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★「コロナ」から5年、ワクチン接種8回目 マスクはすっかり日常に定着

★「コロナ」から5年、ワクチン接種8回目 マスクはすっかり日常に定着

  打つか打たないか少々迷ったが、結局、打つことにした。きのう(18日)金沢市内のクリニックで新型コロナウィルスのワクチン接種をしてきた。新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが2023年5月に5類に移行して、単なる風邪くらいのイメージだったが、5類以降でコロナに罹った知人から発熱とのどの痛みに悩まされ続けたと聞かされ不安に思ったことがある。なので5類以降も、接種の案内が市役所から届くたびに律儀に接種を続けてきた。ただ今回市役所から案内で迷ったのは、前回去年11月13日に接種したのが最後だったので、あれから11ヵ月も経っている。「もういいだろ」と「いちおう念のため」の思いが交錯した次第。

  1年ぶりの接種、8回目だった。医師は右肩にさりげなく接種。これまでは、15分ほど待合室で待機して、何もなければ退室だったので、今回も「このまま15分待っていればいいですか」と医療スタッフに問うと、「そのままお帰りください」とのことだった。新型コロナワクチンは、2023年度までは全額公費負担で無料接種が行われてきたが、今年度はインフルエンザと同じ予防接種扱い。なので自己負担、2300円だった。(※写真・上は、ファイザー社のワクチン=同社の公式ホームページより)

  間もなく師走。年の瀬ともなれば年末の行事や買い物など忙しくなり、人と会う機会も格段に増えるだろう。で、「やっぱり打ってよかった」といま思っている。ワクチ接種に理由はない。要は自己防衛の本能なのだろう。

  日本人と新型コロナウイルスとの長い戦いは2020年4月に政府から出された「緊急事態宣言」から始まった。国民生活や経済に甚大な影響をおよぼす恐れがあるとして、総理大臣が宣言を行い、緊急的な措置を取る期間や区域を指定した。5年が経ち、あのころとまったく変わっていない光景がある。マスク着用のことだ。5類に移行してある意味で平時に戻って、世の中全体が肩の荷を下ろしたように楽になった。感染症法に基づく外出自粛要請や濃厚接触者の特定などは廃止となり、マスク着用も個人の判断に委ねられるようになった。ところが、電車やバスの中はもちろんのこと、金沢の街を歩いていてもすれ違うほとんどの人がマスクを着用している。(※写真・下は、2020年4月に当時の安倍総理が1世帯2枚のマスクを配布すると説明=首相官邸公式ホームページ)

  マスクへの執着は弊害を生むこともあった。2020年の非常事態宣言後の夏にマスク着用者に熱中症が続出し、厚生労働省と環境省は「マスクをはずしましょう」とポスターで呼びかけた。マスクを着けたままだと、自らがはいた熱い息を吸うことで、熱中症のリスクが高まる、というのだ。そこで、人と人の間で2㍍以上の十分な距離がとれるのであれば、「マスクをはずしましょう」となる。あれから5年経っても、夏マスクを着けている人は多い。

  コロナ感染が世の中からなくなったわけではないので着用は当然なのかもしれない。コロナ禍でマスクがすっかり日常に定着した。これも自己防衛の本能なのだろう。

⇒19日(火)午後・金沢の天気     くもり

☆「2023 アレどうなった」➃ マスクとワクチンは防衛本能

☆「2023 アレどうなった」➃ マスクとワクチンは防衛本能

   新型コロナウイルスの感染はことし5月8日に感染症法上の位置づけが「2類相当」から季節性インフルエンザと同じ扱いの「5類」に移行した。2020年1月から足掛け4年に渡る、人とウイルスの長い戦いだった。

           感染症法「5類」に移行とは言え、マスクは手放せない

   平時に戻って、世の中全体が肩の荷を下ろしたように楽になった。なんと言っても、マスク着用は個人の判断に委ねられるようになった。また、感染症法に基づく外出自粛要請や濃厚接触者の特定などは廃止となった。もちろん、5類に移行したからと言って、コロナ感染が世の中から消えたわけではない。5類以降でコロナに罹った知人から発熱とのどの痛みに悩まされたと聞かされ不安に思ったこともある。

