★元も子もない
大学の日常の光景から事件が起きた。報道によると、きのう10日夕方、名古屋市の名城大学でリポート提出が間に合わないことを謝罪するため研究室を訪れた22歳の男子学生が、担当の40歳男性の准教授から叱責され、准教授をハサミで刺した。男子学生は殺人未遂の疑いで逮捕された。
男子学生は、准教授から提出期限を守らなかったことを叱責され、「単位はあげない」と言われ、かっとなり刺したと供述しているという。リポートの提出が遅れ、教員に叱責される光景はキャンパスではよくあることだ。教員は、リポートの提出がなければ成績評価ができない。
問題は凶器とされるハサミだ。このハサミは教員の机上にあったものをとっさに手にして刺したのか。あるいは、学生が隠し持っていたものなのか。殺人未遂ということならば、おそくら学生が隠し持っていたものなのだろう。となれば、学生にもともと教員を脅そうとした計画的な犯行ではなかったか。幸い命に別状はないようだが、キャンパスでの傷害事件は衝撃的だった。
大学に関連した話をもう一つ。今月3日付のこのブログ(テーマ「☆2020 先読み~広告が映す未来戦略」)で、全面見開き広告(12月31日付)の『立命館から、アメリカ大統領を。』のキャッチコピーについて取り上げた。するとブログに「私は違和感を感じる」とのコメント(匿名)をいただいた。以下、全文を紹介すると。
― 私は、立命館大学の「アメリカ大統領」の広告について、センス無いなと思います。アメリカの大統領はこれまで世界中で何度も武力行使を指示してきました。アメリカは世界中の多くの対立構造に関与しています。自国の利益のために。ある国で星条旗が燃やされているのもニュースで見かけます。そういった国からの留学生はこの広告を見てどう思うでしょうか? このような広告を出すのはグローバル社会を客観的な視点で見れていないことの表れだと思います。 ―
確かに、立命館大学はあえてなぜ、いま、「アメリカ大統領を」をキャッチとして打ち出したのか。トランプ大統領が世界中の人たちの共感を得ているのであれば、このキャッチは響いたかもしれない。しかも、立命館の意図は裏目に出た。アメリカは今月2日夜(現地時間)にイラン革命防衛隊の司令官を殺害したと公表した。このニュースで、世界中の人たちは「トランプ大統領は新年早々から対立構造を焚きつけている」と違和感を感じたに違ない。挑戦的な広告であったかもしれないが、こうなると元も子もない。
⇒11日(土)夜・金沢の天気 あめ