★トレーラーハウスで時代を走る 「NOTO、NOT ALONE」
おととい(11日)輪島市の白米千枚田の田植えの様子を見学した帰りに市街地をめぐった。200棟余りが全焼した朝市通り周辺は損壊したビルなどが撤去され、原っぱのようになっていた。行政では今後、この地区の復興をシンボルプロジェクトと位置付け、建築家の隈研吾氏を「復興まちづくり特別アドバイザー」に迎えて再開発計画を進めている。

街中で目立ち始めているがトレーラーハウスを活用したショップかもしれない。中心部の小路に入ると、「NOTO、NOT ALONE研究所」と記されたトレーラーハウスがあった=写真=。社会福祉法人が運営するショップで、コーヒーやクラフトビール、オリジナルTシャツなどを販売している。ショップの女性に「NOTO, NOT ALONE」の意味を尋ねると、「能登はひとりじゃないですよ、お互い繋がりましょうという意味です」とのこと。そして、意味はさらに深かった。
店のパンフによると、社会福祉法人では近隣にスポーツジムや障害者が共同生活を送るグループホームをいくつか設けている。高齢者が健康なうちに地方に移住し、終身過ごすことが可能な生活共同体のことをCCRC(Continuing Care Retirement Community)、と言うそうだ。CCRCは1970年代にアメリカで始まり、全米で2000ヵ所のCCRCがあるともいわれる。都会での孤独死を自らの最期にしたくないと意欲あるシニア世代が次なるステージを求めている。そうした人々を受け入れる仕組みづくりを輪島で目指しているようだ。
「NOTO, NOT ALONE研究所」は震災以降で立ち上げたショップだが、まさにCCRCのコンセプトを込めたネーミングのように思えた。
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