分で、とても分かりやすい。

          しかし、一人の国民、そして有権者として思うことは、最近の菅氏は「チカラ強さがない」という印象だ。昨年9月の就任時には携帯電話料金の値下げやデジタル庁の新設を打ち上げ、チカラ強かった。ところが、新型コロナウイルスの政府の対応が不十分だとの批判が相次ぎ、東京都議選(投票7月4日)で自民党は過去2番目に少ない33議席。総理のおひざ元である横浜市長選(同8月22日)でも、盟友と言われた小此木八郎氏(前国家公安委員長)を推しながら敗北を喫した。

   それは数字でも表れていた。読売新聞Web版(8月9日付)によると、世論調査(8月7-9日踏査)では菅内閣の支持率が昨年9月の内閣発足以降の最低を更新し、支持率35%だった。前回(7月9-11日調査)と6月調査は37%だった。不支持率は54%(前回53%)で、内閣発足以降最高だった。

   読売が世論調査を実施した8月上旬は、オリンピックで日本選手の金メダルラッシュに沸いていた。開催反対論を押し切った菅内閣に支持が集まっても当然とも思えた。本人もそう思っていたに違いない。ところが、内閣支持率は上がるどころか下落したのだ。

   政局は一気に揺らぐ可能性があった。読売の調査で支持率が下がると権力者は身震いする。メディア業界でよくささやかれるのは、内閣支持率の20%台は政権の「危険水域」、20%以下は「デッドゾーン」と。第一次安倍改造内閣の退陣(2007年9月)の直前の読売新聞の内閣支持率は29%(2007年9月調査)だった。その後の福田内閣は28%(2008年9月退陣)だった(数字はいずれも読売新聞の世論調査)。菅内閣の支持率は9月ではおそらく「危険水域」、20%台に落ち込むだろう。数字をよく読んでいた本人もそれを悟った。その前に辞すことを表明した。それにしても、権力者の実に孤独な幕引きだった。

⇒3日(金)夜・能登の天気      あめ

☆土砂降りの「内閣支持率」

☆土砂降りの「内閣支持率」

   この梅雨の時季、「線状降水帯」の言葉をテレビでいやほど聞いた。強烈な大雨は鹿児島や島根、鳥取の両県を襲い、熱海市では土砂崩れを誘発した。痛ましいばかりの光景だった。そして、土砂降りと言えば思い出すのが、北陸新幹線だ。忘れもしない2019年10月13日、台風10号の猛烈な雨の影響で、長野県の千曲川が氾濫し、長野市の新幹線車両センターで10編成の北陸新幹線車両が水につかった。雪に強い北陸新幹線は案外にも雨にはもろかった。その想いが残った。

   話は変わるが、土砂降りと言えば、菅内閣の内閣支持率にも豪雨が襲っている。NHKの最新の世論調査(7月9-11日)によると、菅内閣を「支持する」と答えた人は、先回より4ポイント下がって33%と、昨年9月の内閣発足以降で最も低くなった。一方、「支持しない」と答えた人は、1ポイント上がって46%で内閣発足以降で最も高くなった(7月12日付・NHKニュースWeb版)。

   読売新聞の世論調査(7月9-11日)も、菅内閣の支持率は37%となり、昨年9月の内閣発足以降で最低だった前回の37%から横ばいだった。不支持率は53%(前回50%)に上がり、内閣発足後で最高となった。不支持率が支持率を上回るのは今年5月から3回連続。支持率低迷の背景には、政府の新型コロナウイルス対策や五輪対応への不満があるとみられる(7月12日付・読売新聞Web版)。

   このままだと、政局は一気に揺らぐ可能性がある。メディア業界でよくささやかれるのは、内閣支持率の20%台は政権の「危険水域」、20%以下は「デッドゾーン」と。第一次安倍改造内閣の退陣(2007年9月)の直前の読売新聞の内閣支持率は29%(2007年9月調査)だった。その後の福田内閣は28%(2008年9月退陣)、麻生内閣は18%(2009年9月退陣)と、自民党内閣は支持率が20%台以下に落ち込んだときが身の引きどきだった。民主党政権が安倍内閣にバトンタッチした2012年12月の野田内閣の支持率は19%だった(数字はいずれも読売新聞の世論調査)。

   菅内閣が「危険水域」に入るのは、あと8ポイント、さらに「デッドゾーン」へは、あと18ポイント下げたときだ。

(※写真は、今月12日、土砂災害に見舞われた熱海市の現場を視察する菅総理=総理官邸公式ホームページより)

