2026年 1月 の投稿一覧

★衆院選を決断したなら、この際、総理は土俵に上がってはどうか 

★衆院選を決断したなら、この際、総理は土俵に上がってはどうか 

高市総理は今月23日に召集する通常国会の冒頭に衆院を解散する意向を固めたようだ。19日に記者会見を行い詳細を表明する、とメディア各社が報じている。永田町界隈では先週末から総理が沈黙したまま解散風が吹き荒れていた。読売新聞の朝刊(10日付)の一面トップで、「首相、衆院解散検討 2月上中旬 投開票 23日通常国会冒頭に」の見出しで報じられたのがきっかけだった。自民党内にも事前の根回しがなく、きのう(14日)総理は自民と維新の与党幹部に初めて直接伝えた。まさに「独自の判断」、「孤独な決断」と言えるのかもしれない。

メディア各社の報道によると、総理と自維幹部との会談では、選挙日程は「1月27日公示ー2月8日投開票」を軸に調整している。そして、選挙で有権者に問うのは、▽自民と維新の連立合意の内容▽責任ある積極財政▽防衛力強化に向けた安全保障関連の文書改定ーなどのようだ。選挙の勝敗ラインは「与党で過半数」としているものの、自民と維新は基本的に選挙協力はしない、としている。

高市総理は強気な決断をする。ならば、この決断はどうなのだろうか。総理は、25日に千秋楽を迎える大相撲初場所の表彰式で、自ら土俵に上がって優勝力士に内閣総理大臣杯を授与する対応を見送る方針を固めた(メディア各社の報道)。土俵に女性が上がれない「女人禁制」の伝統文化を尊重すべきだと判断したようだ。歴代の総理は、東京・両国国技館で行われる初場所や夏場所を中心に事情が許せば、総理大臣杯を授与してきた。初の女性総理としての判断が注目されていた。(※写真は、日米首脳会談で署名した合意文書を掲げる高市総理とトランプ大統領=2025年10月28日付・総理官邸公式サイトより)

スポーツの世界で女人禁制はない。女子相撲もある。なぜ土俵に上がらないのか。総理就任後の去年11月の九州場所では、総理補佐官が外遊中の総理に代わり、安青錦に総理大臣杯を手渡している。郷土力士の横綱・大の里の初場所の賜杯を期待している。ぜひ、高市総理に賜杯を手渡してほしい。大相撲の新しい伝統文化を創ることになるのではないだろうか。

⇒15日(木)夜・金沢の天気  あめ

☆季節外れ真冬の黄砂 良いにつけ悪いにつけその影響は

☆季節外れ真冬の黄砂 良いにつけ悪いにつけその影響は

3連休明けのきのう(13日)は能登や金沢で強烈な風が吹いた。金沢では最大瞬間風速で27.0㍍を記録したと、地元メディア各社が報じている。なかでも能登半島の中ほどの位置する羽咋では31.0㍍と猛烈な風となり、羽咋市と隣接する中能登町の役場庁舎では屋根の銅板の一部が剝がれるなどの被害が出たようだ。そして季節外れの黄砂が風に乗ってやってくる。気象庁の「黄砂解析予測図」によると、あさって16日午前9時には北陸などがすっぽりと黄砂に覆われる=図=。

それにしても季節外れの黄砂は不気味だ。そもそも黄砂は3月から5月の偏西風に乗って大陸から飛来するので、この真冬に飛んで来ることはほとんどない。というのも、冬の大陸には凍てつく大地が広がり、砂が舞い上がることはないと言われてきたからだ。逆に考えると、これは憶測だが、気候変動で気温が上昇していて、モンゴル砂漠などは乾燥状態になっているのだろうか。とすると、真冬に黄砂、さらに春にかけて膨大な量の黄砂が日本に飛来するのではないか。黄砂そのものはアレルギー物質になりにくいとされているが、黄砂に付着した微生物や大気汚染物質がアレルギーの原因となり、鼻炎など引き起こすようだ。さらに、黄砂の粒子が鼻や口から体の奥の方まで入り、気管支喘息を起こす人もいる。

