☆稲刈りシーズン 千枚田に新たな歴史の1ページ 田んぼアートに小学生の想い
能登の田んぼも稲刈りが最盛期だ。きのう(7日)輪島の白米千枚田を訪れると、ことし耕された120枚の田んぼでほぼ稲刈りが終わっていた=写真・上、7日撮影=。本来ならば1004枚の田んぼは地元の千枚田愛耕会や棚田のオーナー制度の会員、ボランティアによって耕作されるが、元日の能登半島地震でひび割れなどが起きて、ことしはなんとか120枚を耕すことできた。
震災後、自身が千枚田にたどり着くことができたのは3月4日だった。リアス式海岸沿いにある千枚田、その海岸沿いを走る国道249号が海底の隆起や土砂崩れでズタズラになった。いまでも一部は通行止となっている。千枚田は土砂崩れなどはなかったが、田んぼのいたるところで亀裂が走っていた=
写真・中、3月4日撮影=。大きなもので幅10数㌢、深さ50㌢ほどの地割れが数㍍続いていた。田んぼは水はりをするので、この地割れでことしの水耕は無理だと素人ながら考えてしまった。一方で、千枚田を運営管理する公益財団法人「白米千枚田景勝保存協議会」では稲作を続けようと、クラウドファンディングで寄付を募っていた。「修復には大量の土砂や杭が必要であり、また、人力での修復となりますので、人を動かすお金も必要です」と。
行政を交えた景勝保存協議会とすれば、千枚田は2001年に文化庁の「国指定文化財名勝」に指定され、2011年に国連世界食糧農業機関(FAO)から認定された世界農業遺産「能登の里山里海」のシンボル的な存在だ。是が非でも耕作を続けたいとの意思があったのだろう。それが奏功して、愛耕会や棚田のオーナーの協力を得て、なんとか120枚の耕作にこぎつけた。稲刈りを終えた田んぼを見て、千枚田に新たな歴史の1ページが刻まれたような思いがした。
輪島市に住む知人から、「輪島市の町野に面白い田んぼがある」とメールをもらっていたので、千枚田を後にして見に行った。田んぼに「生きる」という文字や、ハートを抱きしめた人の姿が描かれていた=写真・下、7日撮影=。通りかかった地元の人に尋ねると、小学生が描いた「田んぼアート」という。ハートの赤は古代米の赤米、文字や絵の線の緑は同じく古代米の緑米で、黄色い部分はコシヒカリとの説明をいただいた。子どもちを指導したのは地元のベテランの農家の方とのことだった。
能登半島地震では家屋の下敷きになるなど227人(※県が9月3日に229人から修正)が直接被害で亡くなっている。田んぼアートに描かれた「生きる」というメッセージは、子どもたちが「みなさん、亡くなった人たちの分も頑張って生きましょう」との想いを込めたのだろうか。
⇒8日(日)夜・金沢の天気 はれ
道の普及費用など。ただ、集落の共同墓地のみが対象で、宗教法人や市町などの公共団体などが運営する墓地、個人管理の墓石などは対象にならない。
その千枚田で稲刈りが始まったのはきのう(3日)だった。台風10号の影響で31日の稲刈りを延期、今月1日に台風から熱帯低気圧になったものの、能登地方では2日にかけて雨が降っため、稲刈りが遅れていた。地元メディアによると、作業を行ったのは棚田のオーナー制度で田んぼを借りて耕している会員や愛耕会のメンバーら20人。稲刈り機は田んぼに入らないので、鎌で一株ずつ刈り取り、ワラで結んではざ掛けした。稲は「能登ひかり」という早生品種。
する際に住民票を移すことになる。一時的な現象かもしれないが、能登からの転出者が増え、人口流出につながっている。一時的と言うのも、みなし仮設の人たちが能登で住宅を再建して2年以内に故郷に戻れば転入増になるのだが。
この共同声明を読むと、まさに地殻変動を重ねて出来たジオパークについて地形や地質の保存・活用に関する知見を有する自治体の「使命」というものを感じる。「地震で得た多くの教訓を風化させず、防災意識の向上に生かす」と強調。地震の発生要因や被害の実態を国内外へ発信することで連帯感をにじませている。また、能登地震で4㍍隆起した海岸が続いており、石川県ではジオパークに登録申請するために調整を行っている。被災地の復興と合わせてジオパーク登録へと動き出すチャンスではないだろうか。(※写真は、海底が隆起した輪島市門前町の漁港=3月4日撮影)
を余儀なくされている(8月27日時点)。そんな中で被災地の人々にとって、心の安らぎの一つが入浴だったろうと思う。同市では3ヵ所で陸上自衛隊が入浴支援を続けていた。
このブログで何度か取り上げている能登半島地震で亡くなった人たちの「直接死」と「関連死」について。関連死かどうか判断する石川県と被災自治体による6回目の合同審査会(医師・弁護士5人で構成)が今月26日に開かれ、輪島市や珠洲市など5市町の21人を新たに認定するよう答申することを決めた。答申を受けた各市町の首長が正式に認定する。県内の関連死はこれで131人となり、家屋の下敷きになるなどして亡くなった直接死229人と合せて、震災の犠牲者は360人となる。(※写真は、能登半島地震の被災地と金沢の病院を往復する救急車=1月5日撮影)。
それにしても、気が気でないのは能登半島地震の被災地の人たちではないだろうか。地盤沈下が起きた能登町宇出津港の周辺では、満潮を迎えると海面と道路の高さがほぼ同じになる状態が続いている=写真・上、7月9日撮影=。これに台風10号による高潮が発生したらどうなると地域の人たちは不安を抱えていることだろう。
石川県教委の調査(2月13日時点)によると、公立学校(小中高など)344校のうち、292校が地震で被害を受けた。全体の85%に相当する。地元メディア各社の報道によると、輪島市に隣接する穴水町の穴水小学校は柱が破損するなど、文科省による被災度区分判定で「半壊相当」の被害となった。このため、小学校の校庭に軽量鉄筋造り2階建ての仮設校舎の建設が進められていた。授業は直線距離で700㍍ほど離れた中学校に間借りするカタチで行われていた。
稲刈りとしてはちょっと早いのではないかと。そうか、台風10号の接近で収獲を前倒ししているに違いないとようやく気がついた。
えている。10㌔袋で3480円(同)だった。それが、1100円、3割も高くなっている。
公費解体加速化プランによると、その加速化の中心となるのが「自費解体」だ。これまでメインで進めてきたのは「公費解体」だったが、自費解体との両輪で進めることで全体の作業のピッチを上げる。自費解体は全半壊の家屋を所有者が事前に自治体に届け出を行い、独自で解体作業を行う。かかった経費(解体費、運搬費、処分費)は各市町の算定基準で後日、償還される。(※写真は、輪島市の家屋解体現場=今月24日撮影)