#コラム

☆ブログの技術⑱

☆ブログの技術⑱

  街角を歩いていると、面白い、あるいは微笑ましい被写体があり、ついデジカメや携帯電話カメラのレンズを向けてしまう。そんな街角のスナップショットをまとめてブログにアップロードしてみる。著作権や肖像権にちょっとだけ注意を払えばそう難しい話ではない。

       テーマ「写真グラフを作る」

  実際に写真グラフを作ってみる。タイトルは<街角ショット3題>としよう。まずはことしのエトにちなんで。一番上の写真は、04年夏に神戸市内のオモチャ店で撮影したもの。イヌのオモチャが入った箱に「飼主募集中、エサは単3電池2本です」のキャッチコピーが面白い。気の利いたキャッチコピーが付いているとそれ自体が完結して、写真そのものが一枚の広告ポスターのようだ。

   真ん中は、先日12月31日に東京のJR浜松町駅で撮った企業広告のスナップ写真。ニューヨークヤンキースの松井秀喜選手とニックネームでもあるゴジラと並べてデザインされた東芝のデジタル対応テレビのPRポスターだ。このポスターはどこにでもあるわけではない。JR浜松町駅近くに東芝の本社があり、ここでしか見れない、いわば「ご当地ポスター」のようなもの。

   下の写真は、きのう2日にドライブ先の富山県福光町で見つけた雪に凍える獅子(しし)の石像だ。バックは中国の唐宋時代の建築様式で建てられたという寺院風の平屋建て。寺院風なので狛犬(こまいぬ)と言ってもよいかもしれない。何しろ大屋根から落ちる雪でご覧の通り。さすがの獅子もちょっと情けない顔に見える。

               ◇

   写真の配列は左右で分け、大小のメリハリをつけると見やすい。説明文はできるだけ省き、写真に語らせる。ただ、写真では見えない周囲の状況やエピソードは簡潔に入れたい。

   著作・肖像権の問題では、基本的に公道に面して、あるいは人々の公衆の面前に置かれた広告物などに関しては、著作権者が「撮影を控えてください」と要請がない限り、それを撮影し、インターネットなどで掲載しても多くの場合問題とはならない。ただ、上記のポスターで松井選手の顔だけをアップにして撮影し、それをネットで掲載した場合などは肖像権が絡む。著作権者はポスターのデザイン全体を見てほしいから貼り出したのである。それを一部だけクローズアップしてネットで掲載するのは「著作意図に反する」ことになる。

   ポスターなどの著作物は、著作権者の意図をちょっとだけ尊重するセンスを身につければ、臨機応変に撮影ができ、ブログでも掲載ができる。万が一、クレームが来た場合、「不快な思いさせて申し訳ありません。著作権を侵害する意図はまったくありませんので、すぐ外します」と応じればよいのである。ブロガーはそれで利益を得ているのはないのだから。

⇒3日(火)朝・金沢の天気  くもり  

★続・「拍手の嵐」鳴り止まず

★続・「拍手の嵐」鳴り止まず

  元旦付の朝日新聞に2005年度朝日賞の発表があり、指揮者の岩城宏之さんの名前が載っていた。「日本の現代音楽作品を幅広く紹介した功績」というのがその受賞理由だ。

   日本では、「大晦日にベートーベンの全交響曲を一人で振る」岩城さんというイメージもある。が、海外ではタケミツ(武満徹)などの現代音楽で知られている。2004年4月から5月のオーケストラアンサンブル金沢(OEK)のヨーロッパ公演では、「鳥のヘテロフォニー」(西村朗作曲)がプログラム最初の曲なのに、演奏後、何度もカーテンコールを求められた。また、岩城さんが指揮するコンサートのプログラムにはよく「世界初演」と銘打ってあり、「初演魔」と評されるほどに現代音楽を意欲的に演奏しているのだ。

   現代音楽に恵まれたのは、同時代の作曲家である友人にも恵まれたからで、「武満」や「黛敏郎」の故人の人となりをよく著作で紹介している。そして友人をいつまでも大切にする人だ。2003年9月に大阪のシンフォニーホールで開かれたOEK公演のアンコール曲で「六甲おろし」を演奏した。当時阪神タイガースの地元向けのサービスかと思ったが、そうではなく、18年ぶりに優勝した阪神の姿を見ることなく逝ってしまった「熱狂型阪神ファン」武満氏に捧げたタクトだったのだと後になって気づいた。

