#全国霊感商法対策弁護士連絡会

★反社団体とどう向き合う 煮え切らない知事発言

★反社団体とどう向き合う 煮え切らない知事発言

   「弊社として問題意識を持っているのは、政治と宗教の問題ではなくて、富山市とか高岡市とかいろんな自治体のトップが、関係を絶つと明言されている中で、新田知事が踏み込んだ表現をされないというのは、県民に対して、疑念や不安を生じるのではないかということを申し上げています」(2日付・チューリップテレビニュースWeb版)。

   安倍元総理の射殺事件でクローズアップされている世界平和統一家庭連合(旧「統一教会」)による政治家と関係や霊感商法、献金強制の問題などが連日報道されている。中でも、北陸では富山県の新田知事が統一教会との関係について、煮え切らない発言を繰り返しているのを地元テレビ局「チューリップテレビ」の記者が問いただしているのが、冒頭の発言だ(2日の知事定例会見)。

   知事は会見でこう述べている。「関係を断ち切るとまで言えとおっしゃるということは、私はその宗教団体への圧迫にあたるというふうに思っていますし、ということはそれを信じておられる方々をやっぱり断ち切るということにつながるんじゃないかと理解をして、私はこの立場でそういう発言はできませんと言っていることです」(同)。

   霊感商法や献金強要によって巨額な金が集められ、1987年から2021年に全国霊感商法対策弁護士連絡会に寄せられた被害件数は約3万4500件、被害金額は計約1237億円に上る。すさまじい被害があるにもかかわらず、統一教会に配慮するコメントが出たことに、有権者は憤っているに違いない。「何が問題か、僕はよく分からない」という発言(7月29日・福田達夫議員)と似ている。

   フランスの法律「反セクト法」は、人権侵害が疑われる活動を行う団体が繰り返し犯罪を犯した場合、団体に一定の活動制限や処罰を与える。信仰の自由を逆手に取って、被害を拡大させてきた反社会的な宗教団体と自民党はどう向き合うのか。反セクト法のような明確な法がない限り、このままズルズルと再び癒着が始まるに違いない。

(※写真は、富山県の新田知事の2日の定例会見=県庁公式サイト「知事室へようこそ」より)

⇒3日(土)夜・金沢の天気   はれ  

☆この宗教法人はなぜ「治外法権」なのか、日本の闇

☆この宗教法人はなぜ「治外法権」なのか、日本の闇

   安倍元総理が今月8日に凶弾で亡くなった事件。報道によると、容疑者が「世界平和統一家庭連合」(旧「統一教会」)に積年の恨みを募らせた事件だった。統一教会によるあこぎな献金問題が連日報道されている。信者に借金をさせて自己破産、その後は高額な物品販売させる、実に巧妙な手口だ。

   これは憶測だが、無職あるいは高齢の信者から生活保護費や年金を、あるいは零細企業の事業者の信者に申請させた持続化給付金などの公的資金を献金として巻き上げているのでないだろうか。この宗教法人に対して税務調査を入れるべきだろう。

   統一教会の霊感商法が社会問題となった1980年代から続いているとすれば、これまでざっと数千億円の上納金が韓国の本部に貢がれていることは想像に難くない。この上納方法ももしかして、金の流れが分からないように工夫されている可能性がある。たとえば、多数の信者を韓国の本部に派遣しているが、信者に多額の上納金を荷物などとして持たせているのではないだろうか。今回の事件でも容疑者が、入信した母親が幾度も韓国に渡っていたと報道されている。

   統一教会の会長は記者会見(11日)で、容疑者の母親が1990年代後半に教団と関わり始めたと説明し、「破綻された諸事情は把握していない」とした上で、「その後、この家庭に高額献金を要求した記録は一切残っていない」と語っていた。献金の記録が本当に残っていないのだろうか。納税義務がある民間企業や事業者とすれば信じられないことだ。

   物品を販売する霊感商法などは本来、税務申告があってしかるべきだ。宗教法人がなぜ治外法権のごとく優遇されるのか。すべての宗教法人とは言わないが、問題が指摘された宗教法人に対しては管理・監視する組織やシステムが必要ではないか。

   全国霊感商法対策弁護士連絡会の会見(11日)によると、統一教会による被害(2009-21年)は被害相談の件数が3988件、被害額は約176億円に上っている。宗教に名を借りた集金団体だ。岸田総理は安倍氏の国葬を今秋に営むと発表したが、その前にやるべきことは自民党と統一教会の癒着を断ち切って、国民の信頼を得ることだ。このままウヤムヤすれば、統一教会の横行はまた繰り返されるに違いない。

⇒19日(火)夜・金沢の天気    はれ