★たかがマスク、されどマスク
きょう11日の衆院予算委員会で加藤厚労大臣が、全国の新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)について「5月10日現在で250件あるのではないか」と述べた(11日付・共同通信Web版)。厚労省は1ヵ所で5人以上の感染者が出たケースをクラスターとしている。250のクラスターのうち医療機関がもっとも多く85件、続いて老人ホームなど福祉施設57件、飲食店23件と続く。クラスターの3分の1が病院ということになる。
石川県でも6件あり、うち2件が病院。その1件は県内最大のクラスターだ。石川県の感染者280人、うち69人がその病院の入院患者や看護師、介護士、病院事務員。県内の死者17人のうち、その病院での死者は11人となっている(11日・NHKニュースWeb版)。その病院に祖父が入院しているという知人から聞いたことだが、クラスター化してから毎日祖父の容態について病院から報告があるそうだ。「家族の心配を察しての病院側の配慮だろう」と。一方で「病院なのになぜこんなことに」と外部から批判もあるようだ。「病院スタッフのストレスは相当なものだろう。返ってそれが心配だ。医療崩壊にならなければよいが」と知人は案じていた。
きょう別件でまったく別の病院を訪れた。総合病院だが、現在まで感染者を出していない。感染対策は徹底していて、出入り口は正面玄関のみとし、その正面玄関でサーモグラフィーによる発熱者のチェックを行っている。病院内に入ると、マスクの自動販売機が設置されていた。さすが、感染対策が徹底している病院は違うと思い、さっそく自販機で買おうとしたが、貼り紙があった=写真=。
「お客様へ マスク販売制限につきまして マスクの販売個数制限によりマスク自動販売機の販売を一時停止させていただきます。マスクは地下のセブンイレブンで販売させていただきます。・・・」と。受付でなぜ自販機が中止なのかと尋ねると、一人で何枚も購入する人がいるのでやむなく対面販売となったようです、と。そこで病院地下にある「セブンイレブン」に行くと商品棚にマスクが置いてあった。サージカルマスクだ。医療用に使用される感染防止用マスクで、サージカル(surgical)は外科の意味。「製造者名」をチェックすると、「横井定株式会社」とある。あのアベノマスクを供給する名古屋市の会社だ。
さすが病院で販売するマスクは違うと思い、5枚を手にしてカウンターへ。すると、店員は「お客さん、申し訳ありませんがお一人1枚でお願いします」と。確かによく見ると棚の奥に「マスクはお一人1枚」と小さな貼り紙があった。棚に毎日200枚ほど並べるが、それでも夕方には売り切れになるのだという。1枚110円。一回買って、もう一度並ぶ客もたまにいるがその場合でも、「お断りをしています」とはっきり。たかがマスク、されどマスク。
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