☆能登・祭りの輪~豪華キリコが輪島の街中練る、復興へ掛け声響く~

前回ブログの続き。能登半島地震の被災地を巡る日帰りバスツアー「能登半島地震を風化させないために(減災企画)」で輪島市の中心部を巡ると、輪島大祭が行われていた。市内の重蔵神社、奥津比咩神社、住吉神社、輪島前神社の4社で23日から25日まで連続して営まれる夏祭りが総称して「輪島大祭」と呼ばれている。

初日の23日は重蔵神社、奥津比咩神社の祭り。重蔵神社は中心部の河井町にあり、17本のキリコが出る。バスで訪れたのは午後4時過ぎだったが、市内を朱色のキリコが練り歩いていた=写真・上=。能登のキリコは白木が多いが、輪島のキリコは朱塗りされたものや、黒漆のものが多い。さらに、輪島塗蒔絵や金箔で飾りつけられたものが豪華さを引き立たせる=写真・下=。かついて聞いた話だが、地区がそれぞれ豪華さやきらびやかさを競ってキリコを造るため、1本2000万円くらいはするそうだ。

この日は輪島は35度ほどの暑だったが、威勢いい掛け声が街中に響き、猛暑を吹き飛ばす熱気だった。そして、面白い光景がその祭りの一服の様子。ビルの木陰で老若男女が笑いながら楽しく会話が弾んでいた=写真・下=。能登半島地震で金沢などに避難している人やほかの都市で就職した人たちが祭りの日に帰って来て、年に一度の祭りを楽しむ。お酒が入った勢いがあるのかもしれない。この後、また張り切ってキリコを担いで市内を練る。能登では、「1年365日は祭りの日のためにある」、「盆や正月に帰らんでいい、祭りのために帰って来い」とよく言われる。まさに、その祭りを楽しむ光景だった。
見学は30分ほどだったが、街中を歩くと公費解体で空き地が点在する。ワッショイ、ソリャッーと響く祭りの掛け声は輪島の人たちが復興へと心を一つにしているように聞こえた。
⇒24日(日)午前・金沢の天気 はれ