黄砂の厄介さは今に始まったことではない。北陸は偏西風に乗ってやって来る黄砂のルートにもなっていて、金沢では古(いにしえ)より黄砂を忌み嫌ってきた。江戸時代からの金沢の老舗料亭ではこんな歌が伝わる。七草粥をつくる際に、調理場の七つ道具で音を立てながら歌う。「ナンナン、七草、なずな、唐土の鳥が日本の土地に渡らぬ先にかち合せてボートボト」。旧暦正月6日の晩から7日の朝にかけて唐の国(中国)から海を渡って、悪い病気の種をまき散らす鳥が日本に飛んで来る、渡って来る前にやっつけて撃ち落とせ、という意味のようだ。 (※写真は、黄砂に覆われた金沢市内の中心部=2023年4月12日撮影)

昔から厄介もの扱いの黄砂だが、日本海に恵みをもたらすともいわれている。大量の黄砂が日本海に注ぐ3月と4月には、「ブルーミング」と呼ばれる、海の表面が白くなるほど植物プランクトンが大発生する現象が見られる。黄砂の成分とされるケイ酸が海水表面で溶出し、植物プランクトンの発生が促される。それを動物プランクトンが食べ、さらに魚が食べるという海の食物連鎖があるとの研究がある。確かに、地球規模からすれば、「小さな生け簀(す)」のような日本海になぜクジラやサメ、ブリ、サバ、フグ、イカ、カニなど魚介類が豊富に生息するのか、いろいろ要因もあるが、黄砂もその役割を担っているのかもしれない。

良いにつけ悪いにつけ、膨大な量の黄砂が飛来するとどのような現象がもたらされるのか。そして生活にどのような影響があるのか。たかが黄砂、されど黄砂、気になることではある。

⇒14日(水)午後・金沢の天気   あめあられ

★雪をすかすとスコップの先から海の環境問題が見えてくる

★雪をすかすとスコップの先から海の環境問題が見えてくる

けさ午前5時過ぎに能登半島の尖端、珠洲市で震度4の地震があった。震源をチェックすると、2024年元日の震度7、マグニチュード7.6の能登半島地震の震源と近い。まだ、能登地震は収まっていないのか。そしてけさから強風が吹いている。気象庁では、大気の状態が非常に不安定となる見込みで、北陸地方に落雷や突風、高波が発生する恐れががり、注意を呼びかけている。大雪の心配はないようだ。

このところ毎日のように「雪すかし」をしてきたが、やはり気にかかるのはマイクロプラスチックのことだ。かつて、スコップは鉄製が多かったが、軽量化とともにアルミ製に変化。さらに、最近はプラスチックなど樹脂製が主流だ。除雪する路面はコンクリートやアスファルトなので、そこをスコップですかすとプラスチック樹脂が摩耗する=写真・上=。微細な破片は側溝を通じて川に流れ、海に出て漂うことになる。

粉々に砕けたプラスチックは海を漂い、海中の有害物質を濃縮させる。とくに、油に溶けやすいPCB(ポリ塩化ビフェニール)などの有害物質を表面に吸着させる働きを持っているとされる。そのマイクロプラスチックを小魚が体内に取り込み、さらに小魚を食べる魚に有害物質が蓄積される。食物連鎖で最後に人が魚を獲って食べる。この不都合な真実の解決方法はただ一つ。一部には製品化されたものもあるが、スコップのさじ部分の尖端を金属にすることだろう。これを法令で措置すべきではないだろうか。使い捨てプラスチック製品を規制す法律はあるものの、スコップ先まで規制する細やかな規制はまだない。

海の環境問題をテーマにした作品を思い出す。2021年に能登半島先端の珠洲市で開催された「奥能登国際芸術祭2020+」で、インドの作家スボード・グプタ氏の作品「Think about me(私のこと考えて)」。大きなバケツがひっくり返され、海の漂着物がどっと捨てられるというイメージの作品だった=写真・下=。プラスチック製浮子(うき)や魚網などの漁具のほか、ポリタンク、プラスチック製容器など生活用品、自然災害で出たと思われる木材などさまざまな海洋ゴミだ。実際にグプタ氏が能登の海岸を歩き、この作品づくりを発想した。作品の漂着ごみのほとんどが実際にこの地域に流れ着いていたものを拾い集めた、とあった(ガイドブック)。

日本海の漂着ごみは大陸の沿岸からも流れてくる。ポリタンクのほか、医療系廃棄物の不法な海洋投棄もあり、まさに国際問題だ。「地中海の汚染防止条約」とも呼ばれるバルセロナ条約(1978年)があるように、日本海にも汚染防止条約が必要だ、とグプタ氏の作品を見て考えるようになった。「Think about me」と訴えかけてくる。

