#ソーラー発電

★厳冬考察:カーボンニュートラルと腰痛

★厳冬考察:カーボンニュートラルと腰痛

        朝起きると腰や右肩に痛みを感じた。時間が経つと少しやわらいできたがまだ痛みは残る。「頑張り過ぎたかな」と。昨夕方、自宅の玄関前やガレージ前などで雪すかし(除雪)をした。雪はじっとりと湿っていて重い。その雪を空きスペースに放り投げる。「エンヤコラ」と『ヨイトマケの唄』を心で歌いながら作業を60分ほど続けた。その反動が今朝の痛みだ。  

   屋根雪も随分と積もっていたが、少しずつ解け始めている。けさ近所の家の屋根をみると、ソーラー発電のパネルが見えていた=写真・上=。きょうは曇り空だが、5日ぶりの発電ではないだろうか。再生可能エネルギーの代表のような太陽光発電だが、今季のような豪雪では用を成さない。

   そこで思ったことは、菅総理は所信表明演説(2020年10月26日)で「2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指します」と声高に宣言した。そうなってほしいと自身も心から願うが、現実は容易ではないだろう。厳冬になれば、太陽光発電の電力供給が滞る一方で、電力需給がひっ迫してくるからだ。

   NHKニュースWeb版(12日付)によると、きのうの電力の使用率のピークは▽中国電力管内で午後6時台に97%、▽北陸電力管内で午後7時台に97%、▽四国電力で午前9時台に97%、▽中部電力と関西電力は午前10時台に96%、など全国的にひっ迫した。北陸電力送配電公式ホームページ「北陸エリアでんき予報」をチェックすると、きょう12日の需要ピーク時使用率は96%と予想値を出している。おそらく火力発電所を最大限に稼働させるなど、電力の現場では供給の確保に必死だろう。ちなみに同社の電源構成(2019年度)は石炭火力48%、水力28%、LNG11%、FIT(固定価格買取制度で調達した太陽光・風力発電)6%などとなっている(北電公式ホームページ)。北電の志賀原発は運転停止中だ。

   2050年カーボンニュートラル宣言は発出されたものの、現実問題として、二酸化炭素を出さずにエネルギー供給するとなると、電源として水力や風力、太陽光、原子力などのエネルギーミックスの有り様が問われる。経産省は第5次エネルギー基本計画(2018年7月)で、2030年度の電源構成を火力56%(LNG27%、石炭26%、石油3%)、原子力22-20%、再生エネ22-24%とするエネルギーミックスを発表しているが、カーボンニュートラル宣言で石炭などを極力使わないとなると、原子力の比重が増すことになる。果たしてそのような単純な計算でよいのだろうか。

   午後1時ごろ、自宅前が騒々しくなってきた。道路の除雪作業をするショベルカーと雪を運ぶトラックがやってきた=写真・下=。自宅前の道路では積雪であちらこちらにわだちが出来ていて乗用車の立ち往生も起きていた。ショベルカーを写真で撮ろうと外に出たとたんに屋根雪がドドッーと落ちてきた。間一髪だった。ショベルカーが動くたびに地面にかすかな振動がしていた。その揺れで屋根雪が落ちたのか、あるいは偶然か。

   写真を撮り終え、玄関前の落雪のかたまりをスコップですくい、庭の空きスペースに放り投げる作業を始めた。落下した雪はとてつもなく重い。またまた、「エンヤコラ」と『ヨイトマケの唄』を心で歌いながら。20分ほどで終えたが、あすの朝も腰と右肩に痛みが走るかもしれない。腰と肩の痛みは冬場の日常と心得よ、と自身に言い聞かせる。

⇒12日(火)午後・金沢の天気    くもり時々あめ 

★文明の利器ソ-ラーパネルも災害時には凶器に

★文明の利器ソ-ラーパネルも災害時には凶器に

          先日、近所の電気屋の社長とソーラー発電の話をしていて、意外なことを聞いた。ことし7月に九州など各地での豪雨が発生し、川沿いの平野部に設置されていた太陽光発電設備が冠水や浸水、水没して損壊したり、流されるというケースが相次いで起きたようだ。

   ネットで調べると詳しいサイトがあった。太陽光発電の専門メディア「PV eye WEB」(8月1日付)によると、鹿児島県志布志市にあるメガソーラーでは、崖の上から構内に大量の土砂がなだれ込み、約100枚のパネルが破損した。熊本県球磨郡錦町にある太陽光発電所は、付近を流れる球磨川が氾濫したために水没。鹿児島県鹿屋市のメガソーラーも太陽光パネルの下に備えつけられていたPCS(パワーコンディショナ)まで水に浸かった。被害は地上設置型の太陽光発電設備だけでなく、住宅用太陽光発電設備も多数被災した。

   水害にあったこうした太陽光パネルは絶縁不良となっていて、接触すると感電する恐れがあるというのだ。特に複数枚の太陽光パネルが接続されたまま飛ばされたり、流されたりしている場合、日射を受けて発電し、高い電圧・電流が発生するケースがあるようだ。

   経産省公式ホームページに、流された太陽光パネルの対応について説明している。水が引いた後であっても集電箱内部やパワーコンディショナ内部に水分が残っていることも考えられ、触ると感電するおそれがあり、ゴム手袋やゴム長靴着用等の感電対策を行うよう呼び掛けている。また、50kW未満の太陽電池発電設備の場合は販売施工業者が、50kW以上の設備の場合は選任されている電気主任技術者に連絡し、作業を行うよう設置業者に指示している。

   各自治体では独自の条例をつくり始めている。国土交通省や都道府県のホームページ等で公表されている洪水浸水想定区域や、市区町村のホームページ等で公表されている洪水ハザードマップの地域では設置そのものを禁止する動きだ。数々の水害に見舞われてきた石川県の小松市では、都市型水害から市民の生活や財産を守る「総合治水対策の推進に関する条例」を制定し、洪水ハザードマップなどの地域に太陽光発電施設などを設置する際は行政との事前協議が必要としている。

   損傷した太陽電池パネルは日が当たると発電し、感電や火災につながる可能性がある。可能ならばパネルの表面に遮光を施す、たとえばブルーシートや段ボールで覆う、裏返しにするなどの対策が必要となる。文明の利器も災害時には凶器となるのだ。

(※写真は能登半島の尖端、珠洲市にあるソーラー発電施設)

⇒12日(月)夜・金沢の天気 くもり