★資本主義の危うさ
仕事始めのきょう6日、東京株式市場は午前からほぼ全面安で下落幅は一時500円を超えた。大発会の鐘打ちイベントは麻生財務大臣を迎えて開催されたようだが、相場は波乱の幕開けだ。アメリカのトランプ大統領の指示でイラン革命防衛隊の司令官を殺害され、イランも報復を宣言した。中東情勢のキナ臭さが株価を直撃した。3日のニューヨークダウも反落、一時370㌦下げた。
逆にきょう株価がストップ高になった銘柄が石川製作所(石川県白山市)だ。プラス400円の2184円、値上がり率は22%増。同社は段ボール印刷機、繊維機械を生産しているが、追尾型の機雷も製造する防衛産業でもある。キナ臭さが漂うと防衛株に注目が集まる。株価をストップ高にした要因はもう一つ。朝鮮労働党中央委員会総会が12月28日から31日まで開かれ、金正恩委員長は経済制裁を続けるアメリカを非難し、「世界は遠からず、朝鮮が保有する新たな戦略兵器を目撃することになる」と主張。非核化交渉に臨むアメリカの姿勢次第で核開発や大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射を再開する可能性を示した(1日付・日経新聞Web版)。
2年前の状況が再び繰り返されるのかもしれない。2017年7月、北朝鮮が打ち上げたICBMはアメリカ西海岸のロサンゼルスなどが射程に入るものだった。これを受けて、トランプ大統領は9月の国連総会の演説で金正恩・朝鮮労働党委員長を「ロケットマン」と呼び、双方の言葉の応酬が過熱した。このころから石川製作所の株価は急上昇し、それまで1000円に満たなかったものが10月には4205円の最高値を記録した。
ちょうど1年前も世界の株価は新年早々に「ネガティブサプライズ」に見舞われた。アメリカのアップル社が2018年10月-12月期の売上高の予想を下方修正し、840億㌦に留まる見込みと発表。その原因について、アップルのティム・クックCEOが中国の景気減速だと述べた。これを受け、ニューヨーク株式市場でアップル株が一時10%急落、ダウも下げ幅が一時600㌦を超えた。このころから中国の経済減速が世界の共通認識として広まった。
「資本主義の総本山」ウォールストリートが揺れ、世界の経済に波及する。資本主義の危うさ、経済に翻弄される1年が始まった。
⇒6日(月)午後・金沢の天気 くもり