   とりあえずワクチンを打とうと思い、先月11月13日に金沢市内のクリニックで新型コロナワクチンを接種してきた。前回は6月で7回目の接種だった。接種のつい数日前までは感染症法上の位置づけが5類に移行していることだし、「もういいだろう」と接種を止めようと思い、9月に市役所から郵送されてきた接種券をほったらかしにしていた。しかし、間もなく師走。年の瀬ともなれば年末の行事や買い物など忙しくなり、人と会う機会も格段に増える。で、「やっぱり打っておこうか」と接種を申し込んだ次第。コロナ禍で人混みを気にするようになり、自己防衛の本能が働いたようだ。

   コロナ禍で、新たな習慣として一つ身に着いたのはマスクの洗濯かもしれない。マスクは衛生上も使い捨てという概念だったが、それが一変した。生活様式としてマスクを身につけるのであれば、それは衣類と同様に持続可能な使い方をしなけらばならない。それは洗濯である。洗剤で手洗いをする。1枚を2日間使い、2枚か3枚をまとめ洗いをする。そして、ハンガーにつるす=写真=。「5類」移行後は洗濯の回数はずいぶんと減ったが、それでもたまにマスク洗いをしている。時代の変化をマスクで感じたものだ。

   今後、コロナとどう向き合い、そして共生していけばよいか、マスクを手にしながらそんなことを考える。

⇒30日(土)午後・金沢の天気    はれ

★ココロの風景が師走へと動き出す きょうこのごろ

★ココロの風景が師走へと動き出す きょうこのごろ

   きょうは朝から師走並みの寒さ。さきほどパラパラと音が聞こえたのでアラレかと思って外を見ると、大粒の雨だった。きょうの予想最高気温は10度、雷雨になるところもあるという。北陸ではこの時節の雷を「ブリ起こし」と言う。いよいよ寒ブリの季節がやって来る。

   午前中、金沢市内のクリニックで新型コロナワクチンを接種してきた。6月以来で7回目の接種だ。つい数日前まで、感染症法上の位置づけが5類に移行していることだし、「もういいだろう」と接種を止めようと思い、9月に市役所から郵送されてきた接種券をほったらかしにしていた。ところが、5類以降でコロナに罹った知人から発熱とのどの痛みに悩まされたと聞かされ心が動いた。間もなく師走、そして年の瀬ともなれば年末の行事や買い物など忙しくなり、人と会う機会も格段に増える。で、「やっぱり打っておこうか」と接種を申し込んだ次第。さて、インフルエンザの予防接種はどうするか。(※イラストは厚労省公式サイトより)

   年末のテレビ番組と言えば、フィナーレを飾るNHK「紅白歌合戦」か。じっくり視聴したことはなかったが、一度だけ印象に残る歌のシーンがあった。2019年の紅白歌合戦にテレビメディアにはほとんど露出しない竹内まりやが初出場し、歌った『いのちの歌』が胸にしみた。「生きてゆくことの意味 問いかけるそのたびに 胸をよぎる 愛しい人々のあたたかさ この星の片隅で めぐり会えた奇跡は どんな宝石よりも たいせつな宝物・・・」。命をつなぐことの大切さ、平和の切望、実に生命感があふれていた。この年は香港の民主主義が中国政府と真っ向から向き合い、そして、16歳の環境活動家、スウェーデンのグレタ・トゥーンベリが地球温暖化対策を世界に強烈にアピールした。

   ことしの紅白歌合戦の出場者がきょう発表された。メディア各社の報道によると、出場者一覧に、「SMILE-UP」(旧ジャニーズ事務所)所属タレントの名前は1組もなかった。前年は6組が出演していた。ジャニーズ事務所創業者のジャニー喜多川による性加害問題を受け、NHKでは所属タレントへの新規の出演依頼を当面行わないとしている。ことしの紅白歌合戦は何だか事件の後始末のような、後味の悪い番組になりそうだ。

