#エコロジー

☆風呂敷の美学

☆風呂敷の美学

   これは風呂敷の美学ではないか、見た瞬間、感動した。先日、知り合いの方からウイスキーをいただいた。ボトルが花柄の風呂敷で包まれてなんとも優雅なのである=写真=。風呂敷は包んで運ぶ道具という単純な概念だったが、包み方、そして結び方によってこれだけ優美に見える。同時に風呂敷の姿にバリエーションというものを感じる。

   これまで個人的には風呂敷は日本の古い道具だと思っていた。さらに「大風呂敷を広げる」という言葉があり、現実に合わないような大げさなことを言ったり、計画したりする意味で使うため、言葉のイメージそのものがよくなかった。その一方的なイメージが間違っていたと気付かせてくれたコメントがあった。7月1日付のブログ「★『マイバッグ』と『マスク』の両立問題」をチェックしてくれた京都の大学教授からのコメントだった。以下引用させていただく。

   「私は15年以上前から風呂敷研究会のメンバーとなり、大学生を対象に風呂敷が日本の伝統文化であり、いかに便利かを教えてきました。昔のような使い方ではなくて、バッグにして使えばとてもおしゃれな風呂敷バッグになります。ナイロンの90㌢角の風呂敷なら折りたためば100㌘もなくてポケットに収まります。エコバッグに比べればとても軽くていつでも持ち運べますね。」

   このコメントで気づかされたのは、今月から始まったレジ袋の有料化は、プラスチックの利用を減らし、再利用可能な袋やバッグを使うという「エコロジー運動」でもある。とうことは、風呂敷は再利用可能な包みの最先端ではないだろうか、ということだ。それがさらに使いやすく、折り畳み式の風呂敷バッグへと進化しているという。   

   大学教授のコメントは続く。「私は愛用してますが、風呂敷バッグの作り方を説明した本は10冊程度でてますが、実際に使っている人を見たことは皆無に近いです。風呂敷は何100年も前から使われてきた日本の伝統文化だと思いますが、ほとんどの日本人は西洋文化であるバッグしか使いませんね。大変残念ですが、もっともっと使う方を増やしたいと頑張ってます!!」

   風呂敷そのものは道具のメインではなくあくまでもわき役である。包みと結びで姿を変えていろいろなシーンを演出する。そして、用済みになれば元の一枚の布に戻る。風呂敷の美学ではないだろうか。

⇒10日(金)夜・金沢の天気    あめ

★「マイバッグ」と「マスク」の両立問題

★「マイバッグ」と「マスク」の両立問題

   きょうからレジ袋の有料化が始まった。午前中、コンビニに入ろうとしてマイバックを忘れたことに気がついた。有料化のこの日に備え、コンビニ用の小さめのバックを用意していた。レジ袋を買い求めるか迷った。というのも、コンビニ弁当などを入れたレジ袋を持って職場に入れば、おそらく目線が注がれるだろう。「エコに関心がない人」と。マスクを着けずに職場に入ると感じる目線と同じではないだろうか。入ろうとしたコンビニの入り口に「プラスチック削減に向けて、マイバックのご利用をお願いします」と横断幕=写真=が掲げてあり、これにも気が引けて結局、何も買わず車に戻った。

   きのう(6月30日)ブログでレジ袋の有料化について書いた。メディア各社がどのように取り上げているかチェックしていて、気づいたことが一つある。新聞メディアは「マイバック」と表現し、テレビメディアは「エコバック」と称している局が多い。持参しましょうとの意味を込めているのが「マイバック」で、エコロジーに役立ちますよと意義を強調しているのが「エコバッグ」、ということだろうか。で、このブログではどうするか迷ったが、日常言葉で使っている「マイバッグ」とすることにした。

   そのマイバッグと新型コロナウイルスの関係性がよくない。随分前から近くのスーパーではマイバッグを持参して買い物をしてきた。レジで精算するときにマイバッグを出すと、店員が商品をダイレクトにバッグに入れてくれた。この便利さもあり、マイバッグを持参していた。

   様相が変わったのは、4月16日に感染防止対策として緊急事態宣言が全国拡大し、「特定警戒県」に石川が指定されたころだ。この頃から、マイバッグに買ったものを店員が入れてくれなくなった。「ご自身で入れてください」と。マイバッグは使い回すのでウイルス感染リスクが高く、店員は触れない、というわけだ。

   けさのNHKニュースで、アメリカやヨーロッパでレジ袋を無料で提供する動きが広がっていると伝えていた。アメリカ・カリフォルニア州は2016年、全米で最も早く小売店などでのプラスチック製レジ袋の無料提供を禁止し、再利用可能な袋や紙袋を10セント(日本円で10円余り)で販売する有料化の法律を導入した。ところが、客が持ち込むマイバッグで店員が感染するおそれが高まるなどとして、ことし4月、レジ袋などを無料とした。また、サンフランシスコでは客が再利用できるバッグやマグカップなどを店に持ち込むことそのものを禁じる行政命令を出した(7月1日付・NHKニュースWeb版)。

   レジ袋、つまりプラスチックの利用を減らすべきだという考えが日本でも根づき、法律上でも施行が始まったタイミングだけに、「マイバッグ先進国」欧米での逆行するトレンドには違和感がある。店員がマイバッグに触れなければよいだけのことで、コロナ感染をそこまで優先させるのは、神経質になりすぎではないか、と。ただ、マスク(ウィズコロナ)とマイバック(エコロジー)をどう両立させるか知恵出しする絶好の事例ではある。

⇒1日(水)正午・金沢の天気    くもり