★洗い使う「アベノマスク」が届く日
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で緊急事態宣言が延長され、「新しい生活様式」という概念が提案された。ウイルス対策について話し合う政府の専門家会議が提言した、3つの基本として①身体的距離の確保、②マスクの着用、③手洗い、を掲げている。中でもマスクの着用は、街中を歩く人や車を運転する人、見かける人のほどんとが心がけている。もともと日本ではマスクの着用に抵抗感が薄かったので、新しい生活様式としてなじみやすかったのだろう。手洗いも同様。また、ソーシャルディスタンスの言葉として定着した身体的距離の確保はコンビニなどでもちろん、エレベーターでも見かける。4つの角にそれぞれ1人が立ち、5人目として入らずに次を待つ。
新しい生活様式による日常の最大の変化は、マスクの洗濯かもしれない。マスクは衛生上、使い捨てという概念だったが、それが一変した。生活様式としてマスクを身につけるのであれば、それは衣類と同様に持続可能な使い方をしなけらばならない。それは洗濯である。自らも実践している。洗剤で手洗いをする。1枚を2日間使い、2枚か3枚をまとめ洗いをする。ハンガーにつるすと改めて時代の変化を感じる=写真=。
マスクは消耗品ではないということに気づかせくれたのは需要と供給のアンバランス、「品切れ」だった。先日も金沢市内のドラッグストアを2軒回ったが商品棚にはなかった。3軒目を回ろうとしたがまるで「マスク・パトロール」のようでやめた。マスクを求めて店を探し回るとの意味だが、それが3密(密集、密閉、密接)のもととなる。
ところで、安倍総理は洗濯して繰り返し使える布マスクを全世帯に2枚配布すると方針を表明した(4月1日・新型コロナウイルス感染症対策本部)。あれから1ヵ月以上たつが、466億円かけて支給されるマスクはいつ届くのか。気になって厚労省公式ホームページを検索する。「4月17日から東京都、5月11日の週から東京都以外の特定警戒都道府県に順次、配送を開始」とある。「特定警戒県」である石川県はあさって11日から配布されるようだ。「アベノマスク」と揶揄されてもいるが、ありがたく受け取りたい。何度も洗い、着け心地をそのつど試し、そしてパンデミックの時代を語るシンボルとして保存しておきたいものだ。
⇒9日(土)朝・金沢の天気 くもり