2025年 11月 の投稿一覧

★漫画家の永井豪氏に「秋の叙勲」 ふるさと能登復興への想い

★漫画家の永井豪氏に「秋の叙勲」 ふるさと能登復興への想い

きょう3日付で秋の叙勲受章者が発表された。芸術文化の分野で漫画家の永井豪氏に旭日小綬章が贈られることなり、新聞メディア各社が報じている。永井氏は能登半島の輪島市出身で、朝市通りにあった「永井豪記念館」の名誉館長をつとめていた。このブログで何度か永井氏と能登の関わりを述べているので、受賞のお祝いの気持ちを込めてまとめてみる。以下再録。

今から43年前に自身は新聞記者として輪島支局に赴いた。当時の永井豪氏の作品のイメージは、『ハレンチ学園』などギャグ漫画や、『デビルマン』などテレビアニメ作品だった。地元の人たちは永井氏が輪島出身ということを知ってはいたが、当時それを土地の自慢話として語る人はほとんどいなかった。むしろ、ローマオリンピックなどで銀メダルを獲得した競泳の山中毅選手の話はよく聞いた。

その後、地元での評価が一転したのは日本のアニメが海外で大ブームとなり、永井氏の『UFOロボ グレンダイザー』などがヨーロッパで人気を博したことだった。こうなると地元輪島でも世界の漫画家として評価が高まった。輪島市役所は2009年に「永井豪記念館」の設置へと動いた。永井氏は2019年、フランス政府から芸術文化勲章「シュバリエ(騎士)」が贈られた。これがきっかけで永井氏のアニメ作品は地元の美術館などでも展示されるようになった。永井豪記念館へは、インバウンド観光の見学者が増えるなど、観光スポットの一つにもなっていた。

その記念館は去年元日の能登半島地震で朝市通り一帯が焼けて、ビルも焼け焦げた=写真、2024年3月10日撮影=。展示してあったアニメ原画や一部のフィギュアなどの展示物などは無事だった。その後、ビルは公費解体で撤去された。永井氏と所属プロダククションは輪島市と石川県にそれぞれ1000万円、計2000万円の義援金を贈っている。永井氏は「漫画はつらいときこそ、力になって希望を満たすことができる。漫画を描くことで『前に進もう』というメッセージを伝えたい」と語っていた(2024年1月25日付・読売新聞オンライン)。

去年5月29日、永井氏は石川県の観光大使の委嘱を受けた。「復興支援も続けていきたい」と述べ、永井豪記念館の再開にも意欲を示した(同6月1日付・同)。ことし6月にも輪島市役所を訪れ、ロボットアニメの金字塔でもある『マジンガーZ』の作品を寄贈している。この際、行政とタッグを組んで永井豪記念館の再建を具体化してはどうか。能登復興の先進事例になるのではないだろうか。

⇒3日(月・祝)金沢の天気   くもり時々あめ

☆季節の変わり目に体を労わる一杯「薬膳ラーメン」のこと

☆季節の変わり目に体を労わる一杯「薬膳ラーメン」のこと

年齢を重ねると妙に「薬膳」という言葉が気になる。地元新聞の企業商品の紹介記事で「薬膳ラーメン」とあったので、昼食にちょうどいいかと思い、ラ-メンチェーン店に行ってきた。「8番らーめん」。地元石川県発祥のチェーン店で、ある意味でソウルフードとして地元では親しまれている。もともと石川県加賀市の国道8号線沿いで創業したラーメン店で、屋号は「国道8号」にちなんだネーミングといわれる。自身がこのチェーン店に初めて入ったのは55年も前のことで、長らく親しんできた味ではある。。

店に入り、タブレットで注文したのが「野菜辣醤麺(ラージャンメン)。税込990円。10月31日から1ヵ月ほどの期間限定。商品説明を読んでいると、「季節の変わり目に体を労わる一杯」と、なかなか味のあるキャッチコピーだ。とは言え、試験販売のようなもので売れ筋になりそうならば一般メニューに追加して並ぶのだろう、などと思いながら待っていると、野菜辣醤麺が運ばれてきた=写真=。テーブルに置かれる。ごま油やシナモンの香りが漂ってきた。まるで、「薬膳ラ-メンですよ、お待たせ」と語りかけてくるような。

