2019年 6月 22日の投稿一覧

☆能登で里山里海SDGsマイスタープログラム始動

☆能登で里山里海SDGsマイスタープログラム始動

   このブログで何度か紹介している、能登半島の里山里海マイスター育成プログラムの今年度の入講式がきょう22日、珠洲市にある金沢大学能登学舎において執り行われた。今年度からは名称も「能登里山里海SDGsマイスタープログラム」となり、2019年度入講生として20名が式に臨んだ。

   地域人材を育成するこのプログラムは、2007年から5年間、科学技術振興機構(JST)の事業として実施。その継続事業を金沢大学が実施主体となり、珠洲市が出資自治体、石川県立大学と石川県、輪島市、穴水町、能登町が協力団体となり運営している。これまで12年間で183名の修了生を輩出している。今年度から里山里海の保全と活用に国連の持続可能な開発目標(SDGs)のコンセプトを組み入れたカリキュラムとしたことから、プログラム名称も新たにした。

   入講式では始めに山崎光悦学長が式辞を述べた。「さまざまな志(こころざし)をもった受講者が互いに学び合い、切磋琢磨することで能登の未来を切り開く地域イノベーションが生まれることを期待しています」と入講生を励ました。入講生を代表して高澤千絵さんが、「能登の自然の元で、多様な分野に精通した人々との出会いと学びを通して生まれる化学変化が楽しみでなりません」と抱負を述べました。この後の記念講演で、国連大学 サステイナビリィ高等研究所OUIKの渡辺綱男所長が「里山里海とSDGsでひらく能登の持続可能な未来」と題して講演した。

   今年の受講生はバリエーションに富んでいる。能登出身者のみならず、他県から能登への移住者や、金沢などの都市部から通う受講生もいる。職業も農業者、林業者など、能登の里山里海の恵みを生かした生業(なりわい)に携わる者、料理人やクリエイター、ドローン技術者など様々な技術や専門職がいる。地域おこし協力隊や行政職員など地域課題解決の現場で日々奮闘している者も。今回初めて高校生、京都大学の大学院生も入講した。実に多様な経歴や目標をもつ顔ぶれが集まった。 

   受講生は令和2年3月まで、月2回のペースで本科コースと、より高レベルの課題にチャレンジする専科コースに分かれ、卒業研究に取り組むことになる。また、地元金融機関と連携した「創業塾」も併せて開講し、起業を目指すことも可能になった。互いに議論を重ね、自己実現に向かって磨きをかけていく。

⇒22日(土)夜・金沢の天気       くもり