★コロナ危機 「独り相撲」の寂しさ
きょう午前の株価が急落して2万円を割り込み、円相場が1㌦=101円に。新型コロナウイルスの世界への感染拡大がついに「円高株安」へと波及してきた。リーマンショックの再来、「コロナショック」だ。
きのう初日の大相撲の春場所。テレビで見ていたが、会場にいつもの観客の歓声やざわめきがなく、アナウンサーの声も弾まず淡々と伝えているように感じた。ふと浮かんだ言葉が「独り相撲」という言葉だ。相手もいないのに、独りで意気込むことの意味で今でもたまに使う。大相撲を揶揄するつもりはまったくないが、力士がどれだけ頑張っても歓声なき土俵は寂しい。体と体がぶつかる音は聴き応えはある。
さらに「独り相撲」を感じるのが北朝鮮の弾道ミサイルの発射だ。テレビのニュース速報によると、北朝鮮ははきょう9日午前7時34分から35分にかけて、北朝鮮の東岸から、複数の弾道ミサイルとみられる飛しょう体を北東の方向に発射、日本海に落下した。日本のEEZ(排他的経済水域)の外側と推定されるという。「このご時世に金正恩氏は何を独りで意気込んでいるのか。国内のコロナ感染対策はどうなっているのか」と思ってしまう。
安倍総理も「独り相撲」の感がある。いきなり発表された「学校閉鎖」(2月27日)や「無利子・無担保融資」(3月7日)は唐突な感じがした。これは憶測だが、国内でのコロナ感染の拡大のほかに、総理には別の危機感があるのだろう。共同通信の世論調査(2月15-16日実施)で、内閣支持率が8.3ポイントも減少し41%、不支持率は9.4ポイント増の46.1%だった。読売新聞の調査(同14-16日実施)も、支持率が5ポイント落ちて47%、不支持率は4ポイント上昇して41%だった。内閣支持率の20%台は政権の「危険水域」、20%以下は「デッドゾ-ン」と呼ばれる。第一次安倍改造内閣が退陣した直前の読売新聞の内閣支持率は29.0%(2007年9月調査)だった。
この「危険水域」の苦しみを味わっているがゆえに、「これ以上落としてはならぬ」ともがくようにコロナ対策に手を打ち始めている。これが傍からは「独り相撲」のように見える。
⇒9日(月)午前・金沢の天気 はれ