★「ワクチン3回、3連休」観光で金沢はにぎわうが・・
新型コロナウイルスの感染対策として石川県内全域に適用さている「まん延防止等重点措置」はあす21日までで、ようやく「マンボウ」が解除される。ただ、感染者が減っているのかというとそうでもない。きのう19日の県内の新規感染者325人で、1週間の新規感染者は2430人と高止まりしている(19日付・石川県公式ホームページ)。今回3回目となったマンボウも長かった。1月27日から実に54日間だ。1回目は去年5月16日から29日間、2回目は8月2日から60日間だった。言葉は不謹慎かもしれないがすっかり「マンボウ慣れ」になった。
そのマンボウが最近は少し脳裏から遠ざかった感じが個人的にはする。それは、新聞・TVメディアやネットにはウクライナ侵攻に関する情報があふれているからだろう。しかも、ウクライナとロシアをめぐ情勢は刻一刻と変わっている。そのせいか、コロナ感染情報は少なくなり、日常生活でもほとんど話題に上らなくなった。
3連休の初日のきのう夕方5時半ごろ、金沢の繁華街・片町を車で通った。すると、おでん屋の前はどこも長蛇の列だった。金沢21世紀美術館=写真・上=や、「忍者寺」で知られる妙立寺=写真・下=などの観光名所もにぎわっていた。大学生の春休みも重なったせいかこのところ急に観光客が増えたという感じだ。うがった見方だが、16日に震度6強の地震あった東北では新幹線が一部区間で運休となっ
ていて、東北観光から北陸観光にシフトがあったのかもしれない。マンボウが全国的に解除され、金沢の春の観光シーズンも到来する。自身もワクチンは3回打ち、3連休なのであすはどこかドライブにでも、と。
しかし、やはり気になるのは、人々が動き、密集すれば再びコロナ感染も再拡大するということだ。感染力が強いオミクロン株が世界的に流行して1月にピークとなったものの、再び増加の傾向にあるとメディア各社が伝えている。
さらに、「デルタクロン」と呼ばれる新たな株による感染がアメリカ、フランス、デンマークなど欧米で確認されている。「デルタ株」と「オミクロン株」の両方の特徴を併せ持つ(3月16日付・朝日新聞Web版)。これが、日本にやってくると再び「コロナ恐怖心」が高ぶる。
それにしても3連休だと言うのに近所の子どもたちの遊び声が聞こえない。石川県では感染者のほぼ4人に1人が10歳未満の子どもたちというから、おそらく学校などでは、外で遊ばないように子どもたちに呼びかけているのだろう。そして、きのうから金沢市では5歳から11歳へのワクチンの集団接種が始まった。3週間空けて2回接種する。今月25日から小中学校では春休みが始まる。しばらくは「じっと我慢の子」だ。
⇒20日(日)夜・金沢の天気 くもり時々はれ
ただ、これまで2回のまん延防止等重点措置と異なるのは、対象地域はこれまで金沢市だったが、今回は県内全域を対象としている。というのも、県の発表によると、感染者数が今月21日は229人、22日は過去最多の263人、23日も226人と3日連続で200人以上、そしてきょう24日は193人だ。金沢市を中心に県内全域に感染が広がっていて、きょうだけで高齢者施設や保育園、幼稚園などで8つのクラスターが新たに発生している。
る、桃太郎がキジやサル、イヌたちにきび団子を与えて子分にして、のぼりを立てて鬼退治に向かうという絵本とよく似ている。選挙では、ここ金沢市内でもよく見かけるシーンだ。
この全国的な減速傾向はワクチン接種が進んでいるからだろう。総理官邸公式ホームページによると、きょう27日時点で2回目の接種を終えた人数は7249万人で人口の57%に達している。
先日26日のブログで取り上げた「ワクチンパスポート(予防接種証明書)」がきのう自宅に郵送で届いた=写真・上=。これを入国時に提示すると、隔離措置などが免除される。このパスポートが通用するのは現在、ドイツ、イタリア、オーストリア、ポーランド、香港など12の国・地域。外務省は相手国の確認を取り、範囲を広げている(外務省公式ホームページ)。パスポートの申請を思い立ったのは、ワクチンの2回接種を終えた知人たちと海外旅行に行こうかとオンランでやりとりをしたことがきっかけだった。それは、コロナ禍でのニューノーマル(新常態)に息苦しさを感じ始め、何かで突破したいとの単純な動機だったのかもしれない。
このワクチンパスポートを手にして、世界への移動の自由を確保したとの気持ちがあったが、それもつかの間、ニュースを見て、さらなる「コロナの障壁」を知ることになる。BBCニュースWeb版(30日付)は「Coronavirus: Israel to give third jab to people aged over 60」の見出し=写真・下=で、イスラエルでは8月1日から60歳以上の市民を対象に、ファイザー製のワクチンの3回目接種を開始すると伝えている。記事によると、時間が経つにつれて免疫力が低下することから、5ヵ月前に2回目の接種を受けた60歳以上の市民を対象に3回目の接種を順次行う。
まん延防止の措置は5月16日から今月13日まで適応されていて、期間中に夜の片町のスクランブル交差点を自家用車で通過したことがあるが、これまでのきらびやかなネオン街とは打って変わって、まるで「ゴーストタウン」のようだった。それに比べれば、人影がいくぶん戻ってきたという感じだった。タクシーの運転手は、「人の通りがあるだけましな方ですよ。勝負は今週の金曜の夜ですね」と業界の見方を話してくれた。
金沢市に住んでいて、ただただ待っているのがワクチン接種だ。同市のワクチン接種の予約受付は今月6日に始まったが、自身の予約はまだ取れていない。市のコールセンタ-とはようやく12日に電話が繋がった。ところが、ワクチン接種を行う市内201の医療機関はすでに申し込みが満杯の状態で、今月31日から再度、予約受付を開始するとの返事だった。この日、予約受付に使用しているアメリカの顧客管理システム「Salesforce」が一時ダウン、予約受付もストップするなど混乱が続いていた。