★「探検型」クルーズ船 金沢港で座礁する
今月8日付のブログで金沢港がクルーズ船でにぎわっていると紹介したが、今回はトラブルのことに触れる。地元メディア各社が第9管区海上保安本部の発表を伝えている。今月18日午後5時10分ごろ、金沢港の五郎島岸壁近くで、金沢海上保安部の職員が身動きが取れなくなっているクルーズ船を確認した。ニュージーランドの会社が所有する「ヘリテージ・アドベンチャラー」(8445㌧)で、金沢港から出港しようとしたところ、港内の浅瀬に乗り上げた。

金沢海上保安部が海難救助用のタグボートでクルーズ船を離礁させ、同6時53分に同港五郎島岸壁に接岸した(※写真は、20日午後1時30分ごろ撮影)。乗客126人と乗員86人にけがはなかった。船体に目立った損傷はなく、また、油の流出などは確認されていない。金沢港内でのクルーズ船の事故は初めてという。金沢海上保安部は、フランス国籍の60歳の男性船長から話を聞くなどして、当時の状況を調べている(メディア各社の報道)。
それにしても、これまで入港したクルーズ船に較べると、コンパクトサイズの船だ。幅は全長は123㍍となっている(一般社団法人「金沢港振興会」公式サイトの資料より)。今月8日付で紹介したクルーズ船「MSCベリッシマ」(17万1598㌧・乗客定員4386人)は全長316㍍だった。そして、寄港地もじつにコンパクトだ。大阪から広島、長崎、蔚山(韓国)、境などをめぐり金沢に。そして、金沢から境、萩、蔚山、広島、大阪へと逆戻りするルートだ。運航するのはニュージーランドの「ヘリテージ・エクスペディションズ社」。
ネットで調べてみると、このヘリテージ・アドベンチャラーは「本格的な探険クルーズで比類のない基準を設定」とあり、北極の最北端と南極の最南端への航行も行っているようだ。きのう20日に撮影した写真をよく見ると、船の上には黒いゴムボートや小型船などが搭載されているようにも見える。探検型のクルーズ船なのでコンパクトサイズに、そして小型船でさらに奥地まで入って探検するというコンセプトなのだろうか。
クルーズ船にもいろいろ個性があって面白いと思った次第。それにしても、もし南極や北極で今回のように座礁したらどうなるのだろうか。タグボートが駆けつけてくれるのだろうか。
⇒21日(月)午後・金沢の天気 はれ