☆「京」の強さ
今朝のメディアで気になるニュ-スから。スーパーコンピューターの計算速度を競う世界ランキング最新版で、これまで2位だった理化学研究所の「京(けい)」が3位に順位を落としたとのニュースが流れている。ニュースをそのまま読んでしまえば残念な話に思えるが。
首位は、オークリッジ国立研究所(アメリカ)の「タイタン」。1秒間に1京(京は1兆の1万倍)7590兆回の計算速度を記録したという。3位の「京」は1京510兆回。速さだけを競うのであれば「3位」だが、実用的という意味では「京」は優れている。計算科学研究機構(AICS)のホームページで掲載されている立花隆氏(ジャーナリスト)の文が分かりやすいので、以下部分引用させていただく。
「もともとの設計性能が10ペタだったとはいえ、こんなに早くトップ性能が引き出せた背景には関係者のなみなみならぬ努力があったことと思う。これもひとえに斬新な富士通の高性能低電力消費型チップ(SPARC64TM VIIIfx)と6次元メッシュトーラスという独特のアーキテクチャ構造をとることで、高速性と高信頼性(壊れても全面的には壊れない。すぐ自己修復する)を同時に達成するという優れたハードウェア技術が見事に功を奏したが故にだと思う。次のステップは、このすぐれたハードを見事に使いこなして、ソフトウェア(アプリケーション)と計算実績の面でも、世界一の業績を次々にあげていくことだ。それが実現できたら、ケタちがいの計算力を利用したケタちがいのシミュレーション力(速度と精度)で、日本の科学技術力と産業力を数倍レベルアップすることができる。日本の国力を数十倍にしていくことができる。」
上記の「産業力を数倍レベルアップすることができる」というところがポイントだと思う。ことし9月から本格稼働が始まり、大学や国立の研究所だけでなく、産業界の研究にも門戸が開かれている。公募に対して製薬や化学、ゼネコン、自動車メーカーなど、産業界から25件が採択され、利用が始まってる。
産業や研究に役立つ、とはどういうことなのか。参考例として、2010年のノーベル化学賞の根岸・鈴木博士のクロスカップリング反応がある。有機化合物と別の有機化合物を触媒のパラジウムによりカップリンングし、ビアリール化合物という新たな有機化合物をつくっていく。パラジウムという触媒は自体はカップリングが成功すると、さっと離れて、次なるカップリングに動く。新しくできた化合物はテレビの液晶材料や抗がん剤など幅広く使われる。鈴木・根岸博士のカップリング反応というのは、原料が安定していて扱いやすい、化学反応が穏和で操作が簡単、有害な廃棄物をほとんどださない。つまり配合を間違えても爆発しない、猛毒を発生させないので、扱いやすい。だから産業に役立つ、扱いやすいということなのだ。スーパーコンピューターも同じで、計算が速いだけでなく、「壊れても全面的には壊れない、すぐ自己修復する」という高信頼性が伴わなければ活用できないのだ。
このようなスパコンをアメリカでは製造できるのだろうか。メディアは「3位に転落」などと見出しで報じている。視点を変えれば、評価は一転する。
※写真は、スーパーコンピューター「京」を製造している富士通ITプロダクツ=石川県かほく市
⇒13日(火)朝・金沢の天気 はれ
その紙から、里山の問題を考えさせるセミナーが昨日(10月31日)、金沢大学角間キャンパスであった。企画したのは香坂玲准教授。講師は、中越パルプ工業の西村修・企画営業部長。同社は、竹紙(たけがみ)を生産している。竹の伐採や運搬、原料チップの加工など、竹は木材に比べ効率が悪く、コスト面で不利とされてきたが、あえてそれに挑んだ。地域の住民や、チップ工場などの協力を得ながら集荷体制を築き、竹パルプ10%配合の製品を開発。さらに工場設備を増強し、2009年は国産竹100%の紙を販売。封筒やはし袋、コップといったほかに、パンフレットやカレンダー、名刺やノートなど使用用途を広げるために工夫をこらしてきた。現在、年間で2万㌧(67万本相当)の竹を使う。日本の竹のみを原料とする紙を「マスプロ製品」として生産する唯一の会社といってよい。