⇒13日(火)夜・金沢の天気    くもり

☆「コロナ禍」と「ケムシ」 ニュース・アラカルト

☆「コロナ禍」と「ケムシ」 ニュース・アラカルト

           新型コロナウイルスの感染拡大はさまざまが言葉を産んでいる。「ロックダウン」(都市封鎖)や「クラスター」(感染集団)、「ソーシャル・ディスタンス」(社会的距離)、「オーバーシュート」(爆発的急増)、「パンデミック」(世界的大流行)といったカタカナ語は常識となった。さらに、「三密」や「濃厚接触」、「飛沫感染」、「無観客開催」などの漢字も。最近でも「職域接種」という言葉が新聞・テレビのマスメディアでも普通に使われるようになった。言葉を産み出す量が半端ではない。それだけ「コロナ禍」という世界のリスクがいかにすさまじいかを物語る。

   東京オリ・パラに伴う感染拡大のリスク評価について、政府の分科会の尾身会長ら専門家の有志が提言をまとめ、大会組織委員会の橋本会長と西村経済再生担当大臣に提出した。提言では「無観客開催が最も感染拡大リスクが少なく望ましい」としたうえで、観客を入れるのであれば、現行の大規模イベントの開催基準より厳しい基準を採用することなどを政府や大会の主催者に求めた(6月18日付・NHKニュースWeb版)。むしろ、新型コロナウイルスのワクチン接種を証明する「ワクチンパスポート」を自治体が発行し、これで会場に入れるようにすればよいだけの話ではないだろうか。

   能登半島で聞いた話。半島の北部にある能登町の山間部では、マイマイガの幼虫(ケムシ)が大量に発生している。電柱や建物の壁、木の幹などに大量の卵塊を生みつけられ、卵塊から続々とケムシがはい出している。この地域ではほぼ10年周期で大量発生していて、一度大量発生すると2、3年は続く。これまで、ケムシを駆除するため農薬散布を行ってきた。が、多量の農薬散布そのものが自然環境に過度の負荷をかけることになると最近では散布そのものを敬遠する傾向にある。ガムテープに貼り付けて取り除く方法もあるが、それだけではなかなか追いつかない。(※写真は公益社団法人「農林水産・食品産業技術振興協会」の公式ホームページより)   

   時事通信の世論調査(今月11-14日実施)によると、菅内閣の支持率は前月比0.9ポイント増の33.1%と横ばい。不支持率は0.4ポイント減の44.2%だった。不支持が支持を上回るのは6カ月連続。菅総理が感染対策の「切り札」とするワクチン接種については、「遅い」が69.4%で、「順調だ」の20.0%を大きく上回った。 政党支持率は自民党が22.8%、公明党3.7%。立憲民主党2.9%、共産党1.7%、日本維新の会1.2%、国民民主党0.5%、社民党とれいわ新選組がともに0.2%で、「支持政党なし」は63.2%だった(6月18日付・時事通信Web版)。

⇒18日(金)夜・能登町の天気     くもり   

★静かなる年末年始(10)「賀状で読む総選挙」

★静かなる年末年始(10)「賀状で読む総選挙」

   ことしの年賀状は書き出しを「謹賀新年」とはしなかった。昨年からの新型コロナウイルスが感染拡大する中で決して「おめでたい年を迎えた」などとは自身の気持ちとして言えないとこだわったからだ。その代わりに、「希望が持てる新年でありますように」と記した=写真・上=。では、果たして2021年(令和3年)は希望が持てる年になるのだろうか。いただいた年賀状からことしを読んでみる。

   菅内閣を皮肉った賀状をいただいた=写真・下=。大学時代の同級生で、元雑誌社の編集長。「麻生太郎(副総理)81歳! 二階俊博(幹事長)82歳! あ~あ。老人はもういいよ。若い政治家はいないの? と思ったら、いつのまにか私も高齢者で今年67歳に。」との自虐的な内容には笑える。「中身スカスカの『スカ総理』は73歳とイラストも添えている。

   共同通信社が12月5、6日に実施した全国電話世論調査(回答は固定電話524人、携帯電話519人)によると、菅内閣の支持率は50%で、前回11月から12.7ポイント急落した。政府の新型コロナウイルス対策は「評価しない」が55%。感染防止と経済活動のどちらを優先すべきか尋ねたところ「どちらかといえば」を含め「感染防止」を挙げたのは計76%に上った(12月6日付・共同通信ニュースWeb版)。

