2025年 7月 の投稿一覧

☆「ホテルこうしゅうえん」閉館 能登の観光業に及ぼすインパクト

☆「ホテルこうしゅうえん」閉館 能登の観光業に及ぼすインパクト

前回ブログの続き。輪島市で一番客室が多い「ホテルこうしゅうえん」がきのう閉館したことをニュースで知って、きょう現地を見に行った。1968年に「ホテル高州園」として海沿いにオープンした。自身は地元新聞の記者だった1983年4月から2年間、輪島支局に勤務した。初代と二代目社長とは取材を通じて知り合った。当時、高州園は増築を重ねていて、その後132室にまで増やしていった。高州園という名前は、奥能登で最も高い山である高洲山(567㍍)が輪島市にあることから名付けたとのことだった。

二代目の社長はアイデアマンで、テレビCMには自ら輪島駅の駅長役として出演したものがあった。また、テレビ画面から魚と海水が噴き出す、あのユニークなテレビCMも二代目社長のアイデアだった。ユニークなCMで全国から話題を集めたものの、二代目が亡くなり、その後の後継者問題から、2018年に東京のホテル運営会社が事業を引き継いでいた。

去年元日の能登半島地震では大浴場が使えなくなったり、基礎部分が傾いたりしたため一般客の受け入れを休止し、応急修理を行いながら、復旧工事の関係者に宿泊場所を提供してきた。ただ、営業を続けるためには大規模な工事が必要となるほか、観光客の回復の見通しが立たないことから運営会社は閉館を決め、先月30日ですべての利用客がチェックアウトした(メディア各社の報道)。

きょう輪島市内をめぐると、高州園だけでなく旅館や民宿なども被災をきっかけに休業していた。輪島市観光協会のまとめでは、地震前に47あった宿泊施設のうち6つの施設が廃業していて、現在営業している施設は19ヵ所にとどまっている(同)。地震の被害が残り、観光客の回復が見込めない状況で果たして投資をして宿泊業を続けていけるのかどうか。

⇒2日(水)夜・金沢の天気  はれ

★能登半島地震から1年半 半島を挟む活断層や断層帯の不気味

★能登半島地震から1年半 半島を挟む活断層や断層帯の不気味

去年元日の能登半島地震からきょうで1年と半年が経った。これまで被災地をめぐって復興の現状など見てきたが、公費解体などは進んでいるものの、復興と言うほどの実感はまだ乏しい。

地元紙で、輪島市内で最大の客室数を誇っていた「ホテルこうしゅうえん」がきょう1日で閉館すると社会面トップで報じられている(1日付・北國新聞)。テレビ画面から魚と海水が噴き出す、あのユニークなテレビCMで全国でも知られたホテル旅館だった。震災以降は営業を停止し、復旧工事などの関係者が滞在していた。

暗いニュースは続く。日本海側で再び強烈な地震が起きるのか。政府の地震調査委員会は先月27日、日本海中南部(近畿・北陸沖)に分布する23ヵ所の海域活断層について今後30年以内の地震発生確率を公表した。マグニチュード7の地震を引き起こす恐れのある長さ20㌔以上の活断層や断層帯が評価対象で、いずれかを震源にM7.0以上の地震が発生する確率は16%から18%と評価した(先月28日付・メディア各社の報道)。

東西で2区域に分けた場合の確率は、西部(近畿北方沖、北陸西部沖)の9ヵ所で4%から6%、東部(金沢平野西方沖、能登半島周辺、富山県沖)の14ヵ所で12%から14%だった。能登半島地震を引き起こした北岸断層帯(想定M7.8~8.1程度)については、去年の地震で震源となったため、個別には発生確率をほぼ0%と評価した。一方で半島西側の海士岬沖東断層(想定M7.0程度)と門前断層帯の一部区間(想定M7.1程度)はいずれも1%から2%と23ヵ所の中で最も高かった(同)。

調査委の平田委員長(東京大名誉教授)は「今後30年で10%程度というのは、私たちが生きているうちに起きても不思議ではない高い数字だ」「昨年のような地震は、能登半島北岸の断層帯ではしばらく起きないかもしれないが、それ以外で起きることは十分にある」と指摘。「同程度の揺れや津波が来るかもしれないと思って準備をしてほしい」と話した(同)。

今回、富山県沖の富山トラフ横断断層(想定M7.0程度)は新たに活断層と認定し、発生確率は0.9%から1%とした。断層が増えたことで、調査委が作成した図は能登半島が断層帯に挟まれているようにも見え、不気味さが増す。

⇒1日(火)午後・金沢の天気   はれ