   元旦付の紙面に戻る。インタビューに答えて、「…ベートーベンだって当時はかなり過激で反発もあったが、執拗に繰り返し演奏する指揮者がいて定着していった。大衆は新しい芸術の価値に鈍感なものだが、指揮者は何十年かけても未来へ情報(作品)を残す粘り強さが必要です」。過去の遺産を指揮するだけではなく、現代の可能性のある作品を未来に向けて情報発信することが指揮者に求められている、と解釈できないか。スケールの大きな話である。

   パーカッション出身の岩城さんだからこそ、あの複雑で小刻みな現代音楽の指揮が出来るのだろうぐらいにこれまで思っていた。以下は推測だ。岩城さんは武満氏らと現代音楽を語るとき、上記のことを論じ合っていたのではないか。「君らは創れ」「オレは発信する」と…。そうした友との約束を自らの指揮者の使命としてタクトを振り続けている。それが岩城さんのいまの姿ではないのか、と思う。

 ⇒2日(月)朝・金沢の天気   くもり

☆「拍手の嵐」鳴り止まず

☆「拍手の嵐」鳴り止まず

  ベートーベンの交響曲を1番から9番まで聴くだけでも随分勇気がいる。そのオーケストラを指揮するとなるとどれだけの体力と精神を消耗することか。休憩を入れるとはいえ9時間40分の演奏である。指揮者の岩城宏之さんがまたその快挙をやってのけた。東京芸術劇場で行われた2005年12月31日から2006年1月1日の越年コンサートである。

   写真は、演奏の終了を告げても2000席の大ホールをほぼ埋めた観客による拍手の嵐の様子である。観客は一体何に対して拍手をしているのだろうか。クラシックファンを名乗るほどではないが、年に数回は聴きに行く。それでもこれだけのスタンディングオベーションというのはお目にかかったことはない。演奏の完成度に加え、おそらくベートーベンの1番から9番を「振り遂げた」「聴き遂げた」「演奏を遂げた」というある種のステージと客席の一体感からくる充足感なのだろう。

  演奏終了後に岩城さんの控え室を訪ねた。憔悴しきったのであろう。控え室の前で40分ほど待った。その間に番組ディレクターに聞いた。「何カットあったの」と。「2000カットほどです」と疲れた様子。カットとはカメラの割り振りのこと。演奏に応じて指揮者や演奏者の画面をタイミングよく撮影し切り替える。そのカットが2000もある。ちなみに9番は403カット。演奏時間は70分だから4200秒、割るとほぼ10秒に1回はカメラを切り替えることになる。これも大変な労力である。私は今回、その映像をインターネットで配信する役目の一端を担い会場にいた。経済産業省によるコンテンツ配信の実証事業の一環である。世界に唯一とも言うべきこの映像をネット配信できたことに私も意義を感じている。 岩城さんを訪ねたのはその協力のお礼を言うためだった。

  岩城さんは演奏者控え室前のフロアであった打ち上げの席上で、「また来年大晦日も」と宣言した。そして引き続き1月2日と3日は東京で、4日は大阪でコンサートが控えているという。足掛け4連投。これが05年8月に肺の手術(通算25度目の手術)を受けた人の言葉かと一瞬耳を疑った。このエネルギーの源泉はどこから来るのか。われわれはその岩城さんからある意味でエネルギーをもらっているようなものだ。もっと医学・生理学的に「岩城研究」がなされてよいのではないかとも思った。

⇒1日(日)朝・東京の天気   くもり   

★ブログの技術⑰

★ブログの技術⑰

  この「ブログの技術」のシリーズはいかにしてブログを長く続けることができるか、つまり日々書くネタをどのように発掘していけばよいのかを中心にまとめている。いかに、短期にアクセスIP(訪問者)数を稼ぐか、ではない。逆に長く続ければ徐々に訪問者も増えてくる。

