#クリスマス

★目の当たりの『戦』この一年 ~その2~

★目の当たりの『戦』この一年 ~その2~

   もう39年も前、大島渚監督の映画『戦場のメリークリスマス』を観た。太平洋戦争をテーマにしているのに、戦闘シーンがまったくない、日本軍の俘虜(ふりょ)収容所を舞台にした映画だった。いま、この映画のタイトルを思い出したのは、BBCニュースWeb版(今月25日付)のニュース。ロシアによるウクライナ侵攻に対して、ゼレンスキー大統領が国民に呼びかけたクリスマスメッセージだった=写真=。

   ~ウクライナ反転攻勢 『戦』場のメリークリスマス~

「”We will celebrate our holidays! As always. We will smile and be happy. As always. The difference is one. We will not wait for a miracle. After all, we create it ourselves.”(意訳:このクリスマス行事をいつものように祝おう! 微笑んで幸せをかみしめよう。いつものように。ふだんとの違いはひとつ。私たちは奇跡を待たない。というのも、奇跡は自分でつくるものだからだ)」

   ウクライナではロシアと同じ1月7日をクリスマスとしてきたが、ロシアによる侵攻への反発から、ウクライナ正教会は12月25日のクリスマス礼拝にシフトした(26日付・NHKニュースWeb版)。ゼレンスキー氏は「 “We endured at the beginning of the war. We endured attacks, threats, nuclear blackmail, terror, missile strikes. Let’s endure this winter because we know what we are fighting for.(意訳:戦争が始まって、私たちは耐え抜いた。攻撃や脅しや核の脅迫、テロ、ミサイル攻撃を耐え抜いた。今またこの冬も耐え抜こう。私たちは、自分が何のために戦っているか分かっているのだから)」と呼びかけた(25日付・BBCニュースWeb版)。じつに力強いメッセージだ。

   300日余り経過したウクライナ侵攻の戦況はどうか。ウクライナ軍は、ロシアに支配された領土の奪還を目指して反転攻勢を続けていて、このうちロシア軍がことし7月に全域の掌握を宣言した、東部ルハンシク州では、要衝クレミンナの奪還に向けて攻勢を強めている(29日付・NHKニュースWeb版)。

   戦況はまだ見通せないが、仮にウクライナが白旗を掲げても、ロシアが勝利したと言えるだろうか。「偽旗」を掲げて一気にウクライナの領土に踏み込んだことを世界の多くの人々が認識している。これを国際世論は許すだろうか。ロシアは「ならず者国家」に転落したことは間違いない。

⇒29日(木)午前・金沢の天気     くもり時々あめ   

★静かなる年末年始(2)「高くつくXmasプレゼント」

★静かなる年末年始(2)「高くつくXmasプレゼント」

          12月25日は「クリスマス」というイメ-ジが日本だけでなく世界で定着していて、いまや宗派を超えてキリストの生誕日の祝いの日なのだと思っていた。ところが、きょう届いたメールマガジンを読んでいて、「12月25日はキリストの誕生を祝う日であって、誕生日ではありません」(月刊ニューメディア)と。新約聖書では、キリストの生まれた日を特定しておらず、「Christmas」はChristがキリスト、masはミサ(礼拝)のこと。世界のキリスト教国ではキリストの降誕を祝う日で、ミサで静かに迎えるのが本来だそうだ。

   これはクリスマスのプレゼントなのだろうか。BBCニュースWeb版(12月24日付)=写真・上=によると、アメリカのトランプ大統領は23日、元選対本部長のポール・マナフォート受刑者ら側近29人に恩赦や刑の減免を与えた。前日にはイラクで民間人十数人を殺害し有罪となった軍事請負業者にも恩赦を与え、国連などから批判されている。 トランプ氏はマナフォート受刑者(資金洗浄罪などで有罪)のほか、すでに禁錮刑の執行を免除した盟友ロジャー・ストーン元被告(連邦議会への偽証罪で有罪)、娘婿ジャレド・クシュナー氏の父親など26人に対して、恩赦を与えた。そのほか、3人について刑の執行を免除した。刑の執行免除は有罪判決の取り消しを意味しない。    

   中国批判で知られる「蘋果日報(アップル・デイリー)」創業者の黎智英(ジミー・ライ)氏は今月2日に詐欺罪で逮捕・起訴され、11日には外国勢力と結託して国家の安全に危害を加えたとして香港国家安全維持法(国安法)に違反した罪で起訴され、裁判が始まっていた。香港の高裁は23日、黎氏が申請していた保釈を認めた。保釈金は1千万香港㌦、日本円で1億3000万円で、保釈中は自宅からの外出のほか、メディアの取材を受けたりSNSで発信したりすることが禁じられる(12月23日付・NHKニュースWeb版)。高額な保釈金、クリスマスプレゼントにしては高くついた。

   安倍前総理の後援会が「桜を見る会」前日に主催した夕食会の費用補填問題で、東京地検特捜部は24日、政治資金規正法違反(不記載)容疑などで告発された安倍氏を嫌疑不十分で不起訴処分とした=写真・下、25日付朝刊各紙=。一方、政治資金収支報告書に計約3022万円を記載しなかったとして、同法違反罪で後援会代表の公設第1秘書を略式起訴とし、一連の捜査を終結した(12月24日付・共同通信Web版)。安倍氏はきょう25日午後、衆院議院運営委員会の公開の場でいきさつを説明する。不起訴処分と国会での釈明の場、これは安倍氏にとって最高の「クリスマスプレゼント」ではないだろうか。

⇒25日(金)朝・金沢の天気    あめ