⇒13日(月)午後・金沢の天気     あめ

★きょうから師走 寒波、コロナ禍への備えは万端か

★きょうから師走 寒波、コロナ禍への備えは万端か

   きょうから12月、北陸ではさっそく寒波がやってきた。けさから突風とともにあられが散発的に降って庭に積もっている=写真=。テレビ各社の昼のニュースによると、本格的な雪のシーズンに備え、金沢市役所では除雪作業本部がきょう設置された。大雪だった昨シーズンは道路で雪にタイヤがはまり、前にも後ろにも進まなくなるスタック(立ち往生)状態になるトラブルが市内各地の道路で相次いだ。このため作業本部では除雪計画を見直し、これまで15㌢以上の積雪で除雪車を出動させていたが、ことしからは10㌢以上積もれば除雪作業を行う。実際に雪道を車で走ると緊張感に包まれる。教訓を生かした「5㌢はやめ」の除雪はありがたい。

   自身も積雪の道路に備えるため、毎年今ごろに近くの自動車修理工場でタイヤ交換をしてもらっている。きょう午前中、電話予約を入れた。すると「2週間待ち」との返事だった。今月下旬となれば、積雪は少なくとも路面が凍結することもある。内心あせったが、仕方なく予約を15日に入れた。なぜ予約がこれほど殺到しているのか。長期予報で「ことしは大雪」との情報が流れている。北陸を含め雪国の人々は積雪情報に敏感だ。自身も予約をもう少し早めに入れるべきだったと悔いた次第。

   早めの対応といえば、岸田総理のコロナ対応は迅速だった。先月29日、WHOが変異ウイルス「オミクロン株」を「懸念される変異株」に指定したことを受け、水際対策として外国人の新規入国を「30日午前0時から、全世界を対象に禁止する」と発表した。そして、アフリカのナミビアから入国した30代の男性外交官がオミクロン株に感染していたことが確認された(30日付・内閣内閣官房官の記者会見)。オミクロン株による国内初感染だった。絶妙なタイミングだ。この後先が逆だったら、おそらく「決断が遅い」とメディアからバッシクングされていたに違いない。安倍、菅の両総理の二の舞いを避けようと岸田総理は早めの決断をしたのだろう。

   オミクロン株の登場で待たれるのがワクチン3回目のブースター接種だ。きょうから医療従事者を対象に全国で始まり、金沢市でも今月中旬からを予定している。医療従事者以外では、金沢市は来年1月から高齢者施設の利用者などへの接種を始め、2月からはそれ以外の65歳以上の高齢者への接種を開始すると広報で発表している。ブースター接種は2回目から8ヵ月を経過している人から順次なので、自身の場合は来年3月下旬となる。それまで第6波が来ないことを祈るしかない。

⇒1日(水)午後・金沢の天気      あめ時々あられ

★河野太郎氏と「ブースター」の因縁

★河野太郎氏と「ブースター」の因縁

   「ブースター(booster)」という言葉をこのブログで何度か使っている。英語のboostは「押し上げる」や「強化する」といった意味合いで幅広く使う。日本でのブースターはアンテナや機械の増幅装置を指す言葉として使っている。このブログでキーワードになったこともある。2020年6月26日付「☆北の弾道ミサイル、能登沖200㌔落下から3年」の記述は以下。

「今月15日に河野防衛大臣が地上配備型迎撃ミサイルシステム『イージス・アショア』の配備計画を撤回すると表明してから10日余りが経った。その理由は最初よく理解できなかったが、ミサイルの『ブースター』と呼ばれる推進補助装置を基地内で落下させる想定だったが、基地の外に落下する可能性もあり、設備に大幅な改修と追加コストが必須となることから撤回に踏み切ったと報道各社が報じている。」

