2025年 5月 22日の投稿一覧

☆本州のトキ絶滅から半世紀 能登で復活願い「トキの日」制定

☆本州のトキ絶滅から半世紀 能登で復活願い「トキの日」制定

きょう5月22日は石川県が独自に制定した「いしかわトキの日」だ。来年6月から能登半島で放鳥が始まるのを記念して、「国際生物多様性の日」でもあるこの日を「トキの日」とした。今週24日にはいしかわ動物園や能登空港など県内5ヵ所でイベントが開催されるようだ。

能登の人々と対話していて、トキに対する愛着心というものを感じることがある。もう半世紀以上も前の話だが、1970年1月、本州最後の1羽のトキが能登半島の穴水町で捕獲された。トキは渡り鳥ではなく、地の鳥である。捕獲されたトキはオスで、「能里」(のり)という愛称で地元で呼ばれていた。能里の捕獲は繁殖のため新潟県佐渡市のトキ保護センターに移すためだった。

能里の捕獲と佐渡行きについては当時、地元能登でも論争があった。「繁殖力には疑問。最後の1羽はせめてこの地で…」と人々の思いは揺れ動いた。結局、トキ保護センターに送られることになる。論争がありながらも最後の1羽を送り出した能登の人たちの想いはまだ記憶されている。穴水町に行くと、今でも「昔、能里ちゃんはここら辺りを飛んでいたよ」と話すお年寄りがいる。「ちゃん」付けに能里への想いがこもる。

その能里は翌1971年に死んで、本州のトキは絶滅した。その後、能里は剥製となって石川県に里帰りし、毎年の愛鳥週間(5月10-16日)に期間限定で県立歴史博物館(金沢市)で展示されている=写真=。来年6月からの放鳥で再び能登がトキの里として復活することを県民の一人として願っている。

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