#ソウル

☆「押せ 押せ」群衆雪崩は人為的な事故なのか

☆「押せ 押せ」群衆雪崩は人為的な事故なのか

   韓国・ソウル市内の繁華街・梨泰院で29日、ハロウィンイベントに参加した若者が押し倒されて154人が死亡、149人が負傷した事故(31日午前6時現在)。韓国の朝鮮日報Web版日本語(31日付)は、この群衆事故をめぐり、現場にいた目撃者や生存者たちの間で、誰かが故意に押したという証言が多数出ていて、警察は現場一帯の監視カメラ映像などを確保し、事故原因の究明に乗り出したと報じている。 

   記事によると、路地の上の方から「押せ! 押せ!」「もっと強く押せ」といった言葉が発せられた後、あっという間に列が下り坂で崩れたという。最初に押し始めた人たちに対する具体的な描写も出ていて、「5、6人の集団が押し始めた」「韓国人男性の集団に外国人も混じっていた」「ウサギのヘアバンドをした男性を捕まえなければならない」などの証言もある伝えている。

   また、事故の1分ほど前の映像では、人々でごった返しているものの、比較的円滑に通行していた。しかし、突然下り坂の上の方から人々が一度に押され始めた。このように押される現象は、映像の中で2、3度繰り返されている。証言が事実なら、故意に押し始めた人たちは刑事処罰を受ける可能性がある(朝鮮日報Web版日本語)。

   東亜日報Web版(31日付)も「“토끼머리띠 남성 무리가 ‘밀어! 밀어!’”…모아지는 증언들」の見出しで、ウサギのヘアバンドを着けた男たちが「押せ」と叫んでいたと多数の証言を記事にしている=写真=。

   殺人の意図はなかったにせよ、ウサギのヘアバンドを着けた男たちのグループが「押せ 押せ」と群衆をかく乱するように仕向けたとすれば、明らかに人為的な重大事故だろう。メディアの事故報道が先行しているものの、今後の韓国警察の捜査の展開が注目される。

⇒31日(月)午後・金沢の天気    はれ

★ハロウィンで起きた出来事

★ハロウィンで起きた出来事

   きょう午前中、自宅近くの大通りを金沢マラソン(42.2㌔)のランナーが走っていた。地元メディアによると、1万2千人余りが参加している。沿道で走者の様子を見ていると、中には仮装した人などもいて、まるで「ハロウィン・マラソン」のようだった=写真・上=。

   ハロウィンと言えば、韓国・ソウルで大変な事故が起きている。韓国の中央日報Web版日本語(30日付)によると、29日午後10時46分ごろ、ソウル梨泰院駅に近いホテルそばの路地でハロウィンイベントなどに参加していた若者たちが何らかのきっかけで押し倒されドミノのように倒れていった。圧死と推定される事故となり、これまで153人(うち外国人は20人)が死亡、133人が負傷した。死傷者の大部分が10代から20代とみられるという。

   このニュースを知って、「群衆雪崩」という言葉を思い起こした。大都会などで震災が発生すると、人々が密集して一人が倒れることで、周りが雪崩を打つように転倒してしまうことを言う。実際に、2001年7月21日に兵庫県明石市で夏祭りの花火大会を見学にやってきた人々が集まり歩道橋が異常な混雑となり、群衆雪崩が発生。11人が全身圧迫で死亡し、183人が負傷する事故が起きている(Wikipedia「明石花火大会歩道橋事故」)。

   日本のハロウィンのメッカと言えば東京・渋谷だ。メディア各社によると、3年ぶりに自粛要請のないハロウィン前となった29日夜から朝にかけて渋谷では一時6300人が集まった。韓国の事故もあり警視庁は人出が予想される30日夜も警備を徹底すると伝えている。

          ハロウィンは毎年10月31日に行われる、古代アイルランドが起源とされる祭りで、死者の魂が悪魔などの姿をして家々を訪れるという。現代ではアメリカなどで秋の収穫を祝い悪霊を追い払う祭りとして定着している。カボチャなどをくりぬいた「ジャック・オー・ランタン」を作って飾る=写真・下=。子どもたちが魔女やお化けに扮して、「トリック・オア・トリート(Trick or treat)」(お菓子をくれないといたずらするよ)と叫びながら近くの家々を訪れる。秋田のナマハゲ(能登ではアマメハギ)と何となく似ている民俗行事ではある。

⇒30日(日)夜・金沢の天気    はれ