2020年 5月 10日の投稿一覧

☆コロナ禍 テドロス発言を読む

☆コロナ禍 テドロス発言を読む

   このブログで初めて「新型コロナウイルス」の言葉を用いてブログを書いたのはことし1月20日付だった。タイトルは「パンデミックを防げ」のタイトルで「(中国の習主席に)春節には海外渡航を全面的に禁止するくらいの強い指導力を発揮してほしい。」と書いた。あれから110日余り経った。不謹慎な述べ方かもしれないが、コロナ禍をめぐる世界の動き、国内、そして身近な出来事はブログのネタに事欠かない。書き続けたコロナ禍で見えてきたこと、それははやりWHOのテドロス事務局長の不可解な動きと言える。以下ブログで述べてきたことを抜き出してみる。

   1月20日付ブログではWHOへの期待感を書いた。「中国で肺炎患者が増えていることを受けて、WHOの事務局長が22日にスイスのジュネーブで緊急の会合を開くことになったと報じている。まるで、パンデミック(pandemic)、世界的な感染の広がりを示唆する動きではないのか。」「中国では今月24日から旧正月の春節の大型連休に入ると、日本を含め世界中に中国人観光客が訪れることになる。WHOの事務局長の緊急会合は、このタイミングで世界各国に注意を呼びかける意味合いがあるのではないだろうか。」

   1月25日付では、WHOへの不信感を綴った。「WHOは機能不全の状態に陥っているのではないか。おそらく今後、国際世論の批判の目はWHOに向かう。」「『国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態』として、事務局長が緊急事態を宣言することになる。が、23日のWHO会合では時期尚早との判断だった。」「では、なぜ時期尚早との判断なのか。中国にとっては非常に不名誉なことになるのと中国指導部は考え、WHOが緊急事態宣言を出さないよう根回しをしたのであろうことは想像に難くない。」

   1月30日付ではテドロス事務局長の資質を問うた。「今頃になって、WHOが焦り始めている。健康危機管理プログラムのトップの言葉を29日付のBBCが引用している。『Coronavirus: Whole world ‘must take action’, warns WHO』(コロナウイルス:全世界が警戒しなくてはならない、とWHOが警告)。記事の中で、テドロス事務局長は新型ウイルスが世界に及ぼす危険性について、報告書で『高い』とせず『中程度』としたことに言及し、『深く後悔している』と述べている。何を今さらと言うべきか。」

   2月7日付では、テドロス氏の巧みな「営業活動」について述べた。マイクロソフトの創業者、ビル・ゲイツ氏の慈善財団がウイルス対策のために1億㌦をWHOに寄付することに関してだ。ゲイツ氏は寄付について「This response should be guided by science, not fear」(対策は恐怖ではなく、科学によって導かれるべきである)とコメントしていた。よく似た言葉をテドロス氏が先月30日の「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言したときにの記者会見で発していた。「This is the time for facts, not fear.This is the time for science, not rumours.」(恐怖ではなく、事実の時。これは噂ではなく科学の時です)。2人の言葉のニュアンスがそっくりだった。「ということは、テロドス事務局長がゲイツ氏に寄付を要請する『営業』をかけたのではないかと察した。おそらくこの言葉を用いて、ワクチンや治療薬の開発資金を提供してほしいとゲイツ氏に直接懇願したのだろう。」

   3月10日付では、世界の経済はすでにパニックに陥り、9日のニューヨーク株式のダウは暴落したことに関連し、WHOがいまだにパンデミックと表現しないことのもどかしさを綴った。「『今さら発言』ではないだろうか。WHOのテドロス事務局長は9日の記者会見で、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて「パンデミックの脅威は現実味を帯びてきた」と述べた。一方で、依然、制御は可能だと強調し、感染国・地域が100を超えた現実を踏まえ、柔軟に対応していく考えを示した(10日付・共同通信Web版)。パンデミックはもう起きていると世界に警報を出すのがWHOのスタンスではないだろうか。」。WHOがパンデミックとの表現で感染拡大を喚起したのは2日後の11日だった。

   4月9日付では、アメリカのトランプ大統領のWHO批判について記した。「トランプ大統領が新型コロナウイルス感染症へのWHOの対応が『中国に偏っている』と批判していることについて、テドロス氏は『われわれは全ての国に寄り添っている』と述べ、特定の国への配慮などは行っていないと反論した(9日付・共同通信Web版)。」「テドロス氏の反撃もあった。トランプ大統領への名指しはしなかったが『さらなる死者の増加を望まないのであれば、政治問題化するのは、やめてほしい』と主張」。ユーチューブ動画で公開されているテドロス氏への批判のコメントを紹介した。「WHO cannot be trusted in they’re in the pocket of China. Pathetic gentlemen, very sad state indeed.」(WHOは中国のポケットにいるため、信頼できない。哀れな紳士、確かに悲しい状態)

   4月29日付ではテドロス氏への批判が国際世論として広がっていると述べた。「このブログでも何度か述べたが、テドロス氏はWHOの緊急事態宣言を『時期尚早』と見送った(1月23日)。これが感染拡大の原因の一つと問題視する見方が世界で広がった。最近ときおり閲覧する、署名サイト『Change.org』でテドロス氏解任キャンペーンが展開されている。きょうチェックすると100万を上回る署名が集まっている。」

   こうしてテドロス発言をチェックしてみると、WHOとしてのビジョンを先に示さないので批判が集まりやすいが、テドロス氏自身には打たれ強さとしたたかさを感じる。今後、中国・武漢でのWHOによる原因調査、さらに国際賠償の行方などさまざまに状況は展開していくだろう。WHO、そしてテドロス氏の観察を続けたい。

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