☆「秘匿決定」裁判
事件から3年半、あす8日から横浜地裁で裁判員裁判が始まる。報道によると、争点は被告は犯行当時、刑事責任を問える精神状態だったかどうかが問われている。検察側は精神鑑定の結果を踏まえて、被告に責任能力はあったとしているが、被告側は大麻を使用しており精神障害の影響で刑事責任を問えないと主張するようだ。
去年7月18日に発生したアニメ制作会社「京都アニメーション」への放火で、社員70人のうち36人が死亡した。京都府警は8月2日に10人の実名による身元を公表し、同月27日に25人、その後10月11日にさらに1人の身元を公表した。警察側の判断では、葬儀の終了が公表の目安だった。犠牲になった遺族のうち21人は実名公表拒否していた。その拒否の主な理由は「メディアの取材で暮らしが脅かされるから」だった。警察側の身元の公表を受けて、メディア各社は実名を報道した。
メディアは、実名報道は国民の知る権利だとして警察に被害者の氏名の公表を迫る場合もあるが、今回は裁判所も「秘匿決定」としており、実名報道には沈黙を守っている。匿名には、確かに家族の意向もあるだろう。ただ、あすからの裁判で被害者が「甲A」さん、「乙B」さんと呼ばれて、被告はどう思うか。「だから意思疎通ができないヤツは名前も呼ばれない」 「だから障害者はいないも同然なんだ」「実名で呼ばれているのはオレだけだ」と。法廷で高笑いするのだろうか。
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