   北朝鮮のミサイルが日本海めがけて発射されていて、山口県の自衛隊演習場にイージス・アショアの配備計画が進んでいた。しかし、防衛大臣だった河野太郎氏はミサイルのブースターが演習場外に落ちる可能性があり、周辺住民に被害が出る可能性もあり、導入を断念せざるをえなかった。その河野氏は菅内閣では行政改革担当大臣、ならびに「新型コロナウイルス感染症ワクチン接種推進担当大臣」に任命されている。そして、河野氏は再び「ブースター」を口にすることになる。

   すでにイスラエルなど始まっている新型コロナウイルスの3回目のワクチン接種。アメリカではバイデン大統領が2回目の接種を終えてから8ヵ月経った人に対し、9月20日から3回目の接種を行う方針を明らかにした(8月19日付・NHKニュースWeb版)。アメリカでは3回目接種を「booster shot」と称している。追加接種の意味だ。

   そして、河野大臣も19日開かれた参議院内閣委員会で「ブースター接種が必要かどうかは厚生労働省の判断を待たなければならないが」と述べて、新型コロナの治療に当たる医療従事者に必要となれば対応できるよう準備している答弁した(同・TBSニュースWeb版)。ブースター接種を日本でも始めることを示唆している。

 
   ただ、追加接種には異論が起きている。WHOのテドロス事務局長は今月18日の記者会見でブースター接種を批判している。「The divide between the haves and have nots will only grow larger if manufacturers and leaders prioritise booster shots over supply to low- and middle-income countries.」。ワクチン接種を国民の75%に施した国は10ヵ国で、低所得国はかろうじて2%の接種に過ぎない。メーカーとリーダーが低所得国と中所得国への供給よりもブースターショットを優先すれば、持っている人と持っていない人の間の格差はさらに大きくなる、と。

   テドロス氏は、ブースター接種に有効性について、これまで得られているデータでは科学的な根拠はないとの認識を示している。また、相互接続された世界に住んでいる人類にとって、「ワクチンナショナリズム」にとらわれることは無意味だとも述べている。WHOは途上国でのワクチン接種を進めるため、9月末までは追加接種を行わないよう各国に呼びかけている。

   河野氏は「3回目の接種が必要かどうかは厚生労働省の判断を待つ」としながらも、国内で2回接種は全体の39%とまだ半数に満たない(8月19日公表・総理官邸公式ホームページ)。さらに、「多様性と調和」をテーマに東京オリンピック・パラリンピックを開催している日本が「ワクチンナショナリズム」と名指しされるのも不本意だろう。では、どの段階で、ブースター接種を打ち出せばよいのか。場面は異なるが、2度「ブースター」という言葉を発することになった河野氏の心境を聞いてみたいものだ。(※写真はワクチン接種を受ける河野太郎氏=同氏ツイッターより) 

⇒20日(金)午前・金沢の天気      はれ後くもり

☆緊急時の病床確保、求められる自治体の臨機応変さ

☆緊急時の病床確保、求められる自治体の臨機応変さ

   きょう午前、ワクチン接種を2回受けた病院へ抗体検査に出かけた。2回目接種から2週間余り経ち、病院に申し込んでいた。これまで副反応もなかったことから、「本当に抗体ができているのか」「効果を数値で確かめたい」という思いが募って申し込んだ次第。ワクチン接種は国の政策で無料だったが、この抗体検査は保険適用外で税込み6000円だ。

   病院に到着して受付に行き、採血して終わり。結果の書面は1週間後に自宅に郵送されると看護師から告げられた。時間にして10分足らずだった。説明書によると、ワクチン接種でヒトの細胞内にスパイクタンパク質(ウイルスのトゲトゲの部分)をつくる。このトゲトゲの構造に人体の免疫系が強く反応することで、ウイルスの感染に対する抵抗力、つまり抗体が獲得できる。抗体検査は2つのことを確認する。一つはワクチン接種前の免疫状態、つまり、過去に感染があったかどうかの確認。もう一つはワクチン接種後の免疫応答、これは接種により抗体がついたのかどうかの確認検査となる。その効果が数値で確かめられるので、結果を心待ちにしている。

