☆「巣ごもり」脱し「のとキリシマツツジ」へ
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で外出を控える風潮のことを「巣ごもり」という言葉で新聞やテレビメディアが紹介している。もともとは、鳥が巣の中に入ってじっとしていること、あるいは、冬を越すため虫などが土の中にもぐったままでいることの意味だ(三省堂『現代新国語辞典 第六版』)。なかなか言い得て妙かもしれない。
この「巣ごもり」現象から派生して「巣ごもり消費」「巣ごもりグルメ」「巣ごもり銘柄」などさまざまな言葉が出てきているから面白い。確かに、近所でも宅配のトラックやバイクが普段より多く目にする。また、自身もスーパーマーケットでこれまで買わなかったカップ麺を手に取ったり、酒類などを買い込んでいる。まさに「巣ごもり消費」にシフトしてる。石川県白山市に本社があるドラッグストア(東証一部)は昨日の終値が前日より10%値を上げた。これは「巣ごもり銘柄」だろう。
巣ごもりと言っても、鳥や虫のようにじっとしているわけではない。テレビを視聴したり、ネット検索など情報を得よう人は動いている。ネットを閲覧していて、目にとまったニュースがあった。19日に民放連(民間放送連盟)の大久保会長(日テレ会長)が記者会見し、コロナ感染拡大の影響で、テレビ視聴率が上昇しているのかとの記者からの質問に、「ここ2、3週間の視聴率などを見ていると、少し全世帯視聴率が上がっているのではないかと言うふうにテレビの編成の責任者が言っていたことを聞いたことがあります」と答えていた(19日付・スポーツ報知Web版)。これは「巣ごもり視聴」と言っていいだろう。
巣ごもり視聴がトレンドかもしれないが、気になるのは、テレビCMが「ACジャパン」(公共広告機構)ものがやたらと多いと感じることだ。とくに、昼から夕方にかけてはスポットCMがつきにくくなっているのだろう。今月11日付のこのブログでも述べたが、電通がまとめた『2019年 日本の広告費』によると、通年で6兆9381億円で前年比101.9%と、8年連続のプラス成長。消費税率アップにともなう個人消費の落ち込みの中でも、全体を底上げしたのがインターネット広告費で、初めて2兆円超えてトップに。一方、テレビ広告費は減り、首位の明け渡した。これを電通は「広告業界の転換点」と伝えているが、その実感も伝わってきた。
巣ごもりばかりでは気が滅入るので、きょう花展を見に金沢市の「しいのき迎賓館」に出かけた。深紅の花をつける「のとキリシマツツジ」=写真=。本来は5月に奥能登で見頃を迎えるのとキリシマツツジだが、花展を実施している地元のNPO法人と石川県立大の研究者が協力して開花時期を調整し、2ヵ月早く8分咲きのものが鑑賞できるようになった。深紅のツツジに生命力を感じる。「コロナウイルスなんかに負けるな」と励まされているようで、心が温まる。
⇒20日(金・祝)夜・金沢の天気 くもり