⇒13日(火)午前・金沢の天気    くもり時々あめ

☆強風のため伝統の「加賀鳶はしご登り」の妙技は披露されず

☆強風のため伝統の「加賀鳶はしご登り」の妙技は披露されず

日本海側に寒波が流れ込み、きのう北陸では非常に強い風となったた。能登半島の中ほどに位置する羽咋市では最大瞬間風速29.5㍍と、台風並みの強風が観測された(地元メディア各社の報道)。そして、3連休の中日、この強風でいろいろなイベントが中止になったようだ。報道によると、今月9日付のブログでも紹介した、金沢市中心部にあり寒紅梅が咲く尾山神社では風のため左義長が中止となった。この行事は正月飾りなどを市民が持ち寄り焚き上げる恒例の催しだが、強風で飛び火などが懸念されたことから中止となったようだ。

そして、金沢が誇る江戸時代からの伝統行事「加賀鳶(とび)はしご登り」の演技も風のため中止となった。金沢城公園で金沢市の消防出初め式が行われ、そのメイン行事の加賀鳶はしご登りが行われる時間帯には風速14㍍ほどの強い風が吹いていて、はしごを立てることも危険だと判断したようだ。加賀鳶はしご登りは、消防団員が高さ6㍍の竹はしごの上で伝統の妙技を繰り広げる=写真、「金沢市消防団」公式サイトより=。市民にとっては左義長と同じく正月の終わりを告げる恒例の行事でもある。

そもそも「加賀鳶」とは何なのか。金沢は加賀百万石の優雅な伝統と文化の雰囲気が漂う街と思われているが、一方で江戸時代から防災については厳しい街でもある。これはよく知られた一例だが、城下町独特の細い路地がある東山地区などでは、「火災のときは家財道具を持ち出すな」というルールが伝えられている。持ち出した家財道具が逃げ道をふさぐことにもなるからだ。そして、加賀鳶と呼ばれる集団は、金沢の自主防災組織を言う。もともと、加賀藩が江戸本郷の藩邸に出入りする鳶職人で編成した消防夫の集団が始まりで、大名火消し組織の中でも威勢の良さ、火消しの技術で名高かったとされる。明治維新後は加賀鳶の消防夫たちが江戸から金沢に移り住んだ。

ではなぜ、加賀鳶の消防夫たちは尊ばれたのか。金沢にはもともと火災が発生しやすい条件がある。気象庁の雷日数(雷を観測した日の合計)の平年値(1991~2020年)によると、全国で年間の雷日数がもっとも多いは金沢の45.1日だ。雷がとどろけば、落雷も発生する。1602年(慶長7)に金沢城の天守閣が落雷による火災で焼失している。石川県の消防防災年報によると、県内の落雷による火災発生件数は年4、5件だが、多い年(2002年)で12件も発生している。1月や2月の冬場に集中する。雷が人々の恐怖心を煽るのはその音だけではなく、落雷はどこに落ちるか予想がつかないという点だ。

前回のブログでも述べたが、「雷サージ」という現象も起きる。いわゆる雷の津波がパソコンの電源ケーブルを伝って機器内に侵入した場合、データなどが一瞬にして破壊される。なので、雷鳴がとどろくとすぐにPCの電源ケーブルを抜くことにしている。「カミナリ銀座」の金沢に住む者の心得の一つではある。

⇒12日(月・祝)午後・金沢の天気   くもり

★雷鳴とどろく大雪か しんしんと雪降る中で衆院選挙か

★雷鳴とどろく大雪か しんしんと雪降る中で衆院選挙か

昨夜から風が吹き荒れ、時折、雷鳴がとどろいている。金沢地方気象台によると、北陸地方では冬型の気圧配置が強まり上空には強い寒気が流れ込む見込みで大雪となるところがあるという。あす12日朝までの24時間に降る石川県の雪の量は多いところで平地で40㌢、山地で70㌢と予想されている。自身がとくに警戒するのは雷だ。雷が直接落ちなくても、近くで落ちた場合に「雷サージ」現象が広範囲に起きる。この雷の津波がパソコンの電源ケーブルを伝って機器内に侵入した場合、データなどが一瞬にして破壊される。なので、雷鳴がとどろくとすぐにPCの電源ケーブルを抜くことにしている。