       テーマ「統計・データを操る」  

  正直言えば、2005年12月18日から24日の1週間の「自在コラム」の閲覧数は3222、アクセスIP数は527である。「人気ランキング」などには登録していない。職場の同僚から勧められたが、「オレはランキングを稼ぐためにブログを書いているのではない」という意思がどこかにあって二の足を踏んでいる。地味なコラムの割にはよく訪問者があり、ありがたいと思う。「自在コラム」は派手さより、渋さを出していきたいと思う。それを一年の締めくくりにしたい。

   今回の「ブログの技術」のテーマは、日常のトピックで発表される統計や数字を拾ってブログに生かす技術だ。この統計や数字というのは実に使い勝手がよい。たとえば、12月27日付の「外は大雪 中では『知の集積』」で、「金沢市内でことし雷を観測した日数は今月25日現在で71日に上り、統計を取り始めた1886年(明治19年)以来、史上最多となった」と書いた。この数字は記録づくめのこの12月を象徴する数字で、31日以降でその記録更新などテーマにすればもう一本ブログは立つ。

   このような気象的な統計のほかに、総務省消防庁が27日に発表したこの冬の大雪による被害状況では、死者は北陸を中心に26人、負傷者は重軽傷合わせて280人に達している。死者数は福井県9人、新潟県5人、秋田県3人など9県に及び、除雪作業中の事故が目立つ。停電は、東北、北陸、関西電力で合わせて137万戸。水道の供給停止は6万戸だ。記録ラッシュだ。

   こうした統計や数字をブログで拾って掲載して置くと、後に比較対象したりする際に役に立つ。ブログ内の検索をかければ即出てくるので便利だ。何年か後にまた大雪があった場合、「あの2005年12月の際は137万戸が停電し…」といった具合に使える。数字はネタとして生きる。

   長い人生の中で、ブログというものを「人生のメモ帳」ぐらいに位置づけておけばよいのかもしれない。ちなみに「自在コラム」でよく使う統計は総務省の2005年3月末時点の国内ブログ利用者数だ。4月からブログを書き始めこれまで188本、そのうち今回を含め実に6回も使っている。振り返れば、2005年は「ブログの年」だったのである。

 ⇒31日(土)朝・金沢の天気    くもり      

☆忘・新年会の「戦略ラーメン」

☆忘・新年会の「戦略ラーメン」

  今月は毎度の事ながら、手帳の書き込みに「忘年会」の文字が多い。「何回忘年会をしたら年を越せるのか」と家族にはぼやきながら、実は誘いを断ったことがなく、時には「はしご」までしてこまめに顔を出している。

   問題は二日酔いだ。酒の種類と量の調合を間違えると「三日酔い」になることも。こんな時に重宝しているのが金沢市に本社がある「8番ラーメン」の酸辣湯麺(サンラータンメン)だ。このラーメンを食べるとなぜか二日酔い独特の不快感や嘔吐感が随分と楽になる。この「効能」を知ったのが2年間の冬。それ以来、二日酔いの日の昼食には職場近くの「8番ラーメン」にお世話になっているという次第。

   この酸辣湯麺が二日酔いに効くのは、酢の酸味とラー油に秘密があるのではないかとにらんでいる。特に、同社が開発したラー油「紅油」はゴマ油と赤唐辛子をベースに桂皮(シナモン)、陳皮(ミカンの皮)、山椒が加えてあるそうだ。 二日酔いの症状がひどいとき、この紅油をさらに3さじ足して食すると、目頭の辺りが熱くなり、額にうっすらと汗がにじんでくる。この瞬間から徐々に爽快感が出てきて、不快感が次第に和らぐというのが二日酔いからの回復のプロセス。お代600円の「漢方」とでも言おうか…。

  この酸辣湯麺は冬限定の季節商品なので、私は密かに「8番ラーメンがこの効能をよく研究して、忘年会や新年会のシーズンを狙って出している季節の戦略商品ではないか」と思っている。

   ところで、8番ラーメンは東南アジアのタイに60店、香港5店、台湾2店、中国の上海と青島にそれぞれ1店、マレーシアに2店の合計71店も店舗展開をしている。本拠地の石川県(65店)を抜いて、アジアでブレイクしているのだ。恐るべし8番ラーメン…。