   イスラエルでは8月からファイザー社製のワクチンの5ヵ月経過を見計らって3回目の接種が行われている。病院の医師と相談し上記の数値と照らし合わせて、自身の3回目接種のタイミングを決めたいと思っている。

   ところで、きのう政府が方針転換した「重症以外は自宅療養」が問題となっている=写真=。病床のひっ迫に備えて、自宅療養を基本とし、酸素吸入も自宅でという方針だ。自身が感染したと想定すると、自宅で酸素吸入をするより、病院の廊下でもいいので、医者や看護師など医療関係者が近くにいてくれた方が安心感がある。

   日本の場合、医療機関の病床の数が入院者数となる。コロナ禍で緊急事態が起きれば、病床ベッドを増やすしかない。たとえば、廊下にベッドを置いてはどうだろうか。あるいは、自治体とタイアップして、病院のごく近くに公共施設があれば、そこに臨時にベッドを置いてはどうだろうか。さらに、行政が交渉してホテル一棟を借り切り、病院に提供し、そこに医師が回診にくるというシステムでもよいのではないか。まるで野戦病院のイメージだが、必要なのは臨機応変な対応だと考える。  

       菅総理は入院制限方針に与党からも撤回要求が出ていることについて、「撤回しない」と記者団に述べた(8月4日付・共同通信Web版)。オリンピックがあり、生徒や学生たちが夏休み、そして、旧盆も近づき、いわゆる「人流」の抑制が効かくなりつつある。こうなれば、求められるのは政府の対応ではない。むしろ、都道府県を単位とする首長の臨機応変な対応ではないだろうか。

⇒4日(水)夜・金沢の天気      はれ

☆ワクチン3回接種が世界のスタンダ-ドになるのか

☆ワクチン3回接種が世界のスタンダ-ドになるのか

   かつてないほどの感染規模だ。石川県での新型コロナウイルスの新規感染者がきのう30日で110人となった。前日29日は94人、28日は119人だった。人口112万人の県でこれだけ感染者数が増えてくると心穏やかではない。政府はきのう石川県を「まん延防止等重点措置」の対象に適用すると発表した。適用地域は7月の感染者の7割を占める金沢市で、期間は8月2日から31日の30日間。

   県はすでに市内の飲食店に対して営業時間を午後8時までに短縮するよう要請しているが、今回の措置適用を受けてこれを31日まで延長する。兼六園などの県の施設も休館となる。石川県の「まん延防止措置」適用は前回(5月16日-6月13日)に次ぎ2回目だ。夏の暑い夜、また家飲みの日々が続く。

   先日26日のブログで取り上げた「ワクチンパスポート(予防接種証明書)」がきのう自宅に郵送で届いた=写真・上=。これを入国時に提示すると、隔離措置などが免除される。このパスポートが通用するのは現在、ドイツ、イタリア、オーストリア、ポーランド、香港など12の国・地域。外務省は相手国の確認を取り、範囲を広げている(外務省公式ホームページ)。パスポートの申請を思い立ったのは、ワクチンの2回接種を終えた知人たちと海外旅行に行こうかとオンランでやりとりをしたことがきっかけだった。それは、コロナ禍でのニューノーマル(新常態)に息苦しさを感じ始め、何かで突破したいとの単純な動機だったのかもしれない。

   このワクチンパスポートを手にして、世界への移動の自由を確保したとの気持ちがあったが、それもつかの間、ニュースを見て、さらなる「コロナの障壁」を知ることになる。BBCニュースWeb版(30日付)は「Coronavirus: Israel to give third jab to people aged over 60」の見出し=写真・下=で、イスラエルでは8月1日から60歳以上の市民を対象に、ファイザー製のワクチンの3回目接種を開始すると伝えている。記事によると、時間が経つにつれて免疫力が低下することから、5ヵ月前に2回目の接種を受けた60歳以上の市民を対象に3回目の接種を順次行う。

