2025年 5月 16日の投稿一覧

☆コウノトリとトキの共生、能登で描くあるべき自然の姿

☆コウノトリとトキの共生、能登で描くあるべき自然の姿

能登でコウノトリとトキは共生できるのか・・・。きょう金沢市にある石川県立図書館で開催された生物多様性を考える集いで話題になったテーマの一つだった。能登半島では志賀町の山中のほか、金沢市に隣接する津幡町の平野でもコウノトリのヒナが誕生。また、奥能登の珠洲市と穴水町でも営巣が新たに確認されている。「コウノトリが住み着くと幸福が訪れる」「コウノトリが赤ん坊を運んでくる」との伝承がヨーロッパにあるように、コウノトリが能登ににぎわいもたらすのではないかと話が弾んだ。

そして、環境省は来年2026年6月にも能登で放鳥を行うことをすでに決めている。具体的な放鳥の場所についてはことし7月ごろまでに決定し、1度に15から20羽ほどを複数年にわたって放鳥する計画のようだ。トキもコウノトリも国の特別天然記念物であり、全国的に注目される「国鳥の聖地」になるかもしれない。(※写真・上は、能登の電柱で営巣するコウノトリ=今月3日撮影)

トキもコウノトリもエサとしているのが、カエルやドジョウ、メダカなどだ。そこで出た話が、エサをめぐって鳥同士が争いをしないだろうか、という点。これについて鳥類の研究者の話。かつて、佐渡を訪れたとき、トキのエサ場にコウノトリ1羽が舞い降りた様子を観察したことがある。トキは数羽いたが、コウノトリがエサをついばんでも威嚇することもなく、「知らんぷりという様子だった」。しばらくして、コウノトリは飛び立っていった。

コウノトリの研究者の話。コウノトリ同士がエサをめぐって威嚇する様子をこれまで見たことがあるが、コウノトリがほかの鳥にちょっかいをかけたりすることは見たことがない、と。カラスがコウノトリを威嚇することもある、との話だった。(※写真・下は、輪島市三井町洲衛の空を舞うトキ=1957年、岩田秀男氏撮影)

2人の研究者の話として、「コウノトリやトキに限らず、動物を野生復帰、そして定着させる際には、自然状態で十分なエサを捕ることができる環境が大切。エサをめぐって鳥同士がたとえ争っても、人が関わらないことが大切では」とのことだった。

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