さっそくすすってみる。野菜の旨味に、辛さ・しびれ・ほのかな酸味や、華やかな香りなどとても複雑な風味だ。まるで味のオーケストラのような。そして、体が内側から温まって来る。ネギや生姜などの香辛野菜のほか、唐辛子や山椒、コリアンダー、ヒハツなど薬膳効果がある食材が11種も入っているので、それぞれが楽器を奏でるように体内に伝ってくる。最後に、奥深い辛さの中にも、すっきりとした香りのアクセントを味わいながらラーメン汁をすする。楽しみが増えたような充実感だった。

これまで「8番らーめん」での定番は冬場の酸辣湯麺(サンラータンメン)だった。二日酔いに効くので以前から重宝している。独自のラー油「紅油」はゴマ油と赤唐辛子をベースに桂皮(シナモン)、陳皮(ミカンの皮)、山椒が加えてあり、額にうっすらと汗がにじんでくる。この瞬間から爽快感が出てきて、二日酔いが和らいでくる。それに比べ、野菜辣醤麺はシニアの老体を励ますコンセプトを感じる。1ヵ月限定とは言わずに、定番メニューに加えてほしい。付き合いの長いラーメンなので、勝手解釈を述べた。

⇒2日(日)夜・金沢の天気   あめ

★きょうから11月、冬の訪れ前に兼六園で「雪吊り」始まる

★きょうから11月、冬の訪れ前に兼六園で「雪吊り」始まる

きょうから11月。金沢に住んでいて、そろそろ冬の準備をしましょうと告げるのが兼六園の「雪吊り」ではないだろうか。毎年11月1日から雪吊りが始まり、唐崎松(からさきのまつ)などの名木に施される=写真、2022年11月撮影=。木の横にモウソウ竹の芯(しん)柱を立て、柱の先頭から縄をたらして枝を吊る。唐崎松には5本の支柱がたてられ、800本もの縄が吊るされる。まるで天を突くような円錐状の雪吊りはアートのようにも見える。

なぜ雪吊りを施すのか。金沢の雪はさらさら感のあるパウダースノーではなく、湿っていて重い。庭木に雪が積もると「雪圧」「雪倒」「雪折れ」「雪曲」といった雪害が起きる。そこで、金沢の庭師は樹木の姿を見て、「雪吊り」「雪棚」「雪囲い」といった雪害対策の判断をする。唐崎松に施されるのは「りんご吊り」という作業で、このほかにも「幹吊り」(樹木の幹から枝に縄を張る)や「竹又吊り」(竹を立てて縄を張る)、「しぼり」(低木の枝を全て上に集め、縄で結ぶ)など樹木の形状に応じてさまざまな雪吊りの形式がある。

毎年の光景だが、雪吊り作業の様子をインバウンド観光の人たちが珍しそうに眺め、盛んにカメラを向けている。とても珍しい光景なのだろう。兼六園はミシュラン仏語ガイド『ボワイヤジェ・プラティック・ジャポン』(2007)で「三つ星」の最高ランクを得てから、インバウンド観光客が多く訪れるようになった。名木を守り、庭園の価値を高める作業ではある。兼六園では12月中旬ごろまで、800ヵ所で雪吊りが施される。

季節の話題をもう一つ。今月6日には北陸の冬の味覚の主役、ズワイガニ漁が解禁となる。石川県内の店頭ではオスの「加能(かのう)ガニ」、メスの「香箱(こうばこ)ガニ」が並ぶ。ズワイガニはご当地独自の呼びかたがあって、山陰地方では「松葉ガニ」、福井県では「越前ガニ」、そして石川県では「加能ガニ」と呼んでいる。ちなみに、加能とは、加賀と能登のこと。

「初物七十五日」という言葉がある。旬の時期に出回り始めた初物を食べると寿命が「七十五日」延びるという意味。 四季に恵まれた日本ならではの季節感で、それほど旬の食材を大切にしてきたということだろう。この11月は兼六園の雪吊りに始まり、ズワイガニ漁の解禁と続き、季節感が漂う。

⇒1日(土)夜・金沢の天気  あめ