   内閣支持率が下がり続ければ、おそらく解散・総選挙は近い。それはいつか。以下憶測だ。コロナ禍の感染拡大で勢いづいている今の状態では3月、4月の総選挙は無理だろう。むしろこの時期はワクチン接種がピークを迎えている。ワクチン効果の評判が広がれば、世論の安心感と政府への評価が高まる。その絶妙なタイミングを狙えば、解散・総選挙は7月の東京オリンピック(21日競技開始、23日開会式)前の5月か6月ではないだろうか。

   賀状を手にして、狡猾な老人政治家たちが考えそうなシナリオを描いてみた。自らも老人政治家たちの腹を探ろうする年代に入った。
 
⇒2日(土)夜・金沢の天気  くもり時々ゆき

☆キンモクセイ 花咲けど匂わず

☆キンモクセイ 花咲けど匂わず

   庭にキンモクセイが咲き、空に青と黄のコントラストを描いて、秋の季節を感じさせる。キンモクセイと言えば、あの独特の匂いなのだが、今年は不思議と感じられない。その瞬間、「これって認知症」と思いがめぐった。認知症になると嗅覚が低下し、腐ったものを食べたり、ガス漏れに気がつかなかったりすると聞いたことがある。そこで、ずっと年下の家族にも嗅いでもらったが「匂いがしませんね」というので胸をなで下ろした。

   むしろ、なぜ匂いがしないのか気になった。ネットで検索してもエビデンスのある答えがみつからない。ただ、心当たりがあるのは先月末に樹木の剪定をしてもらった。かなり刈り込んだので、その影響か、と。そこで、作業をしてもらった造園業者に電話で尋ねた。「剪定後だとキンモクセイの匂いはしないものですか」と。すると、「長くこの仕事をやっていますが、そうした話は聞いたことはありませんね」「花と匂いはセットなので、花が咲いて匂いがないとは不思議です。私も調べてみます」との返事だった。

   話は変わるが、9月16日に発足した菅内閣。メディア各社の世論調査では内閣支持率は高い。毎日新聞の調査では、内閣支持率が64%で、不支持率は27%を大幅に上回っている(9月18日付・毎日新聞Web版)。 朝日新聞社の調査は内閣支持率が65%で、不支持率は13%だった(9月17日付・朝日新聞Web版)。共同通信の調査でも支持率は66.4%、不支持率は16.2%だった(9月17日付・共同通信Web版)。3社の調査では支持率がおおむね65%とそろっている。

   政権発足から1ヵ月、携帯電話料金の値下げや縦割り行政の打破、デジタル庁発足に向けて取り組み、ハンコ行政の廃止推進、日米豪印の外相会談などよい匂いのしそうな内外の政策が打ち上げられてはいるが、成果はこれから、か。花咲けど匂わず。

⇒9日(金)朝・金沢の天気   くもり

☆いつまで続く「機種安く、月々料金高い」ビジネスモデル

☆いつまで続く「機種安く、月々料金高い」ビジネスモデル

   菅内閣の発足を受けて、メディア各社が世論調査を行っている。毎日新聞の調査では、内閣支持率が64%で、不支持率は27%を大幅に上回っている(9月18日付・毎日新聞Web版)。 朝日新聞社の調査は内閣支持率が65%で、不支持率は13%だった(9月17日付・朝日新聞Web版)。共同通信の調査でも支持率は66.4%、不支持率は16.2%だった(9月17日付・共同通信Web版)。3社の調査では支持率がおおむね65%とそろっている。

   菅総理はさっそく「公約実行」に動いているようだ。きょう菅氏は武田総務大臣と官邸で会談し、携帯電話料金の引き下げに向けて検討を進めるよう指示した。会談後に武田氏は「国民の生活と直結する問題なので、できるだけ早く結論を出すよう全力で臨んでいきたい」「1割とかいう程度では改革にならない」と記者に語った(9月18日付・共同通信Web版)。携帯料金の値下げについて、菅氏は官房長官時代の2018年に「4割程度下げる余地がある」と発言して注目された(同)。

   国の電波を管理しているのは総務省だ。携帯電話料金の値下げが進まなければ、おそらく電波利用料の見直しを迫るという「圧力」が携帯キャリア各社にかかるだろう。何しろ電波利用料は安価だ。携帯キャリアが国に納めている電波利用料は端末1台当たり年間140円。令和元年度でNTTドコモは184億円、ソフトバンクは150億円、KDDは114億円だった(総務省公式ホームページ「令和元年度 主な無線局免許人の電波利用料負担額」)。NTTドコモは国へ電波利用料184億円を納め、携帯電話の通信料としてユーザーから3兆943億円を売り上げている(2019年度)。