きのう(10日)の読売新聞の朝刊の見出しには少々驚いた、「首相、衆院解散検討 2月上中旬 投開票 23日通常国会冒頭に」=写真=。高市総理が23日召集予定の通常国会の冒頭で衆院を解散する検討に入った、というのだ。その理由について、「首相は参院で少数与党が続いており、政策実現の推進力を得る必要があると判断したとみられる」とある。

記事によると、具体的な日程として、「1月27日公示ー2月8日投開票」「2月3日公示ー15日投開票」の案が出ているようだ。選挙で問うのは、「責任ある積極財政」を掲げる経済政策を争点に位置付ける、とのこと。確かに、読売新聞の内閣支持率をチェックすると、直近の調査(12月19-21日)は73%で前回11月調査の72%を上回り、10月の内閣発足以降最高を更新している。日経新聞の調査(12月19-21日)でも内閣支持率は75%と、発足直後の10月調査74%、11月調査75%と政権発足から高支持率を維持している。

内閣支持率が高いうちに総選挙を行い、自民党の議席を回復し、政権基盤を安定させるという狙いがあるのだろう。なにしろ、自民党は衆院会派の議席が199にとどまり、連立与党の日本維新の会と合わせて233議席となんとか過半数となる程度だ。参院では過半数を持たないので、厳しい国会運営を強いられている。

読売の解散記事を読んで思ったことは、国内情勢もさることながら、国際情勢について、有権者の信任を得ようとしているのではないか、と憶測した。11月7日の国会で台湾有事について問われた高市総理が 「戦艦を使って武力行使を伴うのであれば、存立危機事態になり得る」と答弁した件だ。中国側が反発して日本に威圧をかけ関係が冷え込んでいるものの、総理は発言を撤回してはいない。おそらく選挙で、「私は撤回しません。これでいいですね」と問いたいのだろう。選挙が予想される2月上・中旬、北陸はしんしんと雪が降る頃だ。

⇒11日(日)午前・金沢の天気   くもり

☆兼六園の魅力高める「未来への投資」 知事表明「まず県有地化を」

☆兼六園の魅力高める「未来への投資」 知事表明「まず県有地化を」

金沢の観光の中心である兼六園は国指定の特別名勝であり、「日本三名園」の一つとして知られる。あと二つは、水戸市にある偕楽園、そして岡山市にある後楽園だ。ちょっとした違いもある。入園料は兼六園と偕楽園は大人320円、そして後楽園は500円だ。三名園ながら、なぜ入園料が異なるのか。じつは、兼六園と偕楽園は国(財務省)が所有していて、石川県と茨城県が無償で借り受け管理している。後楽園は岡山県が所有・管理している。なので、入園料の設定となると後楽園は自由度が高く、兼六園と偕楽園は国に理解を求めることが優先されるので自由度は高くない。

石川県の馳知事は年頭の記者会見(今月5日)で「兼六園の県有地化構想」を打ち上げた、と地元メディア各社が報じている。兼六園は1874年に明治政府から公園として認可され一般に公開されているが、いまも国の所有となっている。国は入園料などの収入で維持管理の費用を上回る利益をあげてはならないと規制している。このため、入園料収入で維持管理はできるが、それ以上のたとえば震災対応などの整備などはできない状態となっている。(※写真は、雪吊りが施された兼六園の名木・唐崎松など=2022年11月・撮影)

会見で馳知事は、インバウンド観光による来園者が増えるなかで、維持管理だけではなく、より魅力を高める必要があるとの想いを述べた。「わが国の本物の庭園がここにありと胸を張って石川県民が言えるような未来への投資をして整備を行っていく必要があるのではないか、という認識であります」。今後、有識者などによる協議会を設置して議論を進める。また、将来、県有地となった場合の入園料について、県民と観光客とで金額が異なる二重価格の設定も検討する方針を示した(メディア各社の報道)。

兼六園はミシュラン仏語ガイド『ボワイヤジェ・プラティック・ジャポン』(2007)で「三つ星」の最高ランクを得てから、インバウンド観光客が多く訪れるようになった。そして、イギリスBBCは先月12日(日本時間)に発表した「The 20 best places to travel in 2026」(2026年に訪れたい旅行先ベスト20)に、「Ishikawa, Japan」を選んでいる。2025年の来園者は日本人を含め257万7177人、うちインバウンド観光客は60万2209人で全体の2割を超えている。しかし、来園者対応の多言語化などは兼六園では進んでいないのが現状だ。

