#ブリ起こし

★ココロの風景が師走へと動き出す きょうこのごろ

★ココロの風景が師走へと動き出す きょうこのごろ

   きょうは朝から師走並みの寒さ。さきほどパラパラと音が聞こえたのでアラレかと思って外を見ると、大粒の雨だった。きょうの予想最高気温は10度、雷雨になるところもあるという。北陸ではこの時節の雷を「ブリ起こし」と言う。いよいよ寒ブリの季節がやって来る。

   午前中、金沢市内のクリニックで新型コロナワクチンを接種してきた。6月以来で7回目の接種だ。つい数日前まで、感染症法上の位置づけが5類に移行していることだし、「もういいだろう」と接種を止めようと思い、9月に市役所から郵送されてきた接種券をほったらかしにしていた。ところが、5類以降でコロナに罹った知人から発熱とのどの痛みに悩まされたと聞かされ心が動いた。間もなく師走、そして年の瀬ともなれば年末の行事や買い物など忙しくなり、人と会う機会も格段に増える。で、「やっぱり打っておこうか」と接種を申し込んだ次第。さて、インフルエンザの予防接種はどうするか。(※イラストは厚労省公式サイトより)

   年末のテレビ番組と言えば、フィナーレを飾るNHK「紅白歌合戦」か。じっくり視聴したことはなかったが、一度だけ印象に残る歌のシーンがあった。2019年の紅白歌合戦にテレビメディアにはほとんど露出しない竹内まりやが初出場し、歌った『いのちの歌』が胸にしみた。「生きてゆくことの意味 問いかけるそのたびに 胸をよぎる 愛しい人々のあたたかさ この星の片隅で めぐり会えた奇跡は どんな宝石よりも たいせつな宝物・・・」。命をつなぐことの大切さ、平和の切望、実に生命感があふれていた。この年は香港の民主主義が中国政府と真っ向から向き合い、そして、16歳の環境活動家、スウェーデンのグレタ・トゥーンベリが地球温暖化対策を世界に強烈にアピールした。

   ことしの紅白歌合戦の出場者がきょう発表された。メディア各社の報道によると、出場者一覧に、「SMILE-UP」(旧ジャニーズ事務所)所属タレントの名前は1組もなかった。前年は6組が出演していた。ジャニーズ事務所創業者のジャニー喜多川による性加害問題を受け、NHKでは所属タレントへの新規の出演依頼を当面行わないとしている。ことしの紅白歌合戦は何だか事件の後始末のような、後味の悪い番組になりそうだ。

⇒13日(月)午後・金沢の天気     あめ

★「ブリ起こし」の雷鳴とどろく 北陸に冬の訪れ

★「ブリ起こし」の雷鳴とどろく 北陸に冬の訪れ

   きのう(11日)から雷鳴がとどろいている。北陸ではこの時節の雷を「雪出し」や「ブリ起こし」などと言う。いよいよ冬の訪れである。とくに金沢は雷が多い。気象庁の雷日数(雷を観測した日の合計)の平年値(1991-2020年)によると、全国で年間の雷日数がもっとも多いは金沢の45.1日だ。雷がとどろけば、落雷も発生する。石川県の消防防災年報によると、県内の落雷による火災発生件数は年4、5件だが、多い年(2002年)で12件も発生している。とくに12月から1月の冬場に集中する。

   雷が人々の恐怖心を煽るのはその音だけではなく、落雷はどこに落ちるか予想がつかないという点だ。これが怖いので、自身のパソコンは常に雷ガードのコンセントを使用している。雷が直接落ちなくても、近くで落ちた場合でも「雷サージ」と呼ばれる現象が広範囲に起きる。いわゆる電気の津波だ。この雷サージがパソコンの電源ケーブルから機器内に侵入した場合、部品やデータを破壊することになる。いわゆる「雷害」からパソコンを守るためにガードコンセントは不可欠なのだ。このコンセントは金沢市に本社があるメーカーが製造したもの。北陸で雷害のケースと実情を研究し耐雷対策に取り組んできた企業の製品なので信頼を寄せている。

   落雷から自宅を守るために金沢では避雷針を付けている家庭が多い。ただ厄介なのは、雷は空から地上に落ちる際、まれに横から落ちてくるケースもある。2018年1月に金沢のテレビ局の送信鉄塔で落雷による火災が発生し、石川県内の一部地域を除く38万世帯で15時間も電波が止まるという放送事故があった。鉄塔にはてっぺんに避雷針は設置されていたが、雷が横から落ちて、鉄塔内で気中放電(スパ-ク)が発生、ケーブルが発火して電波が停止した。

   ところが、落雷があった送信鉄塔の近くには別のテレビ局の送信鉄塔があったが、ここには落雷はなかった。同じ域内にあるテレビ鉄塔で落雷があった、なかったの違いはどこにあったのか。業界関係者から聞いた話だが、落雷がなかった鉄塔には「消雷装置」が設置されていたのだという。「消雷装置」は初めて聞いた言葉だった。電気を通さない数十㌢の特殊なガラス管を避雷針に設置し、雷の原因となる大気中の電子の移動を打ち消す装置。金沢工業大学の教授が開発し、実証実験を経て製品化されている。雷ガードのコンセントにしても、消雷装置にしても「必要は発明の母」である。

   雷だけでなく、金沢は年間を通して雨の日が多く、年間の降水日数は170日余りと全国でもトップクラスだ(総務省「統計でみる都道府県のすがた」) 。天気も変わりやすく、朝晴れていても、午後には雨、ときには雷雨もある。そのような気象の特徴から 金沢では「弁当忘れても傘忘れるな」という言葉がある。「必要は言葉の母」でもある。ただ、新型コロナウイルス感染が続くこのご時世では「弁当忘れてもマスク忘れるな」かもしれないが。

(※写真は、北陸電力公式ホームページ「雷情報」より)

⇒12日(金)午後・金沢の天気    あめ