★観光の危機管理
石川では金沢のほか、能登を巡った。雨宮古墳(中能登町)、巌門(志賀町)、総持寺(輪島市)、塩田村(珠洲市)、能登ワイン(穴水町)、のとじま水族館(七尾市)など見学した。巌門では、貝の土産品店で地元で採れた貝をブローチなど工芸品や、輪島の海女が採ったアワビの殻を加工してさらに付加価値の高い装飾品など見入った。そのほか、観光施設の展
示方法やツーリズムの組み立て方、エコツーリズム(生物多様性など)のノウハウなどに質問し、熱心にカメラを向けていた。
その研修の仕上げとして、自国の観光政策として活かす「アクション・プラン」を組み立て、政策の概要、実施スケジュール、実施予算の見積もりまでを発表した。その間で、テーマとして上がったのか、「観光地の危機(リスク)管理」だった。チュニジアの観光省の事務局長はこう話した。同国には、世界遺産が多くあり、カルタゴ遺跡(1979年、文化遺産)やエル・ジェムの円形闘技場(1979年、文化遺産)、ケルクアンの古代カルタゴの町とその墓地遺跡(1985年、文化遺産)、イシュケル国立公園(1980年、自然遺産)はその代表例だ。しかし、2011年ごろから続く民衆を狙ったテロ、とくに今年に入ってから2度もテロ事件が起き、かつてヨーロッパなどから年間700万人もあった観光入り込みが半減している。これによって、観光に携わっていた3000人が職を失った。
チュニジア政府はテロに対する危機管理政策、プラン、広報など緻密な政策を実施している。が、悩ましいのはテロは、政府を不利にするための国際世論を狙って、観光客をターゲットとする場合がある。実際、ことし3月、武装集団が首都チュニスのバルドー博物館で銃を乱射、日本人3人を含む外国人観光客ら21人が死亡している。観光客を守るための「観光警察」など配置すれば、今度はそこが狙わるという。本来ならば、大統領が「安全宣言」を行い、世界にアピールしたいところだが、それがかえってテロの標的とされる。なんとも危機的で、悩ましい事態なのだ。それでも観光を再興させたいと知恵をひねる担当者。この発表を聞いて、コメンテーターとして同席した私は言葉が出なかった。
世界に誇る自然遺産がありながらも、アクセスなどの観光政策が伴わず焦っている国もある。ジンバブエの観光担当者の悔しさをにじませていた。世界一の瀑布はジンバブエとザンビアの国境にあるビクトリアの滝だ。滝幅は1700㍍、落差108㍍の威容を誇り、南米のイグアス、北米のナイアガラと並ぶ世界三大瀑布の一つに数えられる。ところが、ここを訪れるのは年間100万人、規模が劣るナイアガラは桁違いの1200万人だ。アクション・プランでは「2016年に200万人、2020年には500万人に観光客を増やしたい」と5倍計画を打ち上げた。国をあげての観光情報の発信をしていきたいと意欲を見せた。
私がアドバイスしたのは。国際的な海外メディアを使うこと。たとえば、イギリスの公共放送BBCは世界の地域おこしを紹介する「ワールド・チャレンジ」コンテストを実施している。このファイナル10チームに残ると、地域を紹介する番組が繰り返し流れ、投票が呼びかけられる。PR効果は抜群だ。日本でも、2011年に能登半島の「春蘭の里」がファイナルに残り、今やここで宿泊する1割がいわゆるインバウンドの客だ。
予算が確保できない国、テロに見舞われる国、政変が起きやすい国、いろいろな事情がそれぞれの国にある。ただ、それを理由にせず前向きに、観光と向き合う世界の人々と接することができたことが何よりの収穫だった。(※写真は、10月30日の能登ツアーで輪島・千枚田を訪れたときのショット。千枚田は大規模な土砂崩れ現場であり、今もリスク管理の一環として、ここを通る国道249号の地盤は発砲スチロールを使用し、道路の重さを軽減する工夫がなされている)
⇒3日(祝)朝・金沢の天気 はれときどき雨
