2018年 9月 4日の投稿一覧

☆ニュースの裏読み

☆ニュースの裏読み

     報じられるニュースと報じられないニュースがある。簡単に言えば、報じられるニュースは建て前、報じられないニュースは本音、あるいは不都合な真実と言ってよいかも知れない。その事例をいくつか。

     経団連中西宏明会長が2021年春以降に入社する学生への会員企業の採用活動に関し、経団連が定めている面接解禁などの統一ルールを廃止する意向を表明したと報じられた。これに対し、遊説先で安倍総理は「企業側ともよく話をした結果、『採用活動は6月開始』というルールをつくったところだから、このルールをしっかりと守っていただきたい」と述べ、経団連は指針を守るべきだと述べたという。

     経団連がつくった就活の統一ルールはすでに形骸化している。リクルートキャリアが発表した数字では、面接など企業の選考活動が解禁されたことし6月1日時点で、大学生の就職内定率は68.1%となっていた。このままでいけば、経団連に加盟する大企業が「貧乏くじ」を引くことになってしまう。そもそも、リクルートスーツで身を固めて会社訪問というパターン化された就活に違和感を持つ学生は多い。最近聞いた学生の話では、留学先(オーストラリア)から東京の企業にメールで問い合わせ、後日スカイプで面接をして内定。帰国後に企業訪問をして卒業後の具体的な仕事内容について段取りをしてきた、と。学生の本分である勉学が就職活動が早くなることで疎外されること懸念する向きもあるが、リクルートスーツで何十社と回るより時間的なロスが少ないのではないだろうか。

    障害者手帳は地方公共団体に認定を受けると発行される、障害を証明するための手帳である。手帳は2 年ごとに更新が必要だ。いま問題となっている障害者雇用の問題はこの手帳を持っているのか、いないのかが基準となっている。正直私だったらこの手帳を持ちたくない。実際に手帳を持っている人の話だ。精神に障害を持つ彼は、担当の医師に手帳の更新の申請書を書いてもらう。その時、医師は「症状は随分とよくなっていると思いますが、そのまま書くと手帳がもらえなくなるので少々きつく書いておきますね」と言われたそうだ。実際書かれた申請書に目を通すと「暴れる」「奇声を発する」など大げさに書いてあった。

    働くために手帳をもらう。手帳をもらうために症状の水増しが行われる。彼は「人格が傷つけたれた思いがした」「本音を言えば手帳はいらない。更新時が憂鬱だ」と。このような声はニュースにはいっさい出てこない。

⇒4日(火)朝・金沢の天気    くもり時々はれ