☆能登地震の復興さなか UFO伝説の街・羽咋市で激突、市長選へ
能登半島の人口が急減している。石川県総務部統計情報室はきのう(2日)、8月1日時点での県内の人口推計を発表。それによると、元日の能登半島地震で被害が大きかった半島北部の6市町(七尾市、輪島市、珠洲市、志賀町、穴水町、能登町)の人口は1月1日時点から5266人減少し、11万4384人となった。減少数は前年同期比で2.5倍にも上る。出生者数が死者数を下回る「自然減」とともに、転出者が転入者を上回る「社会減」が加速している。(※数字は、3日付の地元新聞メディアの記事を引用)
社会減が加速している背景には、「みなし仮設住宅」(賃貸型応急住宅)という制度があるからかもしれない。自治体が仮設住宅の代わりに、民間のアパートや一戸建て住宅を借り上げて、全半壊などで住宅に住めなくなった被災者に提供する。家賃は国と県が負担する。入居期間は2年以内。元日の震災で、県内では4300戸のみなし仮設住宅を用意された。金沢市は能登地方にアクセスしやすいということもあり、みなし仮設住宅の希望が多いとされる。金沢のみなし仮設住宅に入居し、職探しや子どもたちの転校手続きを
する際に住民票を移すことになる。一時的な現象かもしれないが、能登からの転出者が増え、人口流出につながっている。一時的と言うのも、みなし仮設の人たちが能登で住宅を再建して2年以内に故郷に戻れば転入増になるのだが。
話は変わる。能登で首長選が始まる。地元メディアによると、羽咋市長選に現職が再選を目指し立候補することを表明。同市長選にはすでに女性市議が出馬を表明しており、選挙戦は確実となった。選挙の争点は何だろうか。能登半島地震で同市では589棟が全半壊、一部損壊は3137棟の被害が出た。460棟で公費解体の申請があり、完了したのは69棟(8月19日時点)だ。現職は「未来につながる復興は私に課せられた責務」と訴え、女性市議は災害公営住宅の建設場所の選択制や住民提案型のまちづくりなど被災者に寄り添った市政運営を訴えている。まさに復興のさなか、今月29日告示、10月6日投開票となる。(※写真は、羽咋市役所の外観=8月17日撮影)
知る人ぞ知る話だが、羽咋はUFO伝説で知られる。同市に伝わる昔話の中に「そうちぼん伝説」がある。そうちぼんとは仏具の一つで、楽器のシンバルのような形をしている。伝説はそうちぼんが同市の北部にある眉丈山(びじょうざん)の中腹を夜に怪火を発して飛んでいたという話だ。この眉丈山の辺りには、「ナベが空から降ってきて人をさらう」神隠し伝説もある。さらに、同市の正覚院という寺の『気多古縁起』という巻物にも、神力自在に飛ぶ物体が描かれているそうだ。UFOという歴史文化遺産を有する世界でも珍しい地域でもある。
⇒3日(火)夜・金沢の天気 はれ
震度7を記録した能登半島の西端の志賀町香能(かのう)地区は小高い山の中にある=写真・上=。周囲にはレストランや牧場もあり、民家も点在している。外見を見る限り、建物の倒壊や屋根のめくれなどの被害もなく、道路などでの地割れも見られなかった。むしろ、香能から5㌔ほど離れ、震度6弱の揺れに見舞われた富来領家(とぎりょうけ)地区の方が被害は甚大と感じた=写真・中=。海沿いの平地で家並みが続く。両地点のこの違いは地盤の固さによるものなのか。富来領家地区のすぐそばには富来川が流れていて、地盤が柔らかかったことが被害拡大の要因なのだろうか。
その富来領家地区では、仮設住宅の建設が進んでいた=写真・下=。いわゆる「トレーラーハウス」で、説明書を見ると、高さ4㍍、幅11㍍、奥行き3.4㍍、広さ37平方㍍の1LDKだ。浴室やトイレのほか、キッチンやエアコンも備え付けられている。水道などが整えば、早ければ今月下旬ごろ入居が可能になるようだ。
り上げる「みなし仮設住宅」を3800戸、県内の公営住宅800戸、県外(富山、愛知両県や大阪府など)の公営住宅8000戸の計1万5600戸を3月末までに確保すると発表している。