2025年 6月 12日の投稿一覧

☆能登生まれのコウノトリ 巣立ちは間近か、もう飛び立ったか

☆能登生まれのコウノトリ 巣立ちは間近か、もう飛び立ったか

能登のコウノトリは間もなく巣立ちの日を迎える。もう、能登を飛び立ったかもしれない。この先月のブログ「★トキとコウノトリが運ぶもの 能登復興のささやかな願い」(5月7日付)で紹介した、能登半島の真ん中、志賀町富来に営巣するコウノトリの様子を先日(6月10日)再度見に行った。4羽のヒナは大きく成長していた=写真=。1羽は巣から離れて隣の電柱の上で周囲を眺めている様子で、いつでも飛び立つぞ意気込んでいる様子。そして、巣には親鳥1羽と若鳥3羽がいて、いつ飛び立とうかとまるで親子で話し合っているかのような光景を想像した。

この地で初めてコウノトリを見たのは2022年6月24日だった。成長したヒナ鳥と親鳥がいた。1ヵ月後の7月24日に再度訪れたとき、ヒナ鳥が羽を広げて飛び立とうとしている様子が観察できた。この場所はコウノトリのひなが育った日本での最北の地とされていて、能登の地での定着と繁殖を期待しながら巣を見上げていた。これがきっかで毎年、観察に訪れている。

ことしは、志賀町から以北のいわゆる「奥能登」とされる珠洲市と能登町、穴水町でもコウノトリの営巣が確認されていて、コウノトリたちの行動範囲がずいぶんと広がっている。もし個体識別用の足環があれば、孵化した場所や日付、巣立ちの年月日、親鳥などが分かるので調べを待ちたい。2022年に志賀町で初めて営巣した親鳥は兵庫県豊岡市で生まれたオスと、福井県越前市生まれのメスであることが足環から分かっている。ことしで4年連続の営巣とされる。知りたいのは、新たに営巣を始めた珠洲市と能登町、穴水町でのコウノトリたちの出自だ。もし、志賀町生まれならば、「ふるさと帰り」ということになる。

ただ、これまで能登で生まれたコウノトリが確認された場所は台湾だ。2022年7月中旬、志賀町で初めて生まれた3羽に足環が装着され、その後8月5日に巣立った3羽のうちの1羽(オス)が10月31日に台湾の屏東県車城(海沿いの村)などで確認されている。能登半島から飛んで渡ったとすれば、直線距離にして2000㌔におよぶ。このコウノトリが能登に帰り、営巣していることが確認されれば、「Uターンのコウノトリ」として、重宝されるのではないだろうか。

⇒12日(木)午後・金沢の天気  はれ