2025年 10月 21日の投稿一覧

★大ナタ振るう日本版「鉄の女」に期待 金沢の棒振り獅子舞が復活

★大ナタ振るう日本版「鉄の女」に期待 金沢の棒振り獅子舞が復活

自民党の高市早苗総裁はきょう、衆参両院の本会議での総理大臣指名選挙で第104代の総理に選出された。内閣制度が創設された1885年から憲政史上初の女性総理となる。NHKの中継番組で選出の様子=写真・上=を視聴していたが、まさに日本の政治の「ガラスの天井」を突き破った、そんなイメージが胸の中を走った。

メディア各社の報道によると、高市氏は神戸大を卒業し、松下政経塾に入ったのが政界入りへのきっかけとなった。「一国の安定発展のためには、国家経営の理念をもつということが何にもまして大切」。恩師の松下幸之助の言葉を胸に1987年にアメリカに渡り、民主党議員の事務所で勤務。帰国して1992年の参院選に挑戦するも落選、翌93年の衆院選で当選し政界入りを果たした。高市氏が目標としている政治家の一人が「鉄の女」と呼ばれたイギリス初の女性首相のマーガレット・サッチャー。国有企業の民営化を推し進め、イギリス経済を活性化させた人物だ。国会議員の定数削減などに大ナタを振るう日本版「鉄の女」に期待したい。

話は変わる。明治時代の中ごろに途絶えていた町内の獅子舞が復活し、先日(今月19日)お披露目があった。場所は金沢市泉が丘1丁目にある地黄八幡神社の参道。ヤーッ、ヤーッと威勢のよい掛け声で棒振り役が獅子を退治する「獅子殺し」の演目を舞っていた=写真・下=。棒振り役を演じていたのは小学4年の男子児童と聞いて少々驚いた。復活に向けて練習を重ねてきただけあって、勇壮な舞いは見事だった。

町内の世話役の説明によると、ことし7月に獅子舞保存会を設立し、お披露目に向けて練習を積んできた。棒振り役が獅子を退治する獅子舞の演技は「半兵衛流」と称され、泉が丘1丁目の旧町名である「地黄煎(じおうせん)町」が発祥の地とされる。半兵衛流の演舞は石川県内に広く伝播している。お膝元で獅子舞が百数十年の眠りから覚めたようだ。

自身の住まいでもある、かつての地黄煎町は漢字の読みの通り、江戸時代から薬草の栽培・加工で知られた地域だった。薬草の地黄を煎じて飴薬に加工して薬屋に卸していた。地黄を圧搾して汁を絞り出し、湯の上で半減するまで煎じ詰める。滓(かす)を絞り去り、さらに水分を蒸発させ堅飴のようにして仕上げる。堅く固まるのでノミで削って食べたと親たちから聞いたことがある。滋養強壮や夏バテに効果があったようだ。ただ、高度成長とともに栽培畑の宅地化が進み、58年前には町名変更となった。地黄八幡神社の社名が当時の地域の生業(なりわい)をしのばせる。獅子舞の復活がこうした地域の歴史を学ぶきっかけになればと願うばかり。

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