★ステイホーム飲み会の楽しみ方あれこれ
東京都の小池知事が新型コロナウイルス対策に関する記者会見で、大型連休の12日間を「いのちを守るSTAYHOME(ステイホーム)週間」と呼びかけたのは先月24日だった。企業や事業主には12日間におよぶ連続休暇やリモートワークの促進を求め、都民には外出の自粛を強く促した。以来、ステイホームが言葉として全国的に定着した感がある。
きのう(2日)「ステイホーム飲み会」を気心知れた仲間たちと楽しんだ。正午から4人がそれぞれにパソコン画面に向き合い、ビールや焼酎を片手に近況を語り合った(うち1人は仕事の関係でノンアルコール)。自身はとっておきのワインを話のネタにと選んだ。フランス・ボルドー産の「シャトー・モンペラ」。10年ほど前、日本テレビのドラマ『神の雫』に登場するワインで国内でも知られるようになった。グラスを何度か傾けるうちに顔が随分と赤くなり、目が虚ろになってきたのが画面で分かった。自らの姿が他の人にどう見えているかリアルに理解できること、これはPC飲み会の特徴だと自覚した。
話題に上ったテーマの一つが「自宅のオフィス化」だった。アフター・コロナではリモートワーク(テレワーク)や在宅ワークがいっそう進み、自宅にオフィス空間を確保するという発想が必要になる。光ファイバーなど通信回線の確保はもちろんのこと、PCカメラを意識した背景の工夫もしなければならない。というのも、きのう使ったアプリ「Zoom」では背景をバーチャルリアリティに切り替えることができる。では、自宅オフィスが雑然としているからと安易にバーチャルリアリティに切り替えてよいものかどうか。とくに仕事の話をする場合だと最初から何かを隠しているような印象を相手に与えてしまうのではないだろうか。飲み仲間の一人の建築家の意見がとても参考になった。
今回のPC飲み会ではそれぞれの自宅の回線容量がしっかりしていたせいか、画面がフリーズすることはなかった。問題は音声だと感じた。会話が弾むと、つい横から口をはさんでしまうものだ。対面での飲み会ではそれほど気にならないのだが、PCだと相手の音声を遮断することにもなり、会話のタイミングを見計らうという暗黙のルールが求められる。最初は自制心が効いていたとしても、飲むにつれてその気持ちは削がれる。こうなると会話が成立しなくなり、「場の戻し」が必要となる。今回その役回りをする幹事役を買って出てくれたのはITベンチャーの社長だった。「話がこんがらかってきました、いったんリセットしましょう」と何度か。
正午に乾杯をして、「ではバイバイ」とPC画面が消えるまで2時間ほど。十分に酔い、会話を堪能させてもらった。ステイホームの新しい楽しみ方の一つだと実感した。ふと、外を眺めると快晴だ。人は日光を浴びて、紫外線を受けて体内にビタミンDをつくり、カルシウムの吸収を助ける。日光を浴びないと、逆に体は自分の骨を溶かしてカルシウムを得ようとするため骨粗しょう症になる。かつて聞いた話を思い出し、散歩に出かけた。
⇒3日(日)朝・金沢の天気 はれ時々くもり