☆能登地震1年4ヵ月 復興の現状は~祭りの絆は復興のチカラ~
日本で一番大きい祭りの山車は能登・七尾市の青柏祭の「でか山」。高さは12㍍あり、重さは20㌧にも及ぶ。ビルにして4階建ての高さになる。このでか山3台が今月3日から5日にかけて市内の大通りで引き回された。

青柏祭は平安時代から伝わる能登半島の代表的な春の祭りとされ、「でか山」が練り歩く「曳山行事」は2016年にユネスコ無形文化遺産に登録されている。去年は元日の能登半島地震で市内の道路にゆがみや破損が生じたことから、安全確保ができないとの理由で中止となり、ことしは2年ぶりの巡行となった。
3日と5日に祭りを見学した。3日午前中に行くと、午後からの巡行に向けて、でか山の組み立てが最終段階に入っていた。その様子を眺めているいると、でか山を動かすのは大変だけど、その準備も大がかりだということがよく理解できた。何しろ、クレーン車をつかって組み立てや飾り付けをしていた。そして、作業をする数十人がキビキビと動き回っていた。でか山をこれから動かすぞ、というパワーを現地で感じた。この様子を見て、祭りのために地域の人たちがチカラを合せる、これはまさに震災復興のパワーになるのではないかと思った。
5日午後に行くと、JR七尾駅前の通りで引き回しがあった=写真=。車輪は直径が2㍍もあり、曲がり角では「でか山」の車輪を浮かせて方向転換をする「つじ回し」が行われる。狭い路地を巧みに曲がると引き手と観客がともに歓声を上げていた。この迫力と盛り上がりは復興のチカラではないだろうか。楽しく祭りを続けたい、だから震災に負けないという能登のパワフルなメッセージのように感じた。
⇒6日(火・振)朝・金沢の天気 くもり