#カニ

☆「カニの宿」漁業6次化 北陸のトップランナーは

☆「カニの宿」漁業6次化 北陸のトップランナーは

   前回のブログで福井県民のカニへの愛着の話を書いた。すると、ブログを読んでくれた金沢の知人から、「愛着だけじゃない、カニビジネスも石川よりずっと進んでいる。漁業の6次化では北陸ではダントツだよ。6日付の日経を参考に」とメールが届いた。

   そこで日経をチェックする。「漁業『6次化」で価値創造」の大きな一面見出しで特集「データで読む 地域再生」が組まれていた。記事によると、消費者の「魚離れ」や資源減少などで漁業算出額が減少している中、1次産業の漁業者が「捕ったものを売る」から「売れるものを創る」へと転換し、いわゆる漁業の6次産業化を進める動きが進んでいるというのだ。北陸経済面にその6次化は「北信越    福井県1位」との見出しで詳細な内容が紹介されている。

   以下、本文からの引用。福井県は漁業者の6次化が19.9%と高い。そのベースは漁師が経営する民宿が県内に350件以上あることだ。これは県内の漁師の4人に1人が民宿を経営していることになる。「漁師の宿」ではカニやフグ、カワハギなどの魚料理を提供している。県行政はPRだけでなく、古くなった宿の補修なども支援している。北信越の漁業の6次化は福井に次いで石川12.2%、新潟11.1%、富山2.9%と続く(出所:農林水産省)。

   確かに、かつて福井の漁港近くを歩いたことがあるが。「カニの宿」の看板が目立つ。料理も「ゆで・焼き・刺し・鍋」といった様々な料理が味わえると看板が出ていた。漁業はしけなど天候などに左右されやすい。そこで、メインのカニなどを食材に民宿や直営食堂、加工品を手掛けることで、安定的な収入を得ることができる。こうしたサービス産業に進出することで、逆に消費者のニーズを捉えることができる。6次化の2番目は石川。能登半島の富来漁港では、漁師たちが経営する回転ずしが人気だ。

   「板子一枚、下は地獄」と言われるように、漁業は常に危険が伴う労働環境だ。そのため、日本でも慢性的な人手不足に陥っている。そのリスクを分散するために6次化への道を急いでいる。北陸では福井が「カニの宿」「漁師の宿」をフラッグに掲げてトップランナーを走る。越前ガニのブランドは強し。(※写真は「福井県観光連盟」ホームページより)

⇒9日(火)夜・金沢の天気     くもり時々あめ

☆カニの季節へ「Go To」

☆カニの季節へ「Go To」

   あと1ヵ月もすればカニの季節だ。毎年のことながら、そわそわする。11月6日午前0時で日本海側でズワイガニ漁が解禁される。香箱(こうばこ)ガニと呼ばれるメスは12月29日まで、オスは来年3月20日までの漁期だ。北陸人は、初日は高値がするので買い控え、1週間ほどして値が落ち着いてきたことから初物を味わう。この時季、スーパーマーケットの魚介類の売り場に行くと、同じ思いの人たちが大勢いて、茹でガニのコーナーをじっとのぞき込む人々の姿が一つの風物詩のようでもある。

   先日、東京に住む知人が、「山手線の駅で北陸のカニの解禁がポスターが貼られているよ」とメールで画像を送ってくれた。かなり凝ったデザインだ。「本当は、こっちか会いに行きたいくらい。」とチャッチコピーで、ズワイガニが北陸新幹線に乗っかっている図柄=写真・上=。新幹線に乗って北陸にカニを食べに来てね、という単純なデザインなのだが、カニを新幹線に乗せるという発想が面白い。逆にもう一つの図柄は、パソコンとカニを組み合わせた意外性もあるが、「このおいしさは、オインラインじゃ伝わらない。」のキャッチコピーがむしろ心に響く=写真・下=。

   これらのポスターはひょっとして、東京のカニ愛好家の心を揺さぶり、コロナ禍で冷え込んだ経済対策として、政府が打ち出している「Go To Travel」とマッチするかもしれない。旅行会社のサイトをのぞくと、1泊5万円近くのカニのフルコース付プランなどが続々と出ている。 何度か宿泊したことのがある能登半島の和倉温泉の旅館のサイトをチェックすると、カニのフルコース付で1泊2名で8万3600円(税込9万1960円)だが、「Go To クーポン35%+ポイント5%で3万2595円引、地域共通クーポン1万2000円分も使えてさらに安く」とキャンペーンをはっている。このプランは人気なのだろう、来年1月いっぱいまで予約でほぼ埋まっている。

   「カニには地酒が合う」と言われる。能登のズイワガニには能登の地酒がマリアージュ(料理と酒の相性)と自身も勝手に思い込んでいる。ぴっちりと締まったカニの身には少々辛口が、カニ味噌(内臓)には風味のある地酒がしっくりなじむ。至福の季節が待ち遠しい。

⇒5日(月)午前・金沢の天気    あめ時々くもり