新聞社のウエッブニュースを検索すると、盛んに取り上げられている。被告は、イタリアを代表する国立地球物理学火山学研究所の所長(当時)や、記者会見で事実上の「安全宣言」をした政府防災局の副長官(同)で、マグニチュード6.3の地震が発生する直前の「高リスク検討会」に出席した7人。求刑の禁錮4年を上回る重い判決で、執行猶予はついていない。被告側は控訴するという。
キノコ狩りのマニアは、クマとの遭遇を嫌って加賀地方の山々を敬遠する。そこで、クマの出没情報が少ない能登地方の山々へとキノコ狩りの人々の流れが変わってきている。本来、能登地方の人々にとっては迷惑な話なのだが。
ドイツで9月25日から28日にかけて、東部のブランデンブルグ州やザクセン州計5州の学校や幼稚園で園児や小学生1万1千人以上が給食の食材からノロウィルスに感染し、下痢や吐き気などの症状を訴え32人が入院する過去最大規模の食中毒事件が起きた。ドイツ政府がロベルト・コッホ研究所などに委託した調査で、給食に使われた中国産の冷凍イチゴからノロウィルスが検出された。
人口1300人ほどの村が一丸となって取り組んだ美しい村づくりとはこんなふうだった。クリ、カシ、ブナなどを利用した「緑のフェンス」(生け垣)が家々にある=写真=。高いもので8mほどにもなる。コンクリートや高層住宅はなく、切妻屋根の伝統的な家屋がほどよい距離を置いて並ぶ。村長のギュンター・シャイドさんが語った。昔は周辺の村でも風除けの生け垣があったが、戦後、人工のフェンスなどに取り替わった。ところが、アイシャーシャイドの村人は先祖から受け継いだその生け垣を律儀に守った。そして、人工フェンスにした家には説得を重ね、苗木を無料で配布して生け垣にしてもらった。景観保全の取り組みは生け垣だけでなく、一度アスファルト舗装にした道路を剥がして、石畳にする工事を進めていた。こうした地道な村ぐるみの運動が実って、見事グランプリに輝いたのだった。
最近読んだ『なぜイタリアの村は美しく元気なのか~市民のスロー志向に応えた農村の選択~』(宗田好史著・学芸出版社)にかかれている状況は、現在の日本のそれと同じだ。イタリアの農業生産はGDPの2.3%、農家は全世帯の3.8%に減った(2009年)。日本は、GDPに占める農業の割合は0.9%だが、農家の全世帯に占める割合は4.5%だ。ただし、農家一戸当たりの耕作面積は日本1.6㌶、イタリア7.9㌶と比較にならないほどイタリアの農家は土地持ちだ。土地面積は少なくとも農業人口の比率はイタリアより多いのでうまく農業経営をやっているとのだと思ってしまうが、日本の場合は農業補助金が現在でも5.5兆円あるので、補助金でなんとか農業人口を支えていると表現した方が良さそうだ。
日本と中国は明治以降、日清戦争、日中戦争と戦火を交えた。戦後、中国共産党が政権を奪取して、毛沢東が中華人民共和国の成立を宣言した。しかし、日本はアメリカとともに、共産党との内戦で台湾に渡った中華民国の蒋介石政権を中国の代表とした。当時の国際情勢は、アメリカなど欧米や日本などの資本主義陣営と、ソ連や東欧、中国などの共産主義陣営に分かれて対立していた。しかし1960年代に入ると、同じ共産主義陣営のソ連と中国の対立が鮮明になり、中国の方がソ連に対抗するために、アメリカや日本との関係改善を望んでいた。米ソ対立を有利に進めたいアメリカは1971年7月、ニクソン大統領が中国訪問を「電撃発表」し、翌1972年2月にニクソン大統領の訪中が実現した。この間、71年10月に中華人民共和国が国際連合に加盟し、台湾から代表権が移った。
「日本製品ボイコット」を叫びながら日系スーパーをことごとく襲い商品を略奪する。「反日無罪」を叫びながら日本の自動車メーカーの車を焼き、日系ディーラーの建物を破壊する。日本料理店を襲う。テレビで見る中国の反日デモは単なる暴徒にしか見えない。おそらく常識ある中国の人々は恥じているに違いない。