#テロとの戦い

★「9・11」から21年、アメリカ執念の復讐劇

★「9・11」から21年、アメリカ執念の復讐劇

   「9・11」同時多発テロに対するアメリカの復讐の執念を感じるニュースだ。CNNニュースWeb版は「US kills al Qaeda leader in Afghanistan drone strike」の見出しで、アメリカはアフガニスタンにいた国際テロ組織アルカイダの指導者アイマン・アル・ザワヒリを無人攻撃機で殺害したと報じている=写真・上=。ホワイトハウスでバイデン大統領が演説して明らかにした。

   記事によると、ザワヒリは家族とカブールのダウンタウンに潜伏していて、住宅のバルコニーに出ていたところを、無人攻撃機に搭載した2発のヘルファイアミサイル(空からの対戦車ミサイル)で攻撃した。7月30日午後9時48分(アメリカ東部標準時)に殺害計画は実行された。

   アルカイダによるアメリカへの同時多発テロは2001年9月11日、現地時間で午前8時46分だった。ニューヨ-ク・マンハッタンの高層ビル「ワールドトレードセンター」に民間航空機が追突した=写真・下=。日本でも当初、航空機事故としてテレビ朝日の報道番組「ニュースステーション」などは生中継で伝えていた。間もなくして、2機目が同じワールドトレードセンターの別棟に突っ込んできた。世界の多くの視聴者が「9・11」テロリズム(terrorism)の目撃者になった。

   アメリカは「テロとの戦い(War on Terrorism)」を錦の御旗に掲げ新たな闘いを始める。当時のブッシュ大統領はアフガニスタンで政権を握っていたタリバンが、テロ事件の首謀者とされたオサマ・ビン・ラディンをかくまっていると非難。10月にはアメリカ主導の有志連合軍がアフガンへの空爆を始め、タリバン政権は崩壊する。大規模な捜索にもかかわらず、ビン・ラディンを捕捉できなかった。

   テロとの戦いはオバマ大統領に引き継がれる。2011年5月1日、パキスタンのイスラマバードから60㌔ほど離れた、ビン・ラディンの潜伏先をステルスヘリコプター「ブラックホーク」などで奇襲し殺害。DNA鑑定で本人確認をし、アラビア海で待機していた空母カール・ビンソンに遺体を移送し、海に水葬した。作戦完了の直後、オバマ大統領はホワイトハウスでの緊急声明で、「Justice has been done」と発した。しかし、アメリカの復讐はこれで終わりではなかった。

   ザワヒリはかつてビン・ラディンの主治医であり、同時多発テロの首謀者の一人でもあった。アメリカは、ザワヒリの逮捕に直接つながる情報に最大2500万㌦の報奨金を用意し行方を追っていた。「9・11」から21年、冒頭のホワイトハウスでの声明で、バイデン大統領は「Now, justice has been delivered and this terrorist leader is no more.」と復讐劇の終わりを宣言した。

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☆バイデンが背負った「9.11」の総仕上げ

☆バイデンが背負った「9.11」の総仕上げ

   あす9月11日はアメリカの同時多発テロから20年になる。2001年9月11日、現地時間で午前8時46分、日本時間で午後9時46分だった。当時、会社から帰宅して、報道番組「ニュースステーション」が始まったばかりの同9時55分ごろにリモコンを入れると、ニューヨ-ク・マンハッタンの高層ビル「ワールドトレードセンター」に民間航空機が追突する事故があったと生中継で放送されていた。食事を取りながら視聴していると、間もなくして、2機目が同じワールドトレードセンターの別棟に突っ込んできた。リアルタイムの映像で衝撃的だった。世界の多くの視聴者が「9・11」テロリズム(terrorism)の目撃者になった。

   その後、アメリカは「テロとの戦い(War on Terrorism)」を錦の御旗に掲げ新たな闘いを始める。当時のブッシュ大統領はアフガニスタンで政権を握っていたタリバンが、テロ事件の首謀者とされたオサマ・ビン・ラディンをかくまっていると非難。翌10月にはアメリカ主導の有志連合軍がアフガンへの空爆を始め、タリバン政権は崩壊する。大規模な捜索にもかかわらず、ビン・ラディンを捕捉できなかった。

   テロとの戦いはオバマ大統領に引き継がれる。2011年5月1日、パキスタンのイスラマバードから60㌔ほど離れた、ビン・ラディンの潜伏先をステルスヘリコプター「ブラックホーク」などで奇襲し殺害。DNA鑑定で本人確認をし、アラビア海で待機していた空母カール・ビンソンに遺体を移送、海に水葬した。作戦完了の直後、オバマ大統領はホワイトハウスでの緊急声明で、「Justice has been done」と発した。声明はアメリカ東部時間で1日午後11時30分すぎ、日本時間で2日午後0時30分すぎだった、ニュースは世界を駆け巡った。

   バイデン大統領は今年4月、同時多発テロ事件から20年の節目にあたる「9月11日」まで完全撤退すると表明した(4月14日付・BBCニュースWeb版日本語)。ところが8月に入り、アメリカ軍の撤退を見越して、タリバンが首都カブールに進攻し、日本時間の16日朝、政府に対する勝利を宣言した。一方、2014年から政権を担ってきたガニ大統領はまさに「敵前逃亡」で出国し、政権は事実上、崩壊した。

   バイデン大統領は8月31日、国民に向けた演説で、アフガンからのアメリカ軍撤退について、「終わりなき撤退を延長させるつもりはなかった」と述べ、同日までに完了したことを発表した(9月1日付・BBCニュースWeb版日本語)。ブッシュ、オバマ、トランプ、そしてバイデンと4代、20年に渡った「テロとの戦い」がこれで総仕上げとなった。2001年9月11日の衝撃的なシーンをリアルタイムで見ていただけに、歴史的な出来事の結末を見た思いで感慨深い。

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