☆コロナ危機 負の連鎖
新型コロナウイルスによる感染が世界的なパンデミックになるのはもはや時間の問題ではないだろうか。それを予感させるニュースが続々と流れている。アメリカで感染者が300人を超え、死者は計17人となった。今月初めに首都ワシントンで開かれたユダヤ教系団体「イスラエル広報委員会」(AIPAC)の大規模会合に東部ニューヨーク州から参加した2人の感染が判明した。ペンス副大統領やポンペオ国務長官も参加しており、政治の中枢に影響が及ばないか懸念が広がっている(7日付・共同通信Web版)。
世界の眼は東京オリンピックに向いている。7月開催についてIOCのバッハ会長の思惑をイギリスBBC(6日付・Web版)=写真=がこう述べている。「When one considers just how much is at stake, perhaps it is no surprise that Bach seems so reluctant to even contemplate the suggestion of a delay or cancellation, and is in no rush to take a decision before he needs to.」。以下は意訳だ。「IOCのバッハ会長にはとても重圧がかかっているだろう。延期や中止を示唆することをためらっているように見えるが、時期がくれば述べるだろう。決定を急がない、それは驚くことではない当然だ」。世界のメディアの論調はBBCが代表しているようにも思える。延期か中止、バッハ会長はその発表のタイミングを慎重に見計らっているだけだ、と。
世界経済への打撃も深刻だ。IMF(国際通貨基金)のゲオルギエワ専務理事と世界銀行のマルパス総裁は4日、共にワシントンで記者会見し、「残念ながら過去1週間に、世界経済に対する予測は厳しく、暗いシナリオへ移行した」と述べた(7日付・Bloomberg News日本版)。
NHKニュースによると、安倍総理はきのう(7日)官邸で新型コロナウイルス感染症対策本部会合を開き、個人事業主を含む中小・小規模事業者を対象に、金利などの条件を大幅に緩和した貸付制度を創設すると表明した。日本政策金融公庫などを通じて「実質無利子、無担保の融資をする」と述べた。このニュースは週明けに大問題となるだろう。国がこれを実行すれば、地方銀行のいくつかは破綻するのではないか。まさに負の連鎖が起きかねない。
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