   イスラエルは国民の59.2%が接種を完了している(30日付・ロイター通信まとめ)。世界でもっとも早くワクチン対応をしたモデル国として評価されている。そのイスラエルが2回接種の5ヵ月後にさらに3回目を始めるとなると、これが世界の基準になるのではないだろうか。つまり、いまのワクチンパスポートは2回接種者が利用するので、5ヵ月が経つとさらに3回接種の証明書が求められるようになるのか。さらに、ひょっとしてパンデミックが続けば、さらに4回、5回と接種が必要なのか。人類とウイルスの戦いは長期戦だ。

⇒31日(土)午前・金沢の天気     はれ

★ワクチンは「論より証拠」 次は抗体検査

★ワクチンは「論より証拠」 次は抗体検査

   きょう2回目のワクチン接種を金沢市内の病院で受けた。午前9時30分ごろ、病院に到着して受付窓口に。指定されたイスに着席すると、小型ワゴンを押しながら女性看護師2人が近づいてきた。1回目(6月27日)と同じ方式で、接種を受ける側は座ったままで、看護師が会場内を移動して接種する。病院に入って、5分後には接種が完了した。

            接種後は15分間、9時50分までイスに座り経過観察。用紙には「気分が悪くなってきた。座っているのがしんどい」「息切れがする。咳が出る」「じんましんや皮膚のかゆみがでてきた」などの体調の変化や自覚症状を感じた場合にはスタッフに告げてくださいとある。知人の何人かからは、「2回目がしんどかった」と副反応のことを聞いていたので身構えていた。

   15分間で思いついたことだが、2回目の接種を終えて2週間経つと抗体ができて新型コロナウイルスにはかかりにくくなると言われている。だったら、東京オリンピックの競技会場はほとんどが無観客となっているが、2回接種済みで2週間後の人たちは観戦可能としてはどうだろうか。接種後には「ワクチン予防接種済証(臨時)」を各病院が発行する。このシートを「パスポート」の代わりに使えばよいのではないだろうか。何しろ、ワクチン2回接種済みは2576万人で人口の20%、うち65歳以上の高齢者は1917万人と54%だ(7月15日現在、総理官邸公式ホームページ)。無観客は少々もったいない気がしないではない。。

   接種から15分間経過したが体調の変化や症状もないのでイスから立ち上がり、出口の受付へ。前述の「ワクチン予防接種済証(臨時)」をシートに貼ってもらった。副反応もなく、これで完了。すると、一枚のチラシが渡された。「新型コロナウイルス抗体検査のおしらせ」とある。読むと、「ワクチンをうった効果が感じられない」「効果を数値で確かめたい」「本当に抗体ができているのか」と思っている接種者向けに血液検査をして、抗体を持っているかを調べる、とある。料金は保険適用外で税込み6000円だ。

   さらに説明によると、ワクチン接種でヒトの細胞内にスパイクタンパク質(ウイルスのトゲトゲの部分)をつくる。このトゲトゲの構造に人体の免疫系が強く反応することで、ウイルスの感染に対する抵抗力、つまり抗体が獲得できる。スパイクタンパク質だけではウイルスとなることはないので、感染はしない。

   この抗体検査ができるのはきょうから2週間以降で、検査によって「過去の感染」や「抗体の有無」が確認できるという。論より証拠。この際、勉強だと思って抗体検査を受けてみることにした。

⇒18日(日)夜・金沢の天気      はれ

★初めてのコロナワクチン接種

★初めてのコロナワクチン接種

   国内で新型コロナウイルスのワクチン接種者は1回目が2102万人(人口比率16.5%)、2回目が804万人(同6.3%)と進捗している(6月26日現在・総理官邸公式ホームページ「ワクチン接種状況ダッシュボード」)。自身もきょう27日午前、金沢市内の病院に行き、1回目の接種を受けた。すでに多くの人が接種していて話題性も低いので、ブログのネタにしようかどうか迷ったが、備忘録のつもりで記すことにした。

