☆追加関税は「二兎を追う者は一兎をも得ず」か 万博に能登の「日本最古おにぎり」
アメリカのトランプ大統領が豪語する「関税の壁」は本当に、より強い経済を自国にもたらすのか。アメリカの消費者にアクセスしたい企業は国内に生産拠点を構えるか、高関税を払うかの二択を迫られる。そうなれば、前者は雇用を生み、後者は税収を生む。これが「AMERICA IS BACK」、アメリ
カを再び偉大にするための戦略なのだという。そもそも、自由貿易協定を結んでいるカナダやメキシコに高関税の圧力をかけたことで、アメリカの信頼そのものが損なわれたのではないか。28日のアメリカ株式市場で、ダウ工業株が前日比で715㌦安、ハイタク株のナスダックは481㌦安と下げている。アメリカの景気の先行きや物価高への懸念が広がっているのではないか。「二兎を追う者は一兎をも得ず」、そんなたとえが浮かんだ。(※写真・上は、ホワイトハウス公式サイトより)
話は変わる。4月13日に開幕する大阪・関西万博で、日本のコメ文化を発信する「日本最古のおにぎり」が展示されると、石川県の地元メディア各社が報じている(29日付)。1987年に能登半島の中ほどに位置する中能登町の杉谷チャノバタケ遺跡の竪穴式住居跡から、黒く炭化したおにぎりが発掘された。化石は約2000年前の弥生時代のものと推定されている。出土したおにぎりは「チマキ状炭化米塊」(ちまきじょうたんかまいかい)と呼ばれ、現在は石川県埋蔵文化財センターで保管されているが、そのレプリカが同町にあ
る複合施設「ふるさと創修館」で展示されていて、万博会場で展示されるのはそのレプリカとなる。(※写真・下は、出土したチマキ状炭化米塊=中能登町観光協会公式サイトより)
日本最古のおにぎりが出土したチャノバタケ遺跡の周辺は、能登における稲作文化の発祥の地でもある。邑知(おうち)地溝帯と呼ばれる穀倉地帯が広がる。地溝帯を見渡す眉丈山の山頂には国史跡の「雨の宮古墳群 」がある。北陸地方最大級の前方後方墳と前方後円墳で、4 世紀から5世紀(弥生後期)もののとされる。その古墳群のふもとには延喜式内の神社など古社あり、コメ作り文化の歴史を今に伝えている。その一つ、チャノバタケ遺跡近くにある鎌の宮諏訪神社では毎年8月27日に「鎌打ち神事」が営まれる。鎌で平野を開墾し、田んぼの害虫などが退散することを願った神事とされる。そして、コメの収穫に感謝する新嘗祭で神酒として「どぶろく」を造り続けている古社がこの地域では3社ある。
日本最古のおにぎりと同時に、日本酒のルーツでもあるどぶろくをコメ作り文化のシンボルとして二本立てで万博に展示してはどうだろうか。ユネスコ無形文化遺産に日本の伝統的な酒造りが登録され、その日本酒の原酒でもあるどぶろくの説明をすることは、とても意味がある。中能登町は「どぶろく特区」に登録されていて、どぶろくブランドをPRするチャンスかもしれない。
⇒29日(土)夜・金沢の天気 はれ
また、来賓あいさつで同町の宮下為幸町長は「どぶろく特区に登録されている市や町が集まって開催する『どぶろく全国大会』を来年度に誘致することがになり、日程は2026年1月16日に決まった」と明らかにした。この大会では全国から80銘柄のどぶろくが集まり飲み比べができることから、どぶろくファンが全国から集まるそうだ。じつは全国大会は2025年1月の開催が決まっていた。ところが、ことし元日に震度7の能登半島地震が発生したことから、いったん中止となった。そこで、改めて2026年1月での開催が決まったといういきさつがある。
受賞となった。満票で複数回MVPに選ばれるのは大リーグ史上初の快挙とのこと。
ぴっちり締まったカニの身を、とろりとしたどぶろくが包み込むように食感をひきたてる。一匹丸ごとなので、脚を関節近くで折り、身を吸って出す。その音はパキパキ、ズーズー、その食べる姿はまるでカニとの格闘だ。いよいよ本体に食らいつく。甲羅を外し、カニみそ(内臓)をいただく。能登で生まれた自身にとって子どものころ、カニはおやつ代わりだった。カニみその味は懐かしい味でもある。
友人が「食いたい」と言っている「かに面」は、カニの解禁と同時に、これも季節の味となる「金沢おでん」の逸品だ。香箱ガニの身と内子、外子などを一度甲羅から外して詰め直したものを蒸し上げておでんのだし汁で味付けするという、かなり手の込んだものだ。
店を営む農家がどぶろくを造っている。無農薬のコメを原料として使う生産者の話を聞きながら、どぶろくファンたちは飲み比べを行っていた。
「ペティアン・ナチュレ」と言うそうだ。フランスの発泡酒で、スパークリングとは違った微発泡のワインのこと。そこでさっそく、ペティアン・ナチュレをオ-ダーする=写真=。発酵途中でビン詰されるため、ぶどうジュースのような味わいで、泡も柔らかくて飲みやすい。見た目と味は違うものの、ワイン版どぶろくのような雰囲気だ。
例年、カニは地酒の辛口吟醸酒で味わう。今回はちょっと趣向を変えて、能登産の「どぶろく」で味わうことにした。能登半島の中ほどに位置する中能登町には、連綿とどぶろくを造り続けている神社が3社ある。五穀豊穣を祈願するに供えるお神酒で、お下がりとして氏子に振る舞われる。同町ではこの伝統を活かして2014年に「どぶろく特区」の認定を受け、いまでは農家レストランなど営む農業者が税務署の製造免許を得て醸造している。
