2020年 2月 1日の投稿一覧

★武漢の感染者数を推測

★武漢の感染者数を推測

   中国・武漢から日本政府のチャーター機1便から3便で帰国した邦人は合わせて565人。そのうちウイルス感染が判明したのは1便と2便の416人のうち5人だ。3便の149人の検査結果はまだ出ていないようだ。

   ここからは推論だ。1便と2便の416人のうち5人ということは、感染率が1.2%になる。衛生観念が割とあるといわれる日本人でこの感染率だ。では、この感染率を人口1100万人といわれる武漢の感染者数に落とし込んでみると、13万2千人になる。地元の人たちは濃厚接触が日本人と比べ物にならないほど多いだろうから、感染率を日本人の5倍と想定すると、実に66万人になる。

   きょう1日午前、中国の国家衛生健康委員会が公表した、中国全土の新型ウイルスによる肺炎の患者数は31日現在、新たに2102人増え1万1791人に。死亡者数は46人増えて259人となった(1日付・NHKニュースWeb版)。実際の数字はおそらくこのように生易しくはないだろう。

   ところで、WHOは31日(日本時間)「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言したが、渡航制限勧告は見送っている。日本をはじめアメリカ、フランスなど各国政府はすでに武漢から自国民をチャーター機で帰国させているのに、である。WHOによる宣言後の記者会見で、緊急委員会のフサン委員長は「飛行機で自国民を呼び戻している国もあるが、それは呼び戻した後にさらなる感染を防げるという自信がある国だ。全ての国ができるわけではない」(31日付・日経新聞Web版)で皮肉ともとれる発言をしている。

   そもそもWHOが23日の緊急会合で「時期尚早」と緊急事態宣言を見送ったこともあり、各国政府ができる範囲で独自に対策を取った。そして、日本政府はきのう(31日)武漢を含む中国・湖北省に滞在歴のある外国人の入国を拒否する方針を発表した。当然の措置なのだが、WHOとすれば渡航制限の勧告をしていないのに何だと苛立っているかもしれない。

   どこか、WHOに処し方にインシュラリティ(insularity)、頑なさや偏狭性を感じるのは自身の誤解だろうか。(※写真は、感染者の退院の様子を伝える中国・武漢市のホームページ)

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