   金沢市では5月6日にワクチン接種の予約受付が始まり、市のコールセンタ-とは同月12日にようやく電話が繋がった。ところが、ワクチン接種を行う市内201の医療機関はすでに申し込みが満杯の状態で予約はできないとの返事。この日、予約受付の顧客管理システム「Salesforce」が一時ダウンするなど行政の現場は混乱していた。メッセージアプリ「LINE」による予約受付もあったが、ユーザー情報が中国のLINE子会社からアクセスできる状態になっていたと問題になっていたので、わざわざインストールして使う気にはなれなかった。電話で予約できたのは6月2日だった。

   友人たちとメールでやり取りをしていると、「オレは接種しない」との意見も少数だがある。石川県では2回接種(3月13日、4月3日)を終えた病院の女性職員が感染したことがニュースになっていた(4月12日付・メディア各社)。2回接種が完了しているにもかかわらず発症することを、「ブレイクスルー感染」と言うそうだ。また、全身にアレルギーが出たり、急に血圧が低下して気分が悪くなったという、アナフィラキシー・ショックを体感した知人もいる。さらに、次々と出現する変異株にワクチンがどこまで効果があるのかなどワクチン接種に不安がない訳でもなかった。

   そしてきょう午前、指定されていた金沢市の病院に赴いた。この日持参したのは接種券(クーポン券)、予診票、運転免許証の3点。予定より少し早めの9時13分に受付窓口に着いた。同16分に男性医師による問診があった。予診票を出し、血液をサラサラにする薬を服用している旨を告げると、「それでは接種した部分を2分間軽く圧迫してください」と言う。「えっ、圧迫とは」と聞き直すと、医師は「あっ、軽く押さえてくださいという意味ですよ」と。接種希望書に署名する。

   9時16分、隣接の接種会場に行き、指定されたイスに着席する。間もなく小型ワゴンを押しながら女性看護師2人が近づいてきた。接種を受ける人は座ったままで、看護師が会場内を移動して接種する方式だ。看護師は「お待たせしました。右利きですか、左利きですか」と尋ねてきたので、「右利きです」と答えると、左腕の半袖をさっとめくり上げてくれて、接種の準備が始まった。「少しチクリとするかもしれませんがすぐ終わります」と言う間にチクリと。あっという間だった。これが今世間を騒がせているワクチン接種かと妙に実感した。

   接種担当の看護師に、「確かにワゴンで回ると効率的でスピード感がありまね」と声をかけると、「これ、三島方式と言うんです」とすぐに返事が。静岡県三島市が始めた方式で、接種を受ける側は座ったまま、巡回する医師から問診と接種を順番に受ける。おそらく、「三島方式」が全国で広がっているのだろう。もう一人の看護師が用紙に接種時間(9時19分)と経過観察終了時間(9時34分)を記入して手渡してくれた。

   経過観察として15分間、同じイスに座り、時折スマホで時間を見る。用紙には「息切れがする。咳が出る」「じんましんや皮膚のかゆみがでてきた」「呼吸がゼーゼー、ヒューヒューする」「気分が悪くなってきた。座っているのがしんどい」などの体調の変化や自覚症状を感じた場合にはスタッフに知らせてくださいと書いてある。さらに、「接種後の数日間には以下のような副反応が起こることがあります」と注意書きがあり、「注射した部位の痛み」「疲労感、倦怠感」「頭痛」「寒気、発熱」「関節や筋肉の痛み」など書かれている。

   接種から15分間経過したが体調の変化や自覚症状もないのでイスから立ち上がり、出口の受付へ。2回目の接種は3週間後の7月18日であることを確認し、次回持参する予診票と接種クーポン券を渡された。クーポン券をよく見ると、「予防接種済証(臨時)」の欄に、「COMIRNATY(コミナティ筋注)」というシールが貼られてあった。シールにあるQRコードをスマホで読み取ると、ワクチンの説明があった。「コミナティ筋注」は薬品名で、アメリカの製薬会社「ファイザー」がドイツのバイオ医薬品企業「ビオンテック」と共同開発した筋肉注射のワクチン。日本ではことし2月に特例承認されている。