馳知事が述べたように、兼六園に「未来への投資」、つまりどう付加価値をつけてさらに魅力ある名園とするのか、インバウンド観光客の増加はある意味で大きなチャンスでもある。そのためにも県の所有とすることで兼六園の未来プランを描いて対応したい、そんな想いを込めているのだろう。

⇒10日(土)午前・金沢の天気   はれ

★冬に咲く寒紅梅の彩り トランプ流「ドンロー主義」の赤ネクタイ

★冬に咲く寒紅梅の彩り トランプ流「ドンロー主義」の赤ネクタイ

冬に咲く梅の花のことを「寒紅梅」と呼ぶ。金沢の中心街にある尾山神社の寒紅梅はとくに早咲きで=写真・上、8日午後4時ごろ撮影=、参拝がてら多くの人々が観賞に訪れている。寒冷前線が活発なこのころ、小さな花をさりげなく咲かせる寒紅梅を眺めると心が安らぐ。

もう14年も前の話だが、寒紅梅を見て俳句を詠んだことがある。「蔵人の 麹揉む手や 庭の梅」(2012年1月句会)。造り酒屋を訪ねると、ムッとする麹室(こうじむろ)の室温は43度を指していた。蔵人(くらんど)=酒蔵の職人=が床で蒸し米を揉みほぐし、種麹が入った缶を持った手を高く上げて、揉み床に沿って移動しながら缶を振り、麹の胞子(種)をまいていく。根気の入る仕事だ。麹室から出て、酒蔵の庭を見ると寒紅梅が咲き始めていて、麹を揉む蔵人のほてった赤い手と同じ色だと思った。

話は変わる。アメリカのトランプ大統領の疑心暗鬼は特に外交分野などに及んでいて、国連に対して警戒感を募らせている。国際機関の有効性や費用、説明責任について繰り返し疑問を呈していた。「アメリカの利益にかなっていない」と。その第一弾が就任早々の去年2月にWHO(世界保健機関)から脱退すると表明し、大統領令に署名した。発効は1年後なので、まもなく1月22日に脱退する。その後も、国連への資金提供を削減し、国連人権理事会へのアメリカの関与を停止、UNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)への資金提供を停止、ユネスコ(国連教育科学文化機関)からも脱退した。(※写真・下は、トランプ大統領による国連機関の脱退を伝えるBBCニュースWeb版)

さらにトランプ氏はきょう(8日・日本時間)、アメリカの国益に反するとして、31の国連機関と35の非国連組織からの脱退や資金拠出を停止するよう各省庁に指示する大統領覚書に署名した。UNFCCC(国連気候変動枠組条約)やUN Women(ジェンダー平等と女性のエンパワーメントに取り組む国連女性機関)、UNFPA(家族計画と母子保健に焦点を当てた国連人口基金)、UNU(国連大学)などだ。トランプ氏は2025年9月の国連総会での演説で、国連が紛争解決で機能していないと批判していた。これは、あえて世界に介入しないトランプ流のモンロー主義(通称「ドンロー主義」)なのか。

イギリスのBBC(8日付)は「Trump withdraws US from key climate treaty and dozens of other groups」の見出しの記事で=写真・下=、ある意味でアメリカの国内問題でもあると指摘している。「アメリカ合衆国憲法では、大統領は『出席した上院議員の3分の2が同意』した場合に国際条約に加盟できると定めているが、脱退する場合については明記していない。そのため、今回の動きは法的な異議に直面する可能性がある」(日本語版)。意訳すれば、脱退するのは簡単かもしれないが、政権が代わって加盟を求めるとなると、これはこれで大変。アメリカの大きな国内問題になるかもしれない、と解釈した。

⇒9日(金)午前・金沢の天気  ゆき

☆トキ放鳥は6月に続き9月も 能登各地で「トキよ来い」と取り組み

☆トキ放鳥は6月に続き9月も 能登各地で「トキよ来い」と取り組み

今月4日付のブログ「国の特別天然記念物トキ 能登での放鳥まであと6ヵ月」の続き。石川県の馳知事は先日5日の年頭記者会見で能登で実施される国の特別天然記念物トキの放鳥について、予定している6月に加え、9月にも実施することを明らかにした。環境省の決定を受け、馳知事が報告した。9月の放鳥場所はまだ未定のようだ。地元メディア各社が報じている。