   自身のスマホの利用料金は通信料で年額ざっと6万円だ。キャリアが国に納める1台当たり年間140円で、個人がキャリアに払う年6万円となる。通信インフラの整備や維持費に多少のコストがかかったとしても、菅氏の「日本は世界でも圧倒的に高い水準で、4割は下げられる」の主張には納得する。

   その背景にあるのは、「機種は安く、通信料は高い」のビジネスモデルではないだろうか。携帯電話だけにとどまらない。プリンターもそうだ。これも自身の実感だが、自宅で使うプリンターを3万5千円で買った。インクは6種あり、メーカーの純正インクでぜんぶそろえると5千円ほどかかる。さらに最近実感するのだが、減りが早い。インク量を減らしているのではないかと疑っている。そして、先日、そのプリンターが一年も経たないのに故障した。修理より買った方が安価と電気店で言われ、買った。「機種は安く、インクは高く、機種交換も早い」というビネジネスモデルかと疑っている。

   使っているスマホも、自宅のWi-Hiをセットして動画など視聴しているが、いつの間にかWi-Hiが「OFF」になっていて、料金が高くなっていることがある。携帯キャリアが勝手に操作しているのではないかと、これにも不審に思っている。グチになってしまったが、スマホの利用料が果たしてどこまで下げることができるのか。菅内閣の手腕が試される。

⇒19日(土)朝・金沢の天気     はれ

☆読売調査、内閣不支持54%の暗雲

☆読売調査、内閣不支持54%の暗雲

           読売新聞社の世論調査(今月7-9日実施)で、安倍内閣の支持率は37%で前回調査(7月3-5日)の39%から下がり、不支持率は54%と前回52%より高くなった。不支持率54%は2012年12月からの第2次安倍内閣では最高となった(8月9日付け・読売新聞)。読売新聞の調査でこの数字だ。安倍内閣の正味期限はすでに切れているのかもしれない。

   読売の調査で不支持が50%を超えたことは2012年12月の第2次安倍内閣発足以降で3度あった。直近では2018年4月調査で53%。森友学園への国有地売却や財務省の文書の改ざんをめぐる問題が沸騰したころだ。2017年7月調査では52%。森友・加計学園問題などでの批判の高まりと、小池都知事が率いる都民ファーストの会の都議選で圧勝で、不支持が前回から11ポイントも跳ね上がった。2015年9月調査で51%。このときは安全保障関連法で世論が揺らいだ時期だった。

   では、今回の不支持の高まりの理由は何なのか。やはり、新型コロナウイルス対策についての無力感だ。ウイルス対策を巡る政府のこれまでの対応を「評価しない」は66%で、前回(7月調査)の48%より上昇、「評価する」は27%で前回45%より大幅に下がった。そして、安倍内閣がコロナ対策の指導力を発揮していると思わない人が78%にも上っている(同)。

   今では店頭でのマスク不足は解消され、自由に購入できるのに、さらに8000万枚、118億円もの布マスクを介護施設などに追加配布するとのニュースが7月下旬に流れて、呆気に取られた。 7月22日から始まった「Go To キャンペーン」の混乱も不支持率の高まりに影響しているのだろう。

   ただ、今回の読売調査で内閣支持は前回から2ポイント下がったとは言え、37%ある。さらに、今回の調査で「同じ人が長く首相を続けることは、日本にとって、プラスの面が大きいと思いますか、マイナスの面が大きいと思いますか、それとも、プラスとマイナスの面が同じくらいだと思いますか」がある。最も多かった回答が「プラスとマイナスの面が同じくらい」で42%だ。長期政権は必ずしもマイナスではないというイメージを持っている人が多い。政党支持率は「自民党」33%、「立憲民主党」5%、「支持する政党はない」46%と前回とほぼ同じだ。

   安倍政権は不支持が57%もあるものの、政権から引きずり降ろすべきだとの強いメッセージをこの世論調査からは読み取れない。どちらかというと、「安倍さん、これまで頑張ってきたけれど、そろそろ降りるべきですね」くらいのニュアンスか。

   内閣支持率の20%台は政権の「危険水域」、20%以下は「デッドゾーン」とされる。第2次安倍内閣での支持率の最低は2017年7月調査の36%だ。第1次安倍内閣の退陣(2007年9月)の直前の読売の内閣支持率は29%だった。これに比べるとまだまだ余裕だ、と本人は思っているかもしれないが、安倍内閣に暗雲が垂れ込めてきたことは間違いない。

⇒10日(祝)午後・金沢の天気     はれ