   病院を出たのが9時36分。受付から退出までわずか23分だった。ブログを書き終えるまで接種から4時間余り経ったが、とくに体調の変化もない。念のため、飲酒は数日間控えることにした。

⇒27日(日)午後・金沢の天気     くもり時々あめ  

★「コロナ」にも「アルツ」にも「打ち」勝つ

★「コロナ」にも「アルツ」にも「打ち」勝つ

   65歳以上のシニア世代のワクチン接種が進んでいる。1回以上の接種が延べで900万人(6月6日現在・総理官邸公式ホームページ)となった。うち、2回の接種を終えた人は90万人となる。対象者は3600万人なので数字的にはまだ遠いが、「7月末を念頭に希望するすべての高齢者に2回の接種」の政府目標が見えてきたのではないだろうか。

   この進捗状況の背景には、それぞれの自治体のユニークな取り組みがある。なるほどと思ったのは「調布方式」や「三島モデル」という、接種を受ける人は座ったまま、医師や看護師が会場内を移動して接種する方式だ。毎日新聞Web版(6月2日付)によると、静岡県三島市は今月2日からこの方式を始めた。会場は4つの小学校の体育館で、接種を受ける人は、コの字形に囲われた段ボールの仕切りの中で1人ずつ待機。座ったまま、医師からの問診と接種を順番に受け、経過観察の15分が過ぎると退席する。接種を終えた人の肩に緑色テープを貼り、二重接種を防止する工夫もある。経過観察も含めた会場での滞在時間は1人当たり30分だ。三島市は今後、自力で移動ができない要介護者や要支援者120人を対象にドライブスルー接種も行う。

   医師が移動することで、接種待ちの滞留による「3密」なども防ぐことができ、お年寄りの移動時間を少なくすることで時間短縮ができる。この方式は、佐賀県唐津市や福岡県宇美町など全国に広がっている。まさに逆転の発想ではないだろうか。(※イラストは厚労省公式ホームページより)

   もう一つ、シニアにとって朗報がある。NHKニュースWeb版(6月8日付)によると、日本の「エーザイ」とアメリカの製薬会社「バイオジェン」が開発したアルツハイマー病の新薬「アデュカヌマブ」について、アメリカのFDA(食品医薬品局)は原因と考えられる脳内の異常なタンパク質「アミロイドβ」を減少させる効果を示したとして治療薬として承認したと発表した。

   これまでのアルツハイマー病の治療薬は、残った神経細胞を活性化させるなどして症状の悪化を数年程度、遅らせるもので、病気によって脳の神経細胞が壊れていくこと自体を止めることはできなかった。こうした中で、「アデュカヌマブ」は、アミロイドβを取り除く効果が認められ、アルツハイマー病の進行そのものを抑える効果が期待される初めての薬となる(同)。

   ただ、今回の承認は深刻な病気の患者に早期に治療を提供するための「迅速承認」という仕組みで行われたため、FDAは追加の臨床試験で検証する必要があるとしていて、この結果、効果が認められない場合には承認を取り消すこともあるとしている。「アデュカヌマブ」については日本でも昨年12月に厚生労働省に承認の申請が出されている。

   シニア世代は「認知症」や「アルツハイマー病」という言葉には敏感になっている。日本の承認が遅れるのであれば、この夢の薬を求めてアメリカに行き、ぜひ点滴投与を受けたいという人は少なからず出てくるだろう。いや、世界中からやってくるだろう。まさに、「コロナ」にも「アルツ」にも「打ち」勝つ、朗報だ。ちなみにきょうの東証一部のエーザイの株価は始値で前日より1500円も急騰し、9251円をつけた。上昇率19.35%のストップ高となった。

⇒8日(火)午前・金沢の天気   くもり