☆能登半島の真ん中 10月5日にゆかりの一青窈コンサート
能登半島の真ん中に中能登町(なかのとまち)がある。この町でコメづくりの歴史と文化に関する一大発見があった。1987年のことだが、「杉谷チャノバ タケ遺跡」という竪穴式住居跡から黒く炭化したおにぎりが発掘された。この化石(学術名「チマキ状炭化米塊」)は約2000年前の弥生時代のものと推定され、日本最古のおにぎりと話題になった。同町ではこの発見を記念して6月18日を「おにぎりの日」として定め、それがいまでは全国的に広がっているそうだ。

中能登町には、国の史跡「雨の宮古墳群」がある。眉丈山(びじょうざん・標高188㍍)の山頂にあるが、その山のふもとに一青(ひとと)という地名の水田地帯がある。そう、あの歌手で作詞家の一青窈さんの先祖の地でもある。彼女はこの町出身の母親と台湾人の父親との間で生まれた。前置きが長くなった。その一青窈さんがことし10月5日に開催される町祭に初めて出演することになった(今月17日付・地元メディア各社の報道)。
町祭は新型コロナ禍で2019年を最後に開催していなかったが、ことしは町制20周年でもあり音楽イベントとして6年ぶりに復活する。そのステージに町ゆかりの一青窈さんが立つことになった。今月16日に開催された町議会本会議の一般質問で町長が明らかにした(同)。

一青窈さんに対して町の人たちの思い入れを感じる。ヒット曲に『ハナミズキ』がある。中能登町では、JR西日本金沢支社に働きかけ、2015年にJR七尾線の駅で列車の接近を知らせるメロディーをこの曲に変更してもらった。町内にある良川、能登二宮、能登部、金丸などの7駅で、電車が通るたびにメロディーを聴くことができる。
そして同町には花見月(はなみづき)という地名の田園地帯がある。「づ」と「ズ」の違いはあるものの、発音は同じなので、『ハナミズキ』は母親の故郷にちなんだ曲なのかとも連想した。この件を町役場のスタッフに問い合わせたことがある。すると、「その話はこの地を訪れた人からよく尋ねられるのですが、以前ご本人に確認したところ、偶然ですという回答で、花見月を想定した曲ではないとのことでした」との返事だった。
6年ぶりに開催される町祭のステージ、町内外から注目が集まっているに違いない。とりとめのない話の流れになった。
⇒19日(木)夜・金沢の天気 はれ