2020年 5月 2日の投稿一覧

☆「9月新学期」はグローバルスタンダード

☆「9月新学期」はグローバルスタンダード

   季節は5月になり、街ではこいのぼりを見かけるようになった。ただ、例年の大型連休と雰囲気が異なって、子どもたちの元気な声が聞こえてこない。新型コロナウイルスの緊急事態宣言で子どもたちも自粛しているのだろうか。

   学校の休校がさらに長期化しそうだ。金沢大学など多くの大学でも授業の開始が遅れたり、講義も対面ではなくオンライン化したりと現場が戸惑っている。また、日本政府が感染対策として170ヵ国余の発給済みのビザを停止する措置をとっていることから、来日できない留学生が続出している。いっそうのこと、新学期を9月、あるいは10月で仕切り直ししてはどうかと思ったりする。

   というのも、欧米やアジアの多くの国では新学期のスタートは9月なのだ。日本のように4月新学期はおそらく数少ない。このことは大学の関係者との間ではたまに話題に上る。「日本もグローバルスタンダードで足並みをそろえないと、優秀な留学生が来ないよね」などと。留学生が4月と9月のどちらを入学時期として選択するかと言えば、タイムラグのことを考えれば9月と考えて当然の発想だろう。すでに、日本の大学では日本語を学ぶ1年間の短期留学の受け入れは「9月入学」でカリキュラムを組んでいるケースが多い。逆に日本から海外に留学する場合も9月が新学期の方がよいということになる。

   では、簡単に9月新学期に移行が可能かと言えば、難問山積かもしれない。日本には「年度」という、4月に始まり3月で終わる仕組みがある。いわゆる、会計年度だ。国など官公庁や地域自治体はこの会計年度をベースとして予算を編成し、決算の会計処理する。とくに国公立の教育機関だと会計年度がずれるとややこしくなる。そもそも、学校教育法において学年は4月1日に始まり翌3月31日に終わると定めているので、法律の改正もともなう。

   社会全体に影響がおよぶことが予想されるものの、それでもやはり、新型コロナウイルスという災禍をチャンスとして「9月新学期」を導入してはどうかと考える。大学としても、学生の就活時期との兼ね合いなども出てくるだろう。民間企業もほとんどが3月期決算であり、入社は4月となっている。逆に9月新学期の移行を機に、企業の採用の有り様も通年採用へとシフトするかもしれない。9月新学期がグローバルスタンダードへの社会変革の口火となることを期待したい。

⇒2日(土)朝・金沢の天気    はれ