能登での1回目の放鳥は6月上旬ごろに羽咋市南潟地区(邑知潟周辺)で実施される。知事の説明によると放鳥式を同市の余喜グラウンドゴルフ場で実施しする。皇族を招く予定で交渉中のようだ。放鳥を予定しているトキは佐渡市で順化訓練を受けた個体で、15羽から20羽を予定している。9月に放鳥予定のトキは5羽から10羽で、場所や方法については、国や専門家からの助言を受け、県や能登の市町、JAなど関係団体でつくる「能登地域トキ放鳥受入推進協議会」で決めていくようだ。(※写真は、輪島市三井町洲衛の空を舞うトキ=1957年、岩田秀男氏撮影)

トキの放鳥をめぐって地域の人たちのいろいろな取り組みが動き出している。奥能登に位置する穴水町は、「本州で最後の一羽」と呼ばれたオスの「能里(のり)」が1970年に捕獲された場所だ。穴水町では、トキ復活を心待ちにする人たちが「能登トキファンクラブ」を設立し、エサ場になる池を自分たちで掘って環境整備や生き物の生息調査を行っている。

輪島の白米千枚田でも新たな取り組みが始まっている。棚田を耕す愛耕会では、去年から農法を除草剤などの農薬を使わない無農薬栽培に切り替えた。6月にトキが放鳥されることを意識した取り組みで、トキのエサとなるドジョウやメダカなどが繁殖する田んぼづくりくりに転換した。除草剤などの農薬を使わないとなると草取りなどに手間ひまがかかるのは言うまでもない。コメの収穫量も減るだろう。それでもトキが訪れる棚田にしたいという想いが募っているようだ。コメの収穫量が減ることになったとしても、千枚田の無農薬米が市場に出回れば、「千枚田のトキ米」として一気にブランド化するのではないだろうか。

本州最後の野生のトキが棲息していた能登では、トキはドゥと呼ばれれていた。水田に植えた苗を踏み荒らす「害鳥」とされ、ドゥとは「ドゥ、ドゥと追っ払う」という意味である。昭和30年代、地元の小学校の校長らがこれは国際保護鳥で、国指定の特別天然記念物のトキだと周囲に教え、仲間を募って保護活動を始めた。それでも能登ではトキは減っていった。時代は流れ、いまは逆にトキが舞い降りる田んぼにしようと各地で工夫を凝らす動きが出ている。トキの放鳥は、トキと共に能登半島が元気になっていくスタート地点なのかも知れない。

⇒8日(木)午前・金沢の天気   あめ

★「二重災害」能登の人口13%減、自治体職員も1割減るという現実

★「二重災害」能登の人口13%減、自治体職員も1割減るという現実

きのう(6日)午前10時18分、鳥取県と島根県で最大震度5強の地震があった。震源地は島根県東部で震源の深さは11㌔、マグニチュード6.4だった。気象庁の記者会見によると、同地域での震度5強の地震は、2000年10月の揺れ(M7.3)以来となる。今回、特徴的だったのは、建物の高層階を大きく揺らす「長周期地震動」の階級4が鳥取県西部で観測されたこと。階級4は最も強い揺れの位置付けで、「はわないと動くことができない」とされる。

ネットなどでは南海トラフ巨大地震の前兆ではないかとの書き込みが飛び交っている。過去には鳥取地震が1943年9月にあり、翌1944年12月に東南海地震が、1945年1月に三河地震、1946年12月に南海地震と、1年ごとに連続した。当時は「終戦前後の4大地震」と呼ばれていた。気象庁はきのうの記者会見で「今後1週間程度は、震度5強の地震が発生する可能性がある。とくに今後2、3日はさらに強い地震が起きる可能性もある」と注意を呼びかけていた。

話を能登半島地震のその後に替える。2024年元旦の震災以降、人口減少が止まらない。石川県の統計情報室が今月5日に発表した12日1日時点の県内の人口と世帯の推計結果によると、地震と9月の記録的な大雨に見舞われた奥能登4市町(輪島、珠洲、穴水、能登)では人口が7503人減って4万7710人となり、13%減少した。自治体でチェックすると、震源地となった半島尖端の珠洲市では震災当日の1月1日は1万1721人だったが、1年11ヵ月後の12月1日時点で9640人となり、減少率は17.8%となった。最大震度7が観測され、豪雨では48時間で498㍉が降った輪島市は2万1903人から1万8535人に減り、15.4%の減少率となった。(※写真は、輪島市の被災地に掲げられていた鯉のぼり。復興への願いを込めた旗印のようにも思えた=2024年5月4日撮影)

