2026年 2月 26日の投稿一覧

☆能登でトキ20羽デビューへ 3日から佐渡で野生化トレーニング

☆能登でトキ20羽デビューへ 3日から佐渡で野生化トレーニング

ことし5月31日に本州で初めて国の特別天然記念物トキの放鳥が能登で行われるのを前に、佐渡では能登に向かうトキの野生化に向けたトレーニングが始まる。環境省は24日付の公式サイトで概要を発表した。それによると、放鳥に向けた訓練は3月3日から佐渡トキ保護センターで始まる。訓練されるのは放鳥候補の1歳から13歳の20羽(雄12羽、雌8羽)。中には「いしかわ動物園」で生まれ佐渡に送られた3羽も含まれる。

野生順化に向けたトレーニングは野生の環境に近いケージ「野生復帰ステーション」内で3ヵ月間行われ、飼育下で育ったトキが自立して生存できるように、空を飛ぶ力や自らエサを取る力などを養う。その後、石川県に移送され、5月31日に能登半島の中ほどに位置する羽咋市の邑知潟(おうちがた)周辺で放たれる。邑知潟には毎年10月中旬から3月下旬にかけて、シベリアからコハクチョウなどが飛来し越冬することから、「白鳥の里」とも呼ばれている。(※写真・上は、2021年10月に佐渡で観察したトキ)

環境省が発表した「放鳥候補個体一覧」によると、8羽の雌はすべて1歳で繁殖の適齢期でもある。トキの繁殖時期は12月後半から半年ほどとされる。この後、2回目の放鳥が9月にも予定され、10羽が放される。うまく営巣の条件が整えば来春に能登生まれ繁殖が期待できるかもしれない。

石川県の馳知事は年頭記者(1月5日)の会見でトキの放鳥について、放鳥式を羽咋市の余喜グラウンドゴルフ場で実施し、皇族を招く予定で交渉中と述べた。こうして、放鳥に向けての段取りが具体化するにつれて、能登の人たちのテンションも高まっている。「本州で最後の一羽」と呼ばれた雄のトキが1970年に捕獲された奥能登の穴水町では、トキ復活を心待ちにする人たちが「能登トキファンクラブ」を設立し、餌場になる池を自分たちで掘って環境整備や生き物の生息調査を行っている。また、輪島市の白米千枚田でも無農薬栽培に切り替え、トキの餌となるドジョウやメダカなどが繁殖する田んぼづくりを始めている。(※写真・下は、放鳥が予定されている羽咋市の邑知潟と水田。左の山並はかつてトキが生息していた眉丈山)

かつて能登では、トキはドゥと呼ばれれていた。水田に植えた苗を踏み荒らす「害鳥」とされ、ドゥとは「ドゥ、ドゥと追っ払う」という意味だ。昭和30年代、地元の小学校の校長らがこれは国際保護鳥で、国の特別天然記念物のトキだと周囲に教え、仲間を募って保護活動を始めた。それでも能登ではトキは減っていった。時は流れ、いまは逆にトキが舞い降りる田んぼにしようと各地で工夫を凝らす動きが出ている。トキの放鳥は、トキと共に能登半島が元気になっていくチャンスなのかもしれない。そうなってほしいと期待する。

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