⇒29日(木)夜・金沢の天気     くもり

★外は雪、中では「知の集積」

★外は雪、中では「知の集積」

  雪のまぶしさを久しぶりに感じた朝だった。雪原の純白さと、空の青さがなんとも言えぬ透明感があった。透明に近いブルーなのだ。この光景が目にしみて涙が出た。

   私のオフィスである金沢大学創立五十周年記念館「角間の里」はご覧の通り雪と調和して悠然としたたたずまいを見せている。何しろこの家屋は豪雪地帯である白山ろくで風雪を刻むこと280年の古民家を移築、再生したものだ。雪中にあって風格を醸す堂々たる家屋なのだ。

    昨夜、深々と雪が降る中、この「角間の里」であるセミナーが開かれた。テーマは「新技術コグニティブ無線とアメリカの取り組み」。端末が自分で空いている周波数帯を探し出して通信を始めることから、ユビキタスネットやブロードバンドで広く応用が期待される「コグニティブ無線」について、電波の規制改革が進むアメリカの実情を知るのがその内容だ。講師は、米FCC(連邦通信委員会)法律顧問のジェームス・ミラー弁護士。冷え込んだ外とは対照的に、古民家の中は随分と参加者の熱気にあふれていた。

   きょうの新聞各紙で、金沢市内でことし雷を観測した日数は今月25日現在で71日に上り、統計を取り始めた1886年(明治19年)以来、史上最多となった、と報じている。この12月でもすでに17日、雷が鳴り止まぬ日はないといった感じだ。ちなみに、金沢のこれまでの最多記録は2002年の64日。金沢はもともと雷が多く、平年で37.4日でトップ、2番目が山形県酒田市の36.0日だ。

   しかし、雪が降ろうが雷が鳴ろうがそんなことはどうでもよい。雪はいずれ融ける。「知の集積」こそが貴いのだ。雪と「角間の里」の写真を撮りながら、ふとそう思った。

 ⇒27日(火)夜・金沢の天気   くもり

☆ブログの技術⑯

☆ブログの技術⑯

  前回のテーマ「タイトルはブログの羅針盤」に引き続き、タイトルをどうひねり出すか、考えてみよう。タイトルが決まれば、ブログの本文は流れるように書けるかのごとく記したが、実際のところ、本文はそこそこ書けたのに、タイトルがいつまでもしっくりこないということもままある。

        テーマ「タイトルをひねる」

  タイトルで一番オーソドックスなのはキーワードの配列だ。いくつかのキーワードをゴロよく流す工夫をする。12月15日付の「自在コラム」のタイトルは「寒波一服 ドカ雪の朝」である。大雪の翌朝、久々に晴れ上がり、写真が存分に撮れた日だった。「ドカ雪」とすることで何か大変なことになっているという印象を持たせる。また、真ん中に「ド」の濁音を持ってくることで言葉のリズムにアクセントがつき、流れがよくなる。これを「大雪」とすると平板な流れとなる。比べてほしい。

   問題は、キ-ワードも浮かばないときはどうするかである。そんな場合はキーワードを創作するしかない。12月20日付の「岩城宏之氏の『運命の輪』」はその一つ。私なりにこだわってつけたタイトルだ。文字を解析しよう。「運命」はベート-ベンの代表作、交響曲第5番「運命」のこと。ベートーベンの連続演奏に「ステージで倒れてもいい」と命をはっている岩城氏の姿をだぶらせたのが「運命」の2文字だ。その演奏に多くのソリストたちがかかわり、そして自分もインターネットを通じてかかわっているので「輪」の字を入れた。何を隠そう、この「運命の輪」はタレントのタモリが出演する番組でよく使う「友達の輪」をもじったものだ。

   キーワードを一つに絞り、それをさまざまに展開することもある。ことし8月の衆院解散前、小泉総理に説得を試みて失敗した森喜朗前総理が苦虫をつぶしながら「かびたチーズ」と称した高級チーズ「ミモレット」は余りにも有名になった。これを「『ミモレットの誤解』と選挙」(8月25日付)、「『ミモレットの和解』と計略」(8月26日付)、「『ミモレットの約束』と同調」(8月27日付)と3本立てにした。シリーズ化しても尽きない選挙ネタだったのである。

