2026年 3月 16日の投稿一覧

☆万博大屋根リングを能登の尖端で災害公営住宅に再活用へ

☆万博大屋根リングを能登の尖端で災害公営住宅に再活用へ

庭先に春の訪れを告げるかのように、ヒメリュウキンカの黄色い花が咲き始めた。小ぶりの花は愛くるしいまなざしのようで目を引く=写真・上=。ヒメリュウキンカはヨーロッパが原産のいわゆる外来種だ。1950年代ごろに園芸用として国内に入り、花の少ないこの時節に金沢では茶花の一つとして重宝されている。英語名はセランダイン(celandine)で、ヨーロッパ製のファッションやバッグなどの花柄として用いられている。ブログでこのようなことを書くと、知り合いの植物学者からは、「外来種を床の間に生けるなんて、そんなのんきなことをやっているから在来種が駆逐されるんだ」と言われそうだが。

話は変わる。大阪・関西万博のシンボル「大屋根リング」で使われた木材が、能登半島の尖端に位置する珠洲市に持ち込まれ、能登半島地震の被災者が住む公営住宅の一部として再活用される。同市の公式サイトにその完成予想図が掲載されている。建設される場所は大陸に面した、外浦と呼ばれる海沿いの大谷地区。ここに木造長屋型住宅40戸の建設が計画されている。地元メディア各社の報道によると、大屋根リングの木材を活用するプロジェクトを提案したのは世界的な建築家で知られる坂茂(ばん・しげる)氏で、ことし1月26日に坂氏と木材の運搬などを支援する団体の関係者、そして珠洲市が連携協定を結んで、着工に向けて動き出している。

同市では、大屋根リングに使われていた木材の一部の約1500本(1200立方㍍)を博覧会協会から無償譲渡を受け、災害公営住宅の建設資材(柱や梁)として活用する。大屋根リングの木材は連携協定に基づき、木材加工販売会社(東京)が大阪から木材を運んで福井市の工場で保管。今年末から着工が始まり、随時現地に運び込まれる。

坂氏はこれまで珠洲市の仮設住宅の建設などにも携わり、また、大屋根リングの木材の活用を呼びかけてきた。連携協定の締結に当たって、坂氏は「住まわれる方、市の方に自慢になる、誇りになる、新しい歴史になるようなことを一緒にやっていきたい」と述べた(1月27日付・朝日新聞ニュースWeb版)。2028年1月ごろの完成を目指す。

大屋根リングは1周2㌔、高さ最大20㍍の世界最大の木造建築物としてギネス世界記録にも認定された。その万博のシンボルを再活用して、災害復興の公営住宅が創られる。そして建物には生活・暮らし、防災などに、建築家のさまざまなアイデアが凝らされるに違いない。この完成予想図を眺めると、能登の新たなレガシーの風景ではないかと、想像を膨らませてしまう。

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