★フィンランドから能登にずっと心を寄せ、訪れた大統領夫人

前回のブログで金沢神社での「お花寄せ」で、社務所の床の間に掛けられていた雪舟筆の掛け軸の話をした。「南無天満大自在天神」。いかにも禅僧らしく力強い筆致で、最後の文字の「神」の字の終りを上へはね上げて梅の枝とし、花を描いているところが面白い、と述べた。すると、ブログを読んでくれた知人から、メールが届いた。「その面白い部分を見せてくれ」と。確かに、ブログの文字だけでは読み手に伝わらない。そこで、その部分の画像をアップにして掲載=写真・上=。文字から絵へと繋ぐ遊び心はいかにも雪舟らしい。
話は変わる。きょう9日の地元紙の北國新聞夕刊で興味深い記事が掲載されていた。北欧のフィンランド大統領の夫妻が能登半島の中ほどに位置する中能登町の鹿西高校を訪れた、との記事だ。大阪・関西万博の行事に参加するための来日だったが、なぜ能登に足を延ばしたのか。大統領夫人のスザンヌさんは1992年7月から1年間、鹿西高で外国語指導助手(ALT)として勤務した経験があった。

その後、いまのストゥブ大統領と出会い、1998年に結婚した。ところが、去年元日の能登半島地震で学校はどうなっているのかと心配していたようだ。そこで来日の折、わざわざ能登に足を延ばして鹿西高校を訪れた。スザンヌさんは「ここに戻ってくることができ、とてもうれしい」と話し、能登の早期復興を願っていたようだ。
鹿西高校では歓迎行事が催され=写真・下、鹿西高校公式サイト=、生徒による琴の演奏でもてなし、地元特産の能登上布でつくった扇子を贈った。それにしても、北欧から気にかけ、ずっと思いを馳せていた。「心を寄せる」とはこのことなのだろう。記事を読んでうれしく、そして大統領夫人スザンヌさんの心根の深さにはホロリとする。
⇒9日(月)夜・金沢の天気 はれ