   「自在コラム」では、シリーズ化する場合に「続」「続々」のトッピングを用いる場合がある。これで2本立て、3本立てにする。せっかくつけたタイトルを長く生かす工夫である。

   最大13文字と決めて、あれこれと俳句のようにひねり出す。ただし、カタカナは半角にするので少々文字数が増えてもよいことに自分なりにルールを作っている。ブログ本文は書けたが、タイトルがしっくりこないため何度も書き換えることもある。あれやこれやとそれも楽しいものだ。

 ⇒26日(月)朝・金沢の天気   くもり

★ブログの技術⑮

★ブログの技術⑮

  日々のブログを書くとき悩むのがタイトルだ。このタイトルが決まらないことにはなかなか先へ進まないものだ。「goo」で言えば、「ジャンル」⇒「カテゴリー」⇒「本文」が埋まりにくい。今回はタイトル、すなわち見出しについて述べる。

       テーマ「タイトルはブログの羅針盤」

  ブログのタイトルは通常、向かって右、あるいは左の縦の列の「RECENT ENTRY」でラインナップされる。横文字で表記で、「goo」の場合だと文字数は全角14文字分である。つまり、15文字だと下に1文字落ちて2行にわたってしまう。私にはこれが何となくだらしなく、野放図なように感じられ、タイトルは一行で納まるように工夫している。従って、私の場合は★か☆を入れて14字なので、全角で13字である。もちろんタイトルは2行分と決めて、28字での表記でもよい。要は、日々のブログの核心を表現する部分なので、自らの考えを整然と表記するよう心がけたい。上記のように言うとなんだか「ブログ道」のように精神が入ってくるのだが…。

   タイトル冒頭の★や☆は、ブログの出来、不出来を示すものではなく、タイトルの「始まり」を表記している。交互に★☆とするのはさらにその区分を分かりやすくするためだ。

  冒頭で「タイトル、すなわち見出し」と述べた。新聞社の編集部では、「見出しの立つ原稿」「見出しの立たない原稿」という言い方をする。紙面を構成し、見出しを立てる編集マン(整理記者)が原稿を読み、その感想を言うときに使う言葉だ。原稿で言いたいことがきっちりとキーワードとして表現されていれば「見出しの立つ原稿」なのである。だから、デスクなどは新人記者に「まず自分で何を書きたいのか見出しを考えて原稿を書け」「見出しは原稿のエキスだ」などと教える。

   私の場合、タイトル(見出し)はブログの羅針盤だと自分に言い聞かせている。内容がぶれないように、タイトルには集中する。逆に納得いくタイトルが決まればブログ本文もスムーズに書けるものだ。では、どのように集中するのか。この仕掛けが実は、タイトル字数を決めるということなのだ。「自在コラム」は13字でブログのエキスを表現する。俳句は17文字、新聞のメインの主見出しは9文字である。制限された字数で全体を言い切る。このことに集中すればおのずと内容も締まったものになる。ストーリー展開もおおむね決まってくる。

   ブログ初心者はこのことに心がけるだけでも随分とブログが上達するはずだ。まずタイトルに集中するという「癖」が身につけばしめたものだ。

 ⇒25日(日)朝・金沢の天気   くもりのちはれ   

☆年末「撮って出し」3題

☆年末「撮って出し」3題

  テレビ放送では、取材現場から帰ってきて、VTRを編集せずにニュースに突っ込むことを「撮って出し」という。これと同じく、最近気になったニュースや生活情報を「撮って出し」風にいくつか紹介する。

                  ◇

  街ではクリスマスのムードが漂っている。金沢市内のデパートのショーウインドーで子どもたちのクリスマスの合唱を人形にしたディスプレイがあったので写真に収めた。ところで、12月としては異例の寒波が押し寄せている北陸。金沢市内でも50㌢ほどの積雪になっている。ディスプレイのようにホワイトクリスマスなのだが、市内の靴店では紳士用の長靴の品切れが続出している。しかも「入荷のメドは立っていません」と店側。23日には鹿児島でも積雪があった。長靴業界には思わぬ「特需」に違いない。

