★人とトキが共生する楽園づくり ことしが実行元年
朝刊を広げて、「5・22は『いしかわトキの日』」という見出しが目に飛び込んできた。きのう15日、石川県は2023年度の当初予算案を発表し、2026年にも能登で放鳥が予定される国の特別天然記念物トキの生息の環境づくりをするため、トキと人との共生に向けた取り組みとして関連費1億360万円を予算化した。そして、国連が定める「国際生物多様性の日」である5月22日を「いしかわトキの日」と決め、県民のモチベーションを盛り上げる。
環境省は、佐渡市で野生復帰の取り組みが進むトキについて、本州などでも放鳥を行う候補地「トキの野生復帰を目指す里地」として能登半島と島根県出雲市を選定した(2022年8月5日付・環境省公式サイト「報道発表資料」)。これを受け、県と能登地域が営巣地などの生息環境を整える取り組みに入る。いわば、2023年が「放鳥に向けた実行元年」ということになる。
石川県がトキの放鳥に向けてチカラを入れる理由がある。本州最後の1羽だったオスのトキ、愛称「ノリ(能里)」が1970年に能登半島で捕獲され、繁殖のため新潟県佐渡のトキ保護センターに送られた経緯がある。なので、能登にトキが戻ってきてほしいという願いがあった。このため、県と能登の4市5町、JAなど関係団体は去年5月に「能登地域トキ放鳥受け入れ推進協議会」を結成し、環境省に受け入れを申請していた。
誤解のないように言うと、かつて同じ能登でもトキを「ノリ」と呼んで見守った人もいれば、「ドォ」と呼んで目の敵(かたき)にした人もいた。トキは田植えのころに田んぼにやってきて、早苗を踏み荒らすとして、害鳥扱いだった。ドォは、「ドォ、ドォ」と追っ払うときの威嚇の声からその名が付いた。そして、全国どこでもそうだったが、昭和30年代の食料増産の掛け声で、農家の人々は収量を競って、化学肥料や農薬、除草剤を田んぼに入れるようになった。このため、田んぼに生き物がいなくなり、トキは絶滅の道をたどった。佐渡に送られたノリは翌1971年に死んだ。解剖された肝臓や筋肉からはDDTなどの有機塩素系農薬や水銀が高濃度で検出された。
いま、生産性重視の米づくりの発想は逆転した。トキが舞い降りるような田んぼこそが生き物が育まれていて、安心そして安全な田んぼとして、そこから収穫されるお米は「朱鷺の米」(佐渡)に代表されるように高級米である。人は生き物を上手に使って、食料の安心安全の信頼やブランドを醸し出す時代である。能登では2009年に「田の神」をもてなす農耕儀礼「あえのこと」がユネスコ無形文化遺産に登録され、2011年に世界農業遺産「能登の里山里海」が認定されている。トキが舞い降りる能登の田んぼで再び米づくりが始まれば、農家も生きる、トキも生きる、共生のパラダイス(楽園)ができるのではないだろうか。
(※写真は、松の木でのトキの親子の営巣の様子。1957年、岩田秀男氏撮影=輪島市三井町洲衛)
⇒16日(木)夜・金沢の天気 くもり
毎年のようにスパイ気球を飛ばしていたのだ。「気球であっても、我が国の許可なく領空に侵入すれば、領空侵犯となることから、防衛省としては、今後とも、外国政府の無人偵察用気球を含め、気球に対して、これまで以上に情報収集・警戒監視に努めてまいります」と。もし、アメリカが中国の偵察気球を撃墜していなければ、黙認を続けていたのではないか。
アメリカ連邦議会下院は9日、中国の偵察気球がアメリカの主権を侵害したとして中国共産党を非難する決議案を419対0の全会一致で採択した。アメリカ議会では特に共和党から、バイデン政権はアラスカ州沖で気球を発見した時点で撃墜すべきだったと、政権対応を批判する声も高まっているが、下院が一致団結して中国に対する姿勢を明確にしたものとして注目に値する(10日付・JETRO「ビジネス短信」)。
同じく会議に参加したイギリスのフレイザー・スポーツ大臣は、ツイッターに「プーチン大統領が野蛮な戦争を続ける限り、ロシアとベラルーシを五輪に参加させてはならないとのイギリスの立場を明確にした」と投稿した。また、北欧諸国の五輪委員会は7日、IOCに書簡を送り、ウクライナ侵攻を続けるロシアと隣国ベラルーシの選手の国際大会出場に反対する姿勢を改めて表明している。
留学生は、兼六園を散策に行き、そのときインバウンド観光客の団体を案内していた日本人のガイドが「カガ・ワン・ミリオン・ストーンズ」と言っていたのを聞いて、「加賀百万石」のことかとガイドの案内に耳をそばだてた。そのとき、ガイドは金沢城の石垣を指さして説明していたので、とても腑に落ちたという。「百万個もの石を使って、お城を造り、そして金沢に用水をはりめぐらせた加賀のお殿様はとても有能な方だったのですね」と留学生は感心していた。
去年12月5日の「田の神迎え」を能登町の柳田植物公園内にある茅葺の古民家「合鹿庵(ごうろくあん)」で見学し、このブログで書き留めた。そして、きのう2月9日の「田の神送り」を同じ合鹿庵で見学した。
供されたごちそうで、季節の違いもある。12月5日「田の神迎え」では、メイン料理は寒ブリの刺し身だった。そして、2月9日「田の神送り」では、タラの子付けという刺し身が出されていた=写真・下=。タラの漢字は魚へんに雪と書く「鱈」。能登半島の沖で獲れるマダラはこの降雪の時季に身が引き締まって、味がのっている。そのまま刺し身ではなく、タラの子である真子をゆでてほぐし、タラの身にまぶしたもの、この「タラの子付け」はなかなかおつな味がする。さらに、昆布でしめたマダラの身に子付けをするとさらに旨みが増す。
おそらくこれは構造的な問題だろう。ビッグイベントを仕切ることができる会社は数少ない。電通はその最大手だ。簡単に言えば、すべてを電通任せだったということだ。電通側とすれば、「談合」ではなく「調整」をしていたと釈明するだろう。メディア各社は電通の役割をよく理解しているはずだ。もちろん、この調整によって電通側が多額の利益を得ていたならば明らかな犯罪ではある。
トルコのエルドアン大統領は同国が「この100年で最も甚大な災害」に直面していると述べた。トルコ当局者によると、国内の少なくとも4ヵ所の空港が被害に遭い、建物6200棟余りが倒壊したという。トルコで登録されているシリア難民370万人の多くも被災した(同・BloombergニュースWeb版日本語)。
「ペティアン・ナチュレ」と言うそうだ。フランスの発泡酒で、スパークリングとは違った微発泡のワインのこと。そこでさっそく、ペティアン・ナチュレをオ-ダーする=写真=。発酵途中でビン詰されるため、ぶどうジュースのような味わいで、泡も柔らかくて飲みやすい。見た目と味は違うものの、ワイン版どぶろくのような雰囲気だ。