さらに深刻なのは自治体職員の退職かもしれない。日経新聞の調査報道(12月5日付)によると、地震や豪雨で大きな被害が出た輪島、珠洲、能登町の3市町の去年11月1日時点の職員数(行政職や公立病院の看護師など)は、震災当日と比べて1割(計138人)減ったことが分かった。二重被災による業務負担の増加などが背景にあるとみられる。これを裏付けするような調査もある。

自治労石川県本部が去年10月3日に発表した、輪島と珠洲両市など5市町の職員を対象に実施したメンタルヘルス(心の健康)に関するアンケート調査(回答523人)では、71・8%が「仕事を辞めたいと思ったことがある」との回答だった。退職を考えた理由(複数回答)は「業務量の増加」が51・8%と最多で、「身体的・精神的不調」「今の生活への不安」が続いた。また、精神的な不調があると答えた人は43・1%に上った。記者会見した自治労の委員長は「二重被災で職場環境が悪化しており、人員を増やすなど対策が必要」と述べた。暗くて悲しくなる数字を並べた。ただ、これは現実だ。

⇒7日(水)午後・金沢の天気   あめ

☆ベネズエラ攻撃の翌日、北朝鮮が日本海に向け極超音速ミサイル

☆ベネズエラ攻撃の翌日、北朝鮮が日本海に向け極超音速ミサイル

正月から世の中がざわざわしている。アメリカのトランプ大統領は3日、南米ベネズエラの首都カラカスを空爆し、マドゥロ大統領夫妻を拘束した。トランプ氏はマドゥロ氏を「麻薬カルテルのボス」と呼び、アメリカへの麻薬密輸を阻止するという名目で去年9月からベネズエラ近海での船舶を攻撃を繰り返してきた。また、原油埋蔵量世界一のベネズエラを含む中南米では、アメリカが中国やロシアと勢力圏を争っている。地域の地政学リスクを高め、原油市場にも影響を及ぼす可能性が出てきた(メディア各社の報道)。

トランプ氏によるベネズエラ攻撃の翌日(4日)、北朝鮮は弾道ミサイルの発射した。防衛省公式サイトによると、北朝鮮は午前7時54分ごろと8時5分ごろの2回発射した。北朝鮮西岸付近から、東方向に向けて発射した。落下したのは日本海のEEZ(排他的経済水域)外と推定されている。弾道ミサイルは変則軌道で飛翔した可能性がある。1発目も2発目も最高高度約50㌔で、それぞれ約900㌔、約950㌔飛翔した。(※写真・上は、2022年1月12日付・朝鮮新報で掲載された北朝鮮の極超音速ミサイル)

北朝鮮が弾道ミサイルを発射するのは2025年11月7日以来。北朝鮮の国営「朝鮮中央テレビ」は金総書記の立ち会いのもと、「極超音速ミサイル」の発射訓練を実施したと5日伝えた。訓練は、任務の遂行能力の検証や確認などのためとしていて、首都ピョンヤンから発射されたミサイルは、1000㌔先の日本海上の目標に命中したとしている。金氏は「ミサイル兵たちはわが国の核武力の準備態勢を遺憾なく示した」と評価した(5日付・NHKニュース)。今回、北朝鮮は韓国の李大統領が中国を訪問するタイミングで発射した。韓国側は、朝鮮半島の平和について中国と議論したいと表明している。北朝鮮側の狙いは何なのだろうか。(※図は、防衛省が4日に発表した極超音速ミサイルの落下推定場所)

日本海側に住む者にとって、北朝鮮が日本海に向ける弾道ミサイルに不穏さに感じる。2023年6月15日、北朝鮮はEEZ内に撃ち込み、能登半島の尖端の輪島市の舳倉(へぐら)島の北北西およそ250㌔に落下させている。2017年3月6日、北朝鮮は「スカッドER」とされる中距離弾道ミサイル弾道を4発を発射し、そのうちの1発を輪島市から北200㌔㍍の海上に落下させている。同市にある高洲山(567㍍)の山頂には航空自衛隊輪島分屯基地のレーダーサイトがある。このレーダーサイトには航空警戒管制レーダーが配備され、日本海上空に侵入してくる航空機や弾道ミサイルを24時間監視している。北朝鮮はこれを意識しているのか。

⇒6日(火)午前・金沢の天気   くもり時々ゆき