   韓国ソウル大学の黄禹錫(ファン・ウソク)教授が発表した胚(はい)性幹細胞(ES細胞)研究の論文をめぐる疑惑で、同大の調査委員会は23日、黄教授の論文データは捏造だったと断定する中間結果を発表した。黄教授は教授辞職を表明した。再生医療に不可欠な技術として世界の注目を集めた研究成果が「でっち上げ」とされたことで、韓国が目指した「ノーベル賞の夢」が消えた。その一方、北朝鮮のドル偽造の疑いをめぐり、アメリカ政府財務部は16日、日本や韓国、中国をはじめ東南アジア、欧州連合(EU)など40カ国の外交官を集め、紙幣偽造疑惑についてブリーフィングをした。また、ライス国務長官は20日、ワシントンを訪問した韓国の鄭東泳(チョン・ドンヨン)統一部長官に「(北朝鮮の紙幣偽造問題について)アメリカは不法活動に対する法執行次元で措置をとるのみ」と主張した(韓国・中央日報)。「南の偽造」もさることながら、「北の偽造」に対するアメリカの対応に何かきな臭さを感じるのだが…。

   TVはもともとアメリカの文化だ。そのアメリカではアナログ地上波テレビ放送を2009年2月までに終了し、デジタル放送に全面移行することを盛り込んだ法案が21日、上院で可決された。これまで、06年末か、デジタル放送受信機の普及率が85%に達するかの遅い方を移行期限としてきたが、受信機の普及が進まないのにしびれを切らし、期限の設定に踏み切った格好だ。日本での全面移行は2011年7月を予定している。アメリカが日本より前倒しするのには、TVメディアのデジタル関連産業を促し、この分野でのイニシャチブをとりたいとの思惑が見え隠れする。ただ、政府が対応を誤ると受信機を買えない貧困層から反感を買う。文化として大衆に根付いてしまっているTVを国の政策として扱うことはそう簡単ではないはずだ。

⇒24日(土)朝・金沢の天気   ゆき

★続々・岩城氏「運命の輪」

★続々・岩城氏「運命の輪」

  指揮者の岩城宏之さんはオーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)の音楽監督である。11年前、OEKの運営赤字が表面化し、補助金を出している石川県の議会などで問題となった。そのとき、番組ディレクターとして「文化の発信って何だ」とのドキュメンタリー番組を全国放送(95年5月)した。それが縁で、岩城さんとOEKが朝日新聞東京本社浜離宮ホールで足掛け7年、25回にわたって演奏した「モーツアルト全集」を番組化した。そして、テレビ局を辞した後も巡り巡って、9時間半にもおよぶ岩城さんの「ベートーベン振るマラソン」とかかわることになった。

   地域のテレビ局が制作する優良な文化コンテンツをインターネットで配信することに興味を示してくれたのは経済産業省だった。同省の地域映像コンテンツ配信実証事業として公募をかけ、テレビ局から上がってきた岩城さんの番組の企画書を審査したとき、「大晦日、世界でおそらく唯一の放送コンテンツです」と採用理由を説明した。

   採用はされたが、難問が山積していた。まず、制作費には限りがあり地元テレビ局単独ではできない。何しろ9時間半にもおよぶ生番組となると地上波ではまず放送時間枠が確保できない。そこで、テレビ局側が知恵を絞ってCS放送とパートナーを組んで共同制作とした。実はこのパートナーシップは前回も同じ組み合わせで実施していて、信頼関係がベースにあった。大きな問題は、演奏者の著作権だった。10月に岩城さんと金沢でお会いし、インターネット配信を説明した。「オーストラリアやヨーロッパの友人が見ることができるのなら、それはいい」と理解をいただいた。また、コンサートを企画運営する三枝成彰氏の事務所にも「国の実証事業」ということでお願いした。

   最後の問題として回線の問題が残った。大晦日、ブロードバンドで配信するのである。ただでさえ回線が混み合う日にうまくつながるのか、果たしてどれだけのユーザーが視聴にくるのか、回線のバックボーンや映像のクオリティー確保などを勘案して「500K」でエンコードをすることにした。「有料・クローズ」という案もあったが、最終的に「無料・オープン」にした。

  2005年の大晦日、インターネット配信による世界で唯一になるだろうクラッシクのコンテンツはこのような経緯をたどり誕生する。 <前編を読む>

⇒22日(木)朝・金沢の天気   あめ