2025年 9月 13日の投稿一覧

☆能登半島の尖端に日本最大の祭りキリコと義経伝説

☆能登半島の尖端に日本最大の祭りキリコと義経伝説

金沢地方気象台はきのう輪島市に出していた大雨警報をきょう午前5時すぎに解除した。ところが、午後6時30分に再び大雨警報を出した。あす14日にかけて大気の状態が非常に不安定となる見込みで、1時間に50㍉の非常に激しい雨が降るおそれがある。まさに目まぐるしく天候が変わる。繰り返される激しい雨に輪島市民は警戒しているだろう。去年9月、輪島市を中心に48時間で498㍉という「記録的な大雨」が降り、土砂崩れによる家屋倒壊などで17人が亡くなっている(関連死1人含む)。あれから1年だ。

輪島市と隣接する珠洲市は能登半島の尖端に位置する。同市三崎町の寺家地区では毎年9月の第2土曜日に、神輿とともに4つの集落がキリコを出して商売繁盛や子孫繁栄を祈る「寺家キリコ祭り」が開催される。きょうその祭りを見学に行ってきた。

社(やしろ)の須須(すず)神社で4基のキリコが並び、実に壮観な光景だった=写真=。寺家のキリコは「日本最大のキリコ」で知られる。高さ16.5㍍、重さは4㌧、屋根の大きさは畳12分もある。大きさに加え、黒漆塗りで金箔と彫物で装飾された豪華さが目立つ。夜通し町内を巡行する。去年は能登半島地震や津波の影響で巡行は見送られたので、2年ぶりとなる。大きさのほかに目立つのは担ぎ手。地元で「ドテラ」と呼ばれる派手な衣装を身に着け、独特の雰囲気を醸し出している。もともと女性の和服用の襦袢(じゅばん)を祭りのときに粋に羽織ったのがルーツとされ、花鳥風月の柄が入っている。

ヤッサーヤッサーと掛け声で息を合せてキリコが海岸沿いの道路をゆっくりと練る。何しろ高さ16㍍のキリコは5階建てのビルに匹敵する高さだ。ふと見ると地域の人が海に向かって手を合せていた。話を聴くと、須須神社はイルカを祭神の使いとして祀る。同神社前の海にイルカが現れると地元では「三崎詣(まり)り」と呼んで、その姿に合掌する習わしがあるそうだ。

また、この神社は国指定重要文化財の「木造男神像」や、この地を訪れた源義経が海難を免れたお礼にと奉納した「蝉折の笛」や「弁慶の守刀」が収められていることで知られる由緒ある社だ。キリコのスケール感と、能登の尖端に秘められた伝説に圧倒された想いだった。

⇒13日(土)夜・金沢の天気   あめ