☆松に寄り添う一輪のタカサゴユリ 好かれ嫌われ「旅する花」
自宅庭の五葉松に寄り添うようにタカサゴユリの花が一輪咲いていた=写真=。例年ならば旧盆が過ぎたころに咲く花だが、早咲きのようだ。この時節は花の少ない季節なので目立つ花でもある。ヤマユリのような高貴な香りはないが、「立てば芍薬(シャクヤク)、座れば牡丹(ボタン)、歩く姿は百合(ユリ)の花」の言葉のように、花は白く美しく、人目をひく。この時節には茶花として床の間に飾る花でもある。
漢字名は「高砂百合」。名前の通り、日本による台湾の統治時代の1924年ごろに園芸用として待ち込まれたようだ(Wikipedia「タカサゴユリ」)。いまだったら、「外来種」として持ち込みに批判が出たかもしれない。国立研究開発法人「国立環境研究所」の公式サイトには、「侵入生物データベース」にリストアップされている。「日当たりの良い法面や道路わき、空き地などに侵入する」と。持ち込まれた当時は外来種という概念もなく、花の少ない季節に咲くユリの花ということで日本で受け入れられたのだろう。
侵入生物データベースの「備考」欄には、「全国的に分布を広げている種であり、自然植生に対して悪影響が及ばないよう、適宜管理を行う必要がある」と記されている。「適宜管理」とは伐採して根ごと処分するという意味なのだろうか。とすると、こうしてブログで画像をアップすることも罪深いということだろうか。
タカサゴユリには意外な特性もある。同じ場所に何年も生育すると、土壌に球根を弱める特定のバクテリア(病原菌)が繁殖して枯死してしまう。連作障害だ。このため、種子を多く付け、種子は新たな原野を求めて風に乗って各地に拡がる。種子がたどり着いたその地が伐採などで一時的に明るくなると生育して勢力を拡げ、ときに群生して大きな花を咲かせるも、数年経つとまた他の地へ旅立つように去ってゆく(Wikipedia「タカサゴユリ」)。ひととき白く輝く花を咲かせ、やがて別の場所に飛び立っていく。「旅するユリ」とも称される。
⇒14日(水)午前・金沢の天気 はれ
ただ、立場が異なればタカサゴユリは外敵、目の敵だ。国立研究開発法人「国立環境研究所」のホームページには「侵入生物データベース」の中で記載されている。侵入生物、まるでエイリアンのようなイメージだ。確かに、植えた覚えはないので、おそらく種子が風に乗って、庭に落ちて育ったのだろう。外来種だからと言って、すべて駆除すべきなのか、どうか。この花を見るたびにそんなことを思ったりする。
石川県が独自に開発した品種であり、品種登録も行っているルビーロマンが韓国にもある。品種登録が韓国では行われていなかったことから、韓国に苗木が流出して栽培されたものと見られている。
ただ、植えた覚えはないので、おそらく種子が風に乗って、庭に落ちて育ったのだろう。旧盆が過ぎたこの時節は花の少ない季節で、茶花として重宝している。ただ、立場が異なればタカサゴユリは外敵、目の敵だ。国立研究開発法人「国立環境研究所」のホームページには「侵入生物データベース」の中で記載されている。侵入生物、まるでエイリアンのようなイメージだ。外来種だからと言って、すべて駆除すべきなのか、どうか。
面白い句があった。『男ならひとりのむほど清水かな』の掛け軸はまるで滝を流れるような書体だった。掛け軸にじっと向き合っていると、千代女のくすくすと笑い声が聞こえてきそうになった。酒飲みの男が一人酒でぐいぐいと飲んでいる。それを見て千代女は「酒はまるで水みたい」と思ったに違いない。はたと気がついた。冒頭の『朝顔やつるへとられてもらい水』に面白い解釈が浮かんだ。
これまで意識はしていなかったが、ヒメリュウキンカはヨーロッパが原産のいわゆる外来種のようだ(3月21日付・北陸中日新聞)。日本の固有種を駆逐するような特定外来生物などには指定されていない。1950年代ごろに園芸用として国内に入り、金沢市内でも一時、流行したという。葉の形が似たリュウキンカから名前が取られたが、属は異なる。英語名のセランダインとも呼ばれる(同)。


