★大の里、全勝ならずも横綱に/震災復興へ一歩一歩
大相撲夏場所の千秋楽、これまで負けなしの大関・大の里(石川県出身)は横綱・豊昇龍に敗れた。全勝優勝はかなわなかったものの、初土俵から13場所での横綱昇進は年間6場所制となって以降、史上最速。8年ぶり日本出身の横綱だ。

話は変わる。去年元日の能登半島地震では金沢市でも最大で震度5強の揺れがあった。金沢の被災地を初めてめぐったのは翌日の2日だった。余震が続いていた。場所は同市田上新町の山沿いの住宅地。金沢大学の角間キャンパスの隣接地でもある。がけ崩れが起き、民家4軒が道路ごと崩れ落ちた=写真・上、2024年1月2日撮影=。さらに土砂災害が発生するおそれがあるとして、周囲の32世帯に避難指示が出された。
その後、何度か現地を訪れたが、きのう(24日)1年ぶりに行くと、がけ崩れが起きた場所は整備されていた=写真・下=。金沢市の広報などによると、行政は発生の約3ヵ月で道路を応急復旧し、民有地を買収した上で去年11月から復旧工事に着手していた。道路とのり面が新たに整備され、道路は竣工検査が完了次第、6月上旬にも一般車両が通行できるようになる。地震発生から1年半、金沢で被害の大きかったエリアがようやく復旧することになる。
このほか市内では金沢城の石垣が一部崩れた。また、地盤沈下で道路との間に1.5㍍の段差が生じた橋や、亀裂が45㍍にわたって入った道路もある。さらに、山門や鳥居が壊れたままとなっている神社や寺が目立つ。行政では地域住民が管理する40の神社に対して鳥居の補修にかかる費用の4分の3を補助するための費用を予算化している。一歩一歩、震災から復旧が進む。
⇒25日(日)夜・金沢の天気 くもり