その能登半島の先端、珠洲(すず)市で金沢大学の研究チームによる、自動運転(オートドライブ)が実証実験プロジェクトが進んでいる。実証実験は今年2月に開始され、障害物や信号などを把握するセンサーやカメラなどを取り付けたトヨタ「プリウス」を使用して自動運転し、対向車や歩行者の複雑な動きも予測できるようデータを積み上げている。2020年をめどに高齢者の移動手段としての実用化を目指している。
和紙をイメージするのだが、画像変化カードは意外だった。女将の名前は小田真弓さん、その小田さんが日経新聞出版社から本を出した。『加賀屋 笑顔で気働き~女将が育んだ「おもてなし」の神髄~』
ホールで行われた。その中に10件の中に、金沢大学が能登半島の珠洲市などと取り組んでいる、能登里山里海マイスター育成プログラムなどの大学連携(あるいは域学連携)のプログラムが残り、珠洲市の泉谷満寿裕市長と金沢大学の中村浩二特任教授が最終のプレゼンテーションに登壇した=写真=。
てきたので、つい調子に乗って、ラッパの口にご祝儀(1000円)を入れた次第。
り続けているテント村を訪ねた。「座り込み4175日」とある。東京から来たという女子学生3人がテント村の人たちと話し込んでいた。「私たちはこのきれいな海を戦場にしたくない。新基地がどれだけ県民の心の負担になるか察してほしい」とテント村のスタッフが訴えていた。
踪からのすべての者の保護に関する国際条約」(強制失踪防止条約)では、日本政府とこれまで、日本人拉致問題を念頭に「国境を越えた拉致」を条約案に盛り込むよう働きかけて、採択されている。こうした条約の中に、知事が訴える「基地は人権問題」という概念を落とし込む条約は見当たらないのではないか。見当たらないとしても、沖縄タイムスが記事にしているように、人権理事会の円形会議場には「同じように助けを求めに来ている人がたくさんいた」ということだ。
を挟んだ向こう側には基地反対派のテントが張られて大音響で入れ替わり、立ち代わりアジテートの演説が行われている。タクシーでその前を走行すると、「辺野古新基地NO!」などのプラカードが車から見えるように道路側に差し出されるのである。正面で陣取っていた人がいた。「辺野古埋立阻止」のプラカードを持って、椅子に腰かけている。基地と歩道の境界線である黄色い線を超えないように、公道ギリギリのところでアピールしている=写真=。
ている、という。地元と反対派は一体化していないようだ。
ラムサール条約登録の湿地「名蔵アンパル」を見学できるというので、隣接する「石垣やいま村」というテーマパークに立ち寄った。八重山の古い民家も移築して保存されている。沖縄の民謡を三線(さんしん)で生演奏している家などあり、にぎやかな雰囲気だった。入口から東に向かって、途中、カンムリワシのケージを横目で見て、さらに坂を下りていく。ウッドデッキがあってマングローブの群生林に入っていく。
22日付の朝刊をホテルで読むと、琉球新報と沖縄タイムスの一面の見出しが躍っていた。琉球新報「新基地は『人権侵害』 知事、国連で演説 辺野古阻止 国際世論へ訴え」、沖縄タイムス「反辺野古 国連で訴え 知事、人権理で声明」と。沖縄県の翁長知事が21日午後(日本時間22日未明)、スイスの国連欧州本部で開かれている国連人権理出席し、「沖縄の人々は自己決定権や人権をないがしろにされている」と述べ、アメリカ軍普天間飛行場の県内移設反対を訴えたという記事だ。両紙ともジュネーブに同行の記者を送っていて、署名記事だ。チカラが入っている。
石垣島の第一印象は、紺碧の空と海、そして赤土のサトウキビ畑だ。そして、東シナ海に面し、国境離島と称されるくらいに中国と接している。きょう(21日)は、とくに当てがあったわけでもないが、島を半周するつもりでレンタカーを走らせた。
した。この蜂起を知ったアメリカのイギリスの海軍が3回にわたり島に来て、砲撃を加え、武装兵が上陸して捜索を行った。クーリーたちは山中に逃げ込んだが、逮捕、銃撃された。自殺者や病没者も続出した。
り、地元の新聞紙を買った。安保法の成立を沖